第9話

2021年5月、タカは相変わらず高校野球を頑張っていた。高2の春夏が始まり、強豪校で、レギュラーはとれず、それでも何も言わず、遠くで、頑張っていた。連絡も、全くなかった。心配はなかった。タカなら、大丈夫。頑張っている。それが、分かったから。自分の決めたことを、途中で投げ出す奴じゃない。私はタカを、信じていた。

マナも優しく育ってくれた。今は、マナと2人で、のんびり生活している。毎日穏やかに時が過ぎていく。それで十分幸せ。付き合っただの、別れただの、正直めんどくさい、辛い思いするだけ。最初から、何もなければそんな事もない。それが、子どもに影響するのも避けたかった。


でも、私にだって不安はあった。タカの野球をもっと知って、応援したいけど、相談できる人がいたらな…

マナの事を相談できる人がいたらな…

思えばキリがないけれど、子どもがいるからこその悩みは確かにある。


そんな時、あゆみに言われた事を思い出した。

「今は、アプリもあるから、気楽に男友達でも作ってみたら?」

そうかな…

何げなく、アプリしてみようかな。そう思った。コロナもあり、人との交流がままならないこんな時、そういうのもありか…と気楽な気持ちで、アプリを登録した。


本当に、ふとしたきっかけで、人生が変わる…そう思う。私の転機はこの瞬間だったのかもしれない。


私は、この時41歳。

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生きてるあかし @mikan01070107

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