永遠を彷徨う絶望。或いは埒外の愉悦。

埒外の 特異点 を持つ者たちの息をも
つかせぬ闘いを見事な筆致で描き出す
『オラクル・アウトサイダー』の原点とも
言えるこの作品は【不死】を脈々と引き
継ぎ研鑽してきた或る一族の、最後の
女当主の復讐と愛憎の物語である。

 世界を 魔術 が支配している。
厳密に言えば、埒外の頂点を極めた5つの
人ならざるモノ達が。

『咎人狩り』の名の下に始まる、死をも
超越した闘い。狩るモノ達の、悍ましく
凄惨な能力と、それに反した乾いた感情。
刹那の丁々発止。

 まるで呪いにも似て、永遠に時が
止まった空間をひとり延々と彷徨う様な

 焦りじりとした絶望。
          或いは、愉悦。


【不死】を超越した時、彼女は【何者】に
なるのか。【死】は、終焉であり安息を
齎す終わりであるのか。

  その  答え は。


次の埒外な『物語』へと継承される。

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