第3話

戸田は稲毛とともに遺体の状態確認を始めた。まず夫は死因は包丁に刺されたことによる失血死が原因だった。外傷は、腹を裂かれており先ほど見た腸はこの男のものだとわかった。そして男性器と各部位の大きな筋肉、喉仏などが切り取られていた。次に妻の方だ。妻の方の死因は首を絞められたことによる窒息死だった。妻の方の体は夫ほどいじられていなかったが、目がくり抜かれ口は縫われており耳が切断されていた。そして不思議に思ったのは、夫の腸は残りがプロペラにぶら下がっていただけであった。では他は?他の“モノ“は夫婦の手に繋がれており、それが首輪のように粘土で作ったであろう誰かの顔の形をした人形の首に巻きついていた。

「首輪…? 」

「そうみたいだな。そしてこの人形は…犯人が幼稚園の時に作った自分の像みたいだな。」

「なんか、意味があるんですかね。」

「さぁね。殺人犯の思考はわからんよ。まだ金や恨み嫉妬の方が理解できるが今回の場合は特にね。」

他に目立つものはリビングにはなかった。次に戸田達は犯人の自室に向かった。犯人の部屋は物置のようになっていた。おそらく一人暮らしをしていたのであろう。しかし、一応何か隠しているかもしれないと思い戸田達は何か犯行につながるものはないかと探し始めた。

「稲毛さん。これって必要ですかね?」

戸田はそう言って犯人の卒アルを徐に取り出した。

「おぉ。今のところで一番の活躍だな。犯人の思考パターンを考えるために昔の様子を知る必要がある。だから有効な証拠だぞそれは。」

その最初の言葉いるか。と戸田は思ったがとりあえず卒アルを証拠として持って帰ることにした。卒アルは中学校の時のもののようで渡された時以来見ていないのだろう。埃をかぶっていた。

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第八の瞳 Su9er @Su9er

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