第13話
3
気まずい空気のまま、土方は沖田の部屋を辞した。
沖田を元気付けてやるための見舞いのはずだったが、逆に落ち込ませてしまった事を深く後悔していた。
沖田の病状は、かなり悪い。もう長くはあるまい。
とは言え、近藤がまだ生きている事は、救いである。
何とか近藤の命を助けて、再び沖田に会わせる事ができれば良いのだが。
もう、時間が無いようだ。急がねば。
そんな事を考えながら歩く土方の後ろから、声をかける男が居た。
「新撰組の土方歳三だな。いや、甲陽鎮撫隊か」
振り向くと、帯刀した男が立っていた。
総司の居る部屋 桜梨 @sabataro
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