第13話



気まずい空気のまま、土方は沖田の部屋を辞した。

沖田を元気付けてやるための見舞いのはずだったが、逆に落ち込ませてしまった事を深く後悔していた。

沖田の病状は、かなり悪い。もう長くはあるまい。

とは言え、近藤がまだ生きている事は、救いである。

何とか近藤の命を助けて、再び沖田に会わせる事ができれば良いのだが。

もう、時間が無いようだ。急がねば。


そんな事を考えながら歩く土方の後ろから、声をかける男が居た。


「新撰組の土方歳三だな。いや、甲陽鎮撫隊か」


振り向くと、帯刀した男が立っていた。

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総司の居る部屋 桜梨 @sabataro

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