夢か現実か

ニクス

第1話

 僕はどこにでもいる大学生の中島拓海だ。そんな僕だがこの前不思議な体験をした。それをここに書こうと思う。こんな事を書くのは初めてだから読みにくいかもしれないけど最後まで読んでくれると嬉しいです。


 それは大学の夏休みで実家に帰省した時の話だ。

実家は田舎にあるので何もやることはない。それこそやることと言ったら畑の手伝いくらいだ。周りに何かないのかと聞かれたら小学校が歩いて2、3分のところにあるくらいだ。この小学校が近いから忘れ物をしてもすぐに帰れるというのが僕の鉄板のネタだった。他にないのかといわれるとコンビニが自転車で10分から20分くらいの位置にある。これも山を一つ越えないといけないので行くのが大変だ。駅はというと40分くらいはかかるので自転車では行きたくなかった。そんなことだから僕は実家に帰るとやることが何もなかった。携帯ゲーム機を持てかえっても飽き性な僕はすぐに飽きてやることがなくなってしまう。それだから僕は、その日は昼寝をすることにした。日当たりも良く程よく涼しい風が流れてくる僕のお気に入りの場所が家に合った。そこでいつものように昼寝をした。そんなときに起きたのが今回の話だ。



 3時におやつを食べ少し眠くなってきたので少し寝ることにした。この場所は夏でも気持ちよく寝ることが出来る僕のお気に入りの場所だ。そこでいつものように寝ていると

「拓海、たくみ~…」

僕は2階にいるが声の響きから1階に声の主はいるようだ。どうやら親父が僕を読んでいるようだった。さっきまで寝ていたということもあって僕は無視することにした。寝ていたら返事が出来なかったという言い訳になるからだ。

「拓海…拓海…」

親父は階段をのぼりながら僕をあいも変わらず読んでいる。そこで僕は寝ているふりをしても起こされると思った。起こされるくらいなら自分で起きて手伝いをしようと考えた。今行くと声を出そうとすると

「ぃぁ・・!!!」

声が出ないことに気が付いた。これは声というよりも喉から空気が漏れ出ているという表現が近いような音しか出なかった。それならと体を動かそうと考えた。

「!!!」

体が1ミリも動かないのだ。この時になって僕は異常事態が起きているとわかった。

「拓海…拓海…拓海…」

親父が近付いてくるのになぜか恐怖心が自分の中で増幅していた。あの声は親父のものであって親父のものではないという確信があったからだ。


そこから僕は体を必死に動かそうとしたがどうにもならなかった。それなら恐怖を押し殺し寝たふりをしようと考えた。奇跡的に体は動かせないし、声を空気が漏れ出たみたいな音の為親父?らしきものに物音は聞こえていないはずだ。

「拓海、いないのか?」

僕はこの言葉で本当に親父だと確信した。偽物がこんなことを聞くはずがないという意味の分からない安心感に包まれて恐怖を視ないふりをした。


「なんだ、いるじゃないか」

その時声の主が背後にいることが分かった。そこで僕は不思議に感じた。この部屋に入ると一目で僕がいることを確認できる。それは今はいい。次が大事なのだ。この部屋は優しく歩いても少しきしんだ音をする。そのため僕に近づいたらこのきしむ音が必ずするはずなのだ。だが、今回はそんな音はしなかった。それなのにもかかわらず声の主は僕の背後にいる。これはどういうことだっと不思議に思ったら背中が急に熱くなった。この時の僕は強烈に熱いという感覚になった。それがきっかけで僕はどこかで聞いた話を思い出した。痛いという感覚は熱いという感覚に似ているということを。そこで僕は何かで刺されたということが分かった。なので必死に声を出そうとした。

「ぁぁぁぁぁ」

どうやってもかすれたような声しか出ない。思いっきりやってみようと必死で僕は声を出そうとした。

「ぁぁぁぁ」

どうやっても声は出ないようだった。

そうこうしているともう一度背中に衝撃が走った。

ドンッ

また刺された。そう感じた僕は体も同時に動かそうとした。


その時

「はっ!!!」

急に声と体が動けるようになった。


僕の心臓はすごい速さで動いている。後ろには何も気配を感じなかった。だけど、先ほどのことがあり、後ろを確認するというのはすごい恐怖心があった。

だが、後ろを向かなければ何も始まらないとわかっていたので思い切って後ろを向いてみることにした。

心の中で3…2…1っと数え勢いよく後ろを向くと何もなかった。

「よかった」

っと安堵したのと同時に

「そうだ。背中は」

っと背中はぺたぺたと触って何も異変がないことを確認した。

「夢か」

そこで僕はあれが夢だと判断した。だって、背中が刺されたはずなのに何もないということは先ほど寝ていたということもあって僕は夢だと判断した。でも、なんで体が動かなかったんだ。

「そうか、あれって金縛りか」


だけど、一つ気になることがある。それは随分とリアルな夢だったということだ。声や反響、痛みなどさまざまなことが現実のものと違いはなかった。それゆえにこれが本当に夢だったのかという恐怖心を少し抱きながら生活した。


夢は普通に生活していると忘れてしまうと聞く。だが今回の夢はなぜかいつまでも鮮明に覚えていた。これは意識しているからなのだろうかと疑問に抱いて生活しているといつの間にか僕は社会人となっていた。


 僕は会社で働き帰ったら寝るという生活をしていた。そんなある日の出来事だった。いつものように寝ていたら声がした。

「拓海…」

親父の声?そういえば実家に帰ってたんだっけ。そこで目を開けると実家の壁ではなかった。それはいつも仕事から帰ってきたときによく見るマンションの壁だった。

「ぁぁぁ」

声が出ない!

その時に「はっ」っとした。これは以前起きた金縛りの状況と同じだということに。

そして、今回も声の主は親父のものだった。

「拓海…」

そして、前回とはっきりと違う点がすぐにわかった。足音がしないのだ。なのに、声が近付いてくる。僕の住んでいる部屋はお世辞にもきれいな場所とは言えない。ビニール袋が転がっていたりするのだ。それなのにビニール袋を触れた時のカサカサという音が一つもしない。


これは異常事態だと感じたら体が動かない今、どうにかして声を出さないといけないと考えた。その時の一番の声を出そう。そう考え行動に移した。

「ぁぁぁぁ」

どうやっても声はかすれた声しか出せず、助けを呼ぶことは出来ない。

そうならば、相手の姿だけでも見てやろうと思い、目を動かし確認しようにも目の前は壁で後ろはどうやっても見ることは出来なかった。そんなことをしている間にも少しづつ僕の名前を呼びながら近付いてくる声が僕に恐怖心を抱かした。

「拓海、………」

うん?名前以外にも何か言った?


何を言っているのかよく聞こうとすると背中にドンッという衝撃が走った。この感覚は覚えがある。前回みたいに何かを刺されたんだ。この時不思議と刺した者を見てはいけない、反応してはいけないと感じた。その勘を信じるしかなかった状況だった僕は目を閉じて寝ているふりをした。寝ているとこの不思議な存在は耳元で

「拓海…」

っと僕の名前を呼んだ。それに反応がないものだから今度は僕の目の前に移動した感覚がした。僕の目の前には壁しかないとわかっていても何者かがそこにいるという謎の恐怖心が増大した。


それから何分経ったかわからないが体が動くことに気が付いた。恐怖心で手をグッと握ろうとしていたら動いたからだ。そして、目の前には何にもいないと不思議と感じた。だから、思い切って目を開けてみることにした。そうしたら、やはり何もいなかった。背中はと思い背中を寝た姿勢のまま触ってみても何もなかった。これもやっぱり夢かっと安心したが不思議と今後ろを見ると何者かがいて襲われると感じた。


やっぱりまだ何かがいるんだ。そう考えたら後ろを向くことは出来なかった。そのままの姿勢で体感で何十分もたった時に思い切って振り返ってやろうと覚悟を決めた。

「よし、行くぞ!」

そう小さい声で覚悟を決めて振り返った。そうしたら

「何もいない。よかったぁ」

思わず安心してしまった。この時何を思ったのか泥棒がいたのかもと考え僕は部屋を全部見て回った。

「何にも変化なしか」

やっぱりというか何も変わったことは起きていなかった。

「寝るか」

そう言って明日も仕事があるので眠りに入った。

翌朝、寝室に足跡がなぜかついていた。

「なにこれ?昨日はなかったよな」

念の為このことを警察に相談したがこの足跡の犯人を捜すのは難しいと言われてしまった。何も盗まれたものもなかったので僕も「まぁいっか」と考えこのことを忘れることにした。


だが、あとから考えたが泥棒が入った可能性は存在しなかった。なぜなら、足跡から入ってきた場所を考えるとビニール袋を触れてこないといけないからだ。そんだけ僕の部屋はビニール袋が転がっている。だから、泥棒の可能性はないのだ。


それから、数か月たちこの2回の出来事をふと思い出した。この体験を書くと面白いかもと思い僕は今回の体験を書くことにした。そうして、今完成することが出来た。

「よし、完成っと。あとはこれを投稿するだけ」

そう思い投稿サイトに投稿しようとしたとき、ドンッと知っている感覚を味わった。それは今さっき思い出した衝撃だった。

「これは?」


拓海は後ろを振り向くと顔の見えない何かがそこにいた。そこから、○○は意識を失った。死の間際彼は何かを思い出していた。

「拓海、忘れろ」

「拓海、誰にも伝えようとするな」

「拓海、死にたくなかったら忘れろ」

そうか、名前を呼ばれて何か間があるっと思ったらこういうことか。


「○○県在住の中島拓海さんが心臓発作で今朝お亡くなりになっているのを同僚の方が発見したそうです。拓海さんは無断欠勤をしない方で怪しく思った同僚が部屋に音売れたらなくなっていたそうです。次のニュースは…」


ある街にはこんな話が合った。

「ねぇ知ってる。金縛りの夢を誰かに伝えようとすると殺されるって話」

「なにそれ、バカバカしぃ」

「この前のニュースの心臓発作もこれじゃないかって話だよ」

「え~うっそ。怖~い」


そう言う会話を聞いているあなたたちが次の標的になるかもしれませんよ。

くれぐれも夢だと思い楽観的にしないようにしてください。

夢は何かの合図なのかもしれませんので

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夢か現実か ニクス @houou1192

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