エピソード5

ドラゴンズ・ストーリー5

ーヌーヴォ・レスィー

意味 (新しい物語)


最後に時系列つき版


血の匂いが漂う…壁や地面に血肉が

飛び散っている


そんな中に倒れる者がいた

リアン、ルーシア、ウルフ、イヴ、シヴァン、

グレン、グレイン、アスラン、


戦える者や魔の力を持つ者全てが

倒されていたそんな中1人無傷がいた


ミラー「もう…やめてください」

???「セレ…何でお前が覇王に狙われている

それにミラーの名はお前の事だったのか」

ミラー「何で…名前を」


???「クッ…セレ聞いてくれ…

お前は覇王に狙われている…」

「多分お前の母親が魔力が異常なほどに

強かったことは覚えているか!?」


???「セレはその娘だろ だからより

強い魔力があると考えたのだろう」

「魔力が多く強ければ…産まれる子も

強い 覇王はそこに目を着けた」

ミラー「あなた…魔族ですよね

何でそこまで私を」


???「……すまない俺の詳しいことは言えない」

「俺が傷付けてしまった者達の傷を癒す

そしたら行け…天界へ! 寄り道はするな」


戸惑いもなく皆の傷を癒し

フラフラと皆は立ち上がる

他の危険を感じたリアンは

ジンの妻アーリャそしてレンを連れて


ミラーは皆を連れて逃げた


………


どこからともなく覇王の声が聞こえる


覇王「どうなっている テト」

テト「まだ捕らえては…」

覇王「私の花嫁となる者だ擦り傷も許さん」


テト「わかってます」


そして声は消える


テト「俺は…なぜあんな王の元に

ついてしまったんだろう…」

「セレお前は俺が守る」


この身が尽きようとも 俺はお前を!


テト「覇王…奴には誰も勝てない」

天よ…どうか助けてやってくれセレを!」


魔物「聞いたぜ…お前裏切る気だな」

テト「それがなんだ 言ってみろ覇王の掟を」

「自分の意思で動け その通りに動いたまでだ」


魔物「うぎゃあー!!!」

テト「俺はもう…弱味を握られる訳には

いかないんだ あの頃のようにな」

「竜王の娘…魔王の息子…

帝王の力に溺れた者の娘…」

「三大の王の息子、娘…どうやったら

お前達の元に集められるんだ…凄いよジン…」


テト「あれ…ジンって誰だ?

誰だセレって誰なんだ!!」

「竜王の娘…魔王の息子…討つ…

帝王の力を持つ娘討つ…ミラー捕られる!!」


テト「…なんでここに…そうか

捕らえるためにいるんだったな」


………


リュカ「お前たち どうした?」

ミラー「リュカ様 私達覇王に狙われています!」

リュカ「覇王に…奴は危険だしばらくここに!」


ミラー「はい!」


しばらくして…


ディール「お前はジンの娘か?」

イヴ「はい…」

ディール「名を名乗ろう私は帝王の力の元

持ち主帝王ディールという」


イヴ「あなたが帝王…でもなぜ天界に?」

ディール「俺も…色々あってなここにいる」

イヴ「お父さんと同じ目…あなたも

お父さんと似た経験をしていたの?」


ディール「ああそうだ…帝王という族を

恨んでいた 自分の家族達を」

「深くは聞かないでほしい…辛くなる」

イヴ「あ…ごめんなさい」


ディール「謝るな イヴ」

イヴ「何でなのか…あなたから

お父さんと雰囲気も同じ気もして」

「なんか隣にお父さんがいるような感じかする」


ディール「かつてジンに俺を喰らわせた

だからその気が似たと思う」

イヴ「どんな関係だったの…」

ディール「ただ力を渡しただけで…

実際深い関係はない はずだ」


イヴ「変な頼みだけど 少し…抱きついても?」

ディール「構わない…」

「(そうか雰囲気も似ているか…

父に似ているからそれに見立て抱きつくか)」


リュカ「ディール何してる?」

ディール「わっ! 別に変なことをしている

訳じゃないからな!!」

リュカ「フフ…知ってる聞いてたよ」


ディール「なんだ…ビックリした」

イヴ「あなたは あの時にいた」

リュカ「久しぶりだな イヴ」


ディール「会っていたのか?」

リュカ「ああ 4年前にな お前も15歳か…」

イヴ「………」


リュカ「そういやイヴ オルガが探していたぞ

ホームにまだいるはずだ」

イヴ「うん 分かった」


イヴは部屋から出た


リュカ「眼に光がない…」

ディール「色々と我慢をしすぎて多分

めちゃくちゃになってしまったんだろう」

リュカ「あの子は13の時から戦ってきた

若くして剣に斬られ血を流している」

「そう全てはジンの為に…でもそのジンは

死んでしまった 仕方ない事だろうな」


ディール「そのジンが居ない変わりにオルガを

生き返らせたのではないのか」

リュカ「そうだろうな 確実に」

「でもイヴは父に居てほしかったんだろう

死んで…ほしくはなかったんだろう…」


リュカ「ジンの一族は希望がない…気がする」

ディール「いや気でもないだろう 確かにそうだ」

「そのジンだって希望がなかったそれでも

進み続けた それは周りにいた友のおかげでな」


リュカ「…女性というのは心が折れやすい

ディールよここにいるときだけで構わない」

「イヴをオルガを支えてくれ ジンと同じ

雰囲気を漂わせるお前にしかできないだろう」


ディール「誉めているのか誉めてないのか…

まあいい支えてやるジンの娘達を」

「その気持ち分からないでもないからな」



オルガ「イヴ探したよ 着いた途端に

先に行っちゃうから」

イヴ「………」

オルガ「イヴ?」


イヴ「お父さんに会えないのかな ここで」

オルガ「イヴ…」

イヴ「ここは天界だから いるよね」


ディール「魂がここに集っている

訳ではないぞ イヴ」

オルガ「父さん…」


オルガはそう無意識に言う


ディール「……」

オルガ「あ、いや何言ってるだろうな 私は」

ディール「俺はジンではないが…まあいい」


イヴは戸惑いもなく ディールに抱きしめる


ディール「…イヴ…」


イヴに見えたディールの姿は

ジンに見えていた


父に会いたい…その思い込みで…


オルガ「ごめんなさい 私も!」


オルガもディールを抱きしめる


ディール「オルガ!」


2階の廊下にてリュカは見ていた


リュカ「可愛い奴め…」

ミラー「リュカ様…」

リュカ「ミラー?」


…………


ミラー「覇王の部下が私の血族が

関係してるって教えたんです」

「どうやら…私の母の前のばあ様も同じく

魔力が高かったと…そして私もそうだと」


リュカ「考えられるのはミラーの魔力を使って

道具にするか…それとも……」

ミラー「それとも?」

リュカ「子供を産ませるかだろうな」


ミラー「ッ!」

リュカ「お前達血族は特殊で産まれたからな」

「ま、詳しいことはこの本を」


リュカは本を渡す


ミラー「これ私達の家族の名前」

リュカ「過去にてミラーの家族が予言されていた

書をまとめた…辛くなるが」

「覚悟を決め 読んでほしい」


リュカ「無理ならば」

ミラー「大丈夫です! 読めますから」

リュカ「そうか…」


…………


ミラー「そんな…!」

リュカ「そして先ほど書かれた予言だ」


予言された紙にはこう書かれていた

「ミラー 覇王の妻となる」


ミラー「覇王の元に行きたくないです!」

「お願いします 助けて…くださいッ!」


リュカ「かつてこの天界で覇王と戦った

時期があった…」

「結果は敗北した 覇王の部下の餌食となった

そうただ餌をやったかのような終わりとなった」


リュカ「ミラー残念だが助けられない覇王は

帝王も魔王よりも竜王すらも越える強さだ」

「そして私達 天の強さを越えるほどに…!」


リュカ「許せ ここを危険にさらしたくはない」

ミラー「嫌だ…絶対に嫌だ!!」

リュカ「ミラー…」


ミラー「お願い…しますから!

何でもしますから! 助けてッ!」

リュカ「許してくれ…今回ばかりは…ッ!」


リュカは涙を流す


リュカ「私はお前を助けられない!」

ミラー「…ッ!!」


ミラーは部屋を飛び出た


リュカ「私は…無力だ……」

リルル「そんなことは考えないでリュカ

ソムヌスにまた怒られてしまいますよ」

リュカ「モルス…」


リルル「リルルでいいですよ 今まで通りに」

リュカ「リルル…私は今分からない」

「覇王という全界の強敵に狙われている

ミラーを助けられないなんて…」


リルル「リュカ…全ての弱い人達を守れる

訳ではないの 今回は諦めましょう」

リュカ「リルル…お前がそういうなんてな」


そこへ双子の姉ソムヌスが来る


ソムヌス「覇王…諦めろリュカ」

リュカ「ソムヌス…か…?」

ソムヌス「ミラーとやらは

言い方はあれだが 見捨てよう」


…………


ミラーは夜空を眺めた

眼に光は無かった


ミラー「ジン…助けて…」

ディール「死者に助けを求めるのか?」

ミラー「ジンの記憶にいた…確か 帝王…」


ディール「帝王を捨てたもう呼ぶな帝王とな」

ミラー「あなたは…私を助けられますか」

ディール「無理だ 助けられない」

「覇王…奴は強い力で望む全てを押さえてきた

俺の叔父は過去に覇王とやりあった」


ディール「当然負けた…肉体を飛び出した

まま命からがら帰ってきたそうだ」

「帝王の一族が勝てぬのならば 誰にも勝てない」


キリア「覇王…そいつどんな奴だ?」

ディール「魔王の息子か…」

キリア「頼む教えてくれ…何でもいい…!」


ディール「分からない」

キリア「なに?」

ディール「俺が帝王の座を継いだとき

奴は眠りについていた だから」

「戦った事もないし見たこともない」


キリア「クッ!」

ディール「だが聞く話だが過去に一度

帝王、魔王、竜王、三大王の力を合わせ」

「奴を打ち倒したと聞いた」


キリア「三大王…今揃っているやれるぞ!」

ディール「竜王は先ほど見たが弱っていた

しばらく眠りに付かせた方がいい」

「そして力を取り戻させる…だがこれは

いつ目覚めるかは分からない…」


キリア「ちぃ!!」

ディール「諦めろ」

キリア「………」


ディール「力になれなくて すまない」

キリア「待て俺の 父はどこだ」

ディール「………」


キリア「答えろ!」

ディール「お前の父は気が付いたら

消息不明となっていた 分からない」

キリア「…………」


ディール「………」


ディールはそれを言って中へと入った


キリア「ミラー…俺はお前を…!」

ミラー「もういいの…キリア私は行く 覇王に!」

キリア「だが!」


ミラー「みんなを危険に晒したくはないもの」

「キリア…また明日ね」


ミラーも中へと入った


キリア「この事を他の奴等が知ったら…ッ!」


キリアは己の無力さに

落ち潰されそうになっていた


キリア「ク…ソ…ォォオオオオオオオ!!!!!」


………

深夜


ディール「やれやれだ…」


その半開きとなるドアはリュカが見ていた


リュカ「フフ…お前は私を癒す…ディールよ」

「そうか私はお前が必要なのかもな」


「必要か…天使である創造者であるこの私が

魔に癒され必要とするなんてな…」


…………

次の日


キリア「ミラーがいないぞ!」

リュカ「行ってしまったのか」

レン「母上はどこに行ったの?」


キリア「レン大丈夫戻って…来るさ…」

リアン「ミラーになにかあるのだな?」

キリア「何も…ないさ」


リアン「嘘をつくな! その焦り

お前らしくもない話せ 隠さず全てを!」

キリア「……覇王 ミラーは覇王に連れてかれる」

リアン「覇王?」


そこにリュカが来る


リュカ「覇王は 全ての全界の強敵だ

我々でも敵わなかった 竜王も魔王も帝王もな」

「ミラーはそいつの妻とさせる気だ」


リアン「なぜ黙っていた」

キリア「連れ戻すと考えるな…リアン…」

リアン「妹が見ず知らずの者の妻と

されようとしているのだぞ!!」

「姉として見ていられない!

黙ってはいられない!!」


リュカ「キリアの言う通りだ 連れ戻すな…」

リアン「それでも…天使なのか」

リュカ「…ッ!」


リアン「お前達はそれでも

弱者を守る者達なのか!?」

リュカ「黙れ!」

「覇王がどんな奴かも知らないお前達は

そう簡単に言えるが」


リュカ「我々では…そんな簡単には

言えないんだ 覇王から助けると…な…!」

「行けば死ぬ…どうしようもない」


リアン「…………」

「なぜミラーなんだ…それだけを教えてくれ」

リュカ「ミラーはあれでも未経験だ覇王は

未経験の女性を好むそれにミラーは魔力が強い」

「だから覇王は強い子を産ませる

気なんだと思う…」


リアン「こんなッ!! 私は行くぞ!!」

キリア「待て リアン!!」


リュカはリアンを気絶させた


リュカ「すまない リアン…こうするしか」


…………


その頃ミラーは


暗い道を歩いていたその

物陰からテトが現れる


ミラー「あの時の!」

テト「お前は…グッ! 」


ミラー「…ッ!」

テト「セレ…なぜ戻った…戻れ天界…に!!」

ミラー「いいんです…私は皆を危険に…

させたくないもの」


テト「…どちらにしろお前の周りの者は

お前が行こう行かなかろうが危険に晒す!」

「覇王の討伐対象となっている」


テト「早く戻ってくれ…天界に…!」

ミラー「………」

テト「セレ…ッ!!」


ミラー「それでも…私は…」


さらに物陰からルーシアが現れる


ルーシア「そいつの言う通りだ…戻るぞ天界に

天界ならばある程度やってくれるはずだ」

ミラー「覇王自身が動いて…天界の皆まで

狙われてしまったら…どうするのですか」

ルーシア「その時は その時だ

今は自分の身を守れ」


ルーシア「行くぞ ミラー」


ルーシアはミラーを掴んだ

そして羽ばたく


…………


そして天界へと連れ戻された


ミラー「………」

リュカ「ミラー…なぜ行った」

ミラー「皆を危険に晒したくなくて…」


リアン「ミラー!もう覇王の元に

行こうとするな」

ルーシア「ッ! 覇王と言ったか?」

リアン「ああ 言ったさ」


ルーシア「覇王…奴が目覚めたのか

ならば昨日の奴は覇王の部下か…」

「まずいな…覇王が目覚めるとは」


リアン「ルーシアもそう焦るのか?」

ルーシア「当たり前だ 奴は誰にも勝てない事に

絶対なる王とも言われている」

「そんな奴が目覚めたんだぞ!

それにミラーに目をつけて!」


ミラー「私だけじゃない…ルーシアさんも

キリアさんも…イヴも狙われている」

リアン「なに!?」

リュカ「何故それを知っている」


ミラー「覇王の部下がそう教えて

皆を逃がしてくれたんですよ」

リュカ「覇王の部下そんな奴が…

そいつ近いうちに首を跳ねられるな」

「とにかく狙われているのはミラーだけで

ないと分かったいま 何か考えねばならない」


ミラー「私が覇王の元にいって…

やめさせれられば」

リュカ「覇王はそう甘い心は持たん

決めたことは最後までやる そんな奴だ」

「もしそう行って覇王が頭を縦に振り承知しても

最終的には皆狙ってくる」


リュカ「だからミラー まだ行くとは考えるな」

ミラー「はい…」


………


ルーシア「父上…」

アスラン「どうした…」

ルーシア「覇王が目覚めたと」


アスラン「覇王が…それがどうしたと?」

ルーシア「魔王の息子キリアジンの娘イヴ

そして私を狙っていると…ミラーも」

アスラン「…娘よ 弱音を吐こう」


ルーシア「はい」

アスラン「私はいま本来の力は出せん

盾にもならんほどにな」

ルーシア「何が言いたい?」


アスラン「逃げるしかない そう言いたい」

ルーシア「父上もそれを言うのですか」

アスラン「皆 それを言うさ覇王相手にできるか」


ルーシア「逃げる…どこかあの日を

思い出すと思わないか 父上」

アスラン「私もそう思っていたよ」


………


これから起きること等を考えての会議が開かれ

リアン、ウルフ、キリア、イヴ、ルーシア。が

それに参加をした


ミラーは部屋にいた



ミラー「私は…何もできないの…」


ミラーはベッドで布団で埋もれ

無力さに追い詰めされていた


窓からノック音がなる


ミラー「だれ…!?」


恐る恐る鍵を開けると

風に吸い込まれるかのように

スーっと入ってくる


???「我が嫁よ ここにいたか」

ミラー「覇王…なぜここに!?」


覇王は髪が長く顔付きは女性のようで

男性か女性か見分けは付かなかった


覇王「ここには…いない…私は

君の夢に入り込んだ それだけさ」


ミラー「じゃあこれは夢の中なの」

覇王「仲間に連れてくるように頼んではいたが」

「予定以上に時間がかかりすぎている」


覇王「そして我慢ができずこうして

夢の中で君に会いに来たんだ」

ミラー「どうしてそこまで私に関わるの」


覇王「契約をしたんだよ…君の先祖が」

「目覚める度に嫁を届けるとの契約をね」

ミラー「何で契約をしたの!?」


覇王「魔力が高すぎて制御ができない

それを押さえるために契約をしてくれと」

「わざわざ闇の世界まで来て頼みに来たんだ…

これから先の娘を嫁にするとの契約条件をして」


覇王「正直君の周りからは魔力で子供を

作る等を考えているかもしれんが…」

「そんな私は残酷な者ではない

ミラー君達の血族の契約を守ってほしい」


覇王「では待っているよ君の望む事を

叶えると約束しよう」

ミラー「…ッ!」


覇王「次の話は…私の城にてお願いするよ」


月の光が窓からさす

覇王は輝いていた黒く輝き美しく となり


………


ミラーは眩しさに目を覚ます

そしてゆっくりと目を開けた


ミラー「…覇王が私の夢に…

そんなことできるの…?」


そのあとすぐにリュカに話した


リュカ「覇王が夢に…」

ミラー「そんなこと可能なのでしょうか」

リュカ「姿はどんなだったか覚えてるか」


ミラー「髪は長く顔付きは女性のようだった」

リュカ「いや違う…覇王はそんなではない」

「考えすぎて現れた ただの夢だろう

深くは考えるなミラーこの件は任せてくれ」


リュカ「できる所まではやってみせるから」


そしてその夜

眠りについたミラー


ミラー「また あなたなの」

覇王「うん…また来た」

ミラー「………」


覇王「どうしたの どこか怯えているような…」

ミラー「さ、触らないで!」


ミラーへ伸ばされた

覇王の手を振りほどいた


覇王「ごめん…そこまで嫌がってるとは

考えてはいなかった…」

「ミラー…私は寂しい…覇王の名をあると

皆 近付こうとはしなく敵として見られる」


覇王「そのせいで誰も寄っては来ないんだ…

ずっと一人だ でもそんな中ね」

「君の先祖が来て先の娘まで渡すと

聞いたとき内心は嬉しかったんだ」


覇王「一人でいることが少なくなる事にね」

「でもやっぱりか何人かは

逃げようとしていたよ」


覇王「でも契約である限り渡したら

元の世界へ返すことはできない」

「それが契約だから」


覇王「嫁となる皆は帰してとまぶたを

赤くなるまで泣いて言っていた」

「つらかった見ているだけで…

何とか関係を深めたかったんだが」


覇王「はやり…覇王の名があるから

罠だと思ったらしく…心は開いてくれなかった」

「嫁となった者達は次から次へと死んでいった

心を開いてくれないままに…」


覇王「手も出してもいないよ…

だから私は子供を持ったこともない……」

「まだ幼い子供が嫁として渡させた時があって

その子は心を開いてくれたんだ」


覇王「その時だけは楽しかった…でも

まだ若い姿のまま死んだよ……」

「帰してと泣くあの嫁達のように

私も幼く死んだ嫁に泣いたよ…ずっとずっと」


覇王「そこから眠りにつき現在にいたる…

そう長き眠りから覚めたんだ私は」

ミラー「………」


覇王「ミラー…君は私に心を許してくれるか」

「嫁とらしく生き共に笑い共に泣き

共に死んでくれるか」


覇王「私は…ずっと孤独だ…支えれたいんだ

私に心を許した者に…また会いたいものだ」


ミラー「…本当に…」

「本当に約束守ってくれますか?」


覇王「守るよ…決して破らない だから来てくれ」


絶対に…絶対に破らないから


前と同じく朝の日差しで目を覚ます


ミラー「………」


ミラーは抜け出した天界から

覇王の部下がやってくる


???「お前…いいのか本当に?」

ミラー「はい…私を覇王の元に」

???「わかった」


覇王の部下と共に

黒く広がるゲートにて消えていった


???「覇王様 連れてまいりました」

覇王「ようやくかぁ!」


影から覇王が現れる


覇王の姿は夢と違い太っていて

その覇王からに悪臭が漂う


ミラー「…ッ!」

覇王「その顔が好きだその残酷な顔をした

その顔がー!!」

「ガッハハハハ!!」


ミラー「私はどうなってもいい だから

みんなには手を出さないで…ください」

覇王「みんななぁ? 誰だそいつは」


ミラー「魔王の息子…竜王の娘…

帝王の力を持つ娘…みんなには!」

覇王「フン…!それを聞くとするならば

お前をどうしてやろうかぁ!!」


ミラー「……」

覇王「そうじゃ…子作り おう!早う

おっ始めようか きっと強い子が…」


ミラー「ま、待ってください!

まだ皆に手を出さないとの返事を聞いては!」

覇王「あーあー分かった分かったわい!」


覇王はミラーを引っ張って

扉の先へと連れてかれた


???「クッ…!」

「これがあなたならば…こんな強制は

しないだろうに」


………


リュカ「行ったな…覇王の元へ」

リアン「なぜ…跡をつけさせなかった!

なぜ出れぬように目をつけていなかった!!」


リュカ「目はつけていたさ だが…」

キリア「今頃…覇王といるのか…ミラは」

ルーシア「私がちゃんと見ていれば

こんな事には…」


リアン「闇の世界の行き方を教えてくれ!」

リュカ「何を言うリアン!?」

リアン「連れ戻しに私は行く」

「あんな奴にミラーは渡さん!」


………


ミラー「や、やめて!」


ミラーの服は破かれていた

さらにはミラーの上に乗り

逃げれないようにしていた


覇王「ぐふふふー さぁてまずどこから

舐め回すかなぁ ガッハハハハ!!」

ミラー「助けて……」


壁から黒い影が出てくる

その影は覇王を攻撃した


覇王「うぎゃー!!」

「誰だ!! 貴様はッ!」

覇王「き、貴様は!! 殺したはずじゃあ!!」


???「偽りの覇王よ…次は

私が底へと送ってやろう…」

偽りの覇王「く、クッソォオ!!!!」


???「兄上よ…お前は強くない…かつて

不意打ちで討たれたが…しかし」

「あれだけで完全に死ぬとでも

思っていたのか…?」


偽りの覇王「討ったあの日は 一体どこにいた!」

???「奥底に眠っていた…」

偽りの覇王「なに!?」


???「力をより高めてお前を討つために」

偽りの覇王「こ、このぉー!!!」


斬りかかろうとするが二つに切られる

偽りの覇王は灰と化して散った


???「ミラー…こんなので すまないな」

ミラー「あなたは!」


前にいた者は夢に現れた者だった


覇王「私が本当の覇王だ

すまない兄が こんな事を」


服をビリビリに破かれたミラーに

覇王はコートをミラーにかける


覇王「あの時に兄に不意打ちで討たれたと

話しておくべきだったね…君の夢の中で」


ミラー「あれは本当にあなただったの?」

覇王「そうあれは 本当に私だ」

ミラー「……」


覇王「さて君の服が台無しだ

来たまえ服を貸そう!」


ミラーを連れて別の部屋を開けた


覇王「ここにある服を好きに着たまえ!」


???「…ッ! 覇王様…!」

覇王「ステラ…ステラなのかい!?」

ステラ「はい! ステラでございます!!」


覇王「アッハハー! 久しぶりだな!!」

テト「はぁ…はぁ…」

覇王「ん、あの者は…」


ステラ「まだ入ったばかりなんですよ

テトこちらへ!」

テト「はい…!」


ミラー「テト…!」

テト「覇王様…お変わりになりました?」

覇王「いいや…私は帰ってきたんだ 新人よ

前の覇王はいない」

「さて皆を集めよう 本当の覇王が

再び戻ったことを教えねば!」


ステラ「はい!!」


覇王の部下がやってくる

元覇王の部下も聞き付けてやってくる

それは予想以上に多く


城の中に入りきらず外に漏れ出るほどだった


魔物1「あなたの復活 どれ程待ったことか」

魔族1「覇王様! お待ちしておりました!」

覇王「私が帰ってきた事を祝い 今夜は

飲み!食い!語ろうではないか!!」

「私の仲間達! 兄弟達よ!!!」


「うおおおおおおおー!!!」


飲みと食い語りをする魔物や魔族の中

ミラーは一人静かに大人しくしていた

そのミラーの元へ覇王がやってくる


覇王「ミラー」

ミラー「覇王…」

覇王「騒がしいのは苦手か?」


ミラー「ううん 私はこうの好きよ…でも」

覇王「でも…?」

ミラー「こんなこと言うの少し

あれかも知れないけど」

「私は姉達と今まで魔物や魔族と戦ってきた

だから少し不思議な感じがして」


ミラー「私が知っている魔物や魔族は

いつも武器を握り目を光らせていた」

「でもこうして騒いでいる魔物や魔族達を見ると人間と変わらないだなって…」


ミラー「ごめんなさい…こんな話」

覇王「気にしないさ ミラーの住む世界と

私の住む世界が違うからね」

「それは…そう思っても仕方ないなって思うよ

命があるのは魔物も魔族も人間も同じ」


覇王「だから…こうして仲間と楽しむのは

どの者も同じだと思うそれに」

「人間界を羨み人間に憧れる魔物も魔族も

見てきたよこれも同じ命があるからと思う」

ミラー「………」


覇王「ハハハ…何を言っているのだろう 私は」

ミラー「…あなたはどうして覇王に?」

覇王「覇王になった…か…私は父の座を

継がなくちゃいけなくてね

「あの日から…変わりこうして良き仲間に

出会えてここも明るくなった」


ミラー「………」

覇王「さて話はここまでにしておこう」

「ミラー! 私と踊ろう!!」


覇王はミラーに手を伸ばした


ミラー「はい…!」


ミラーは覇王の手を握った


魔族「おい見ろ! 覇王様が

人間と踊っているぞ!」

魔物「ウツクシイ…ハオウサマニ…フサワシイ!」


………

次の日


テト「セレ…セレ!」

ミラー「う…ん…あなたはテト」

テト「なぜ名前を…覚えていてくれたのか!」


ミラー「名前を聞いたの…そしたら

思い出したのあなたの事を」

テト「セレ人間界へ戻ろう」


ミラー「人間界…」

テト「ここは人がいてはいけない

戻るんだ…そして逃げろ覇王から!」


覇王「私が…どうしたって?」

テト「覇王…」


覇王はカーテンを開ける

月の光は部屋を明るくする


覇王「テト…君は何か誤解をしている」

テト「セレ! 覇王の言うことを忘れろ

アイツは嘘をついている!」


覇王「ウソ私がか 何を嘘を言った?

私は全てを言い語っていただけだ」

「嘘ではない…本当の話を」


テト「……」

覇王「君こそ嘘を言っているのでは」

「私は嘘つきだ私はクズだと 君はそう言って

ミラーを騙している」


テト「ミラー騙されるなよ俺の元へ来てくれ!」

覇王「ミラー…! そいつは嘘を言っている!

さあこっちへ!!」


ミラー「……どうすれば」

魔物「覇王様! 人間が攻めてきました!!」

覇王「人間が私を…?」


魔物「それも一人で 人数で押しているのですが

まるで敵いません!」

覇王「…その人間は今どこに」


魔物「もうついでに中に!」

覇王「…わかった」

「ミラー 君は安全のために

ここから出ないでくれ」


ミラー「ま…待ってください」

「あのどうしても私も…一緒に行きたい」

覇王「…ダメだ ここにいてくれ」


覇王はテトをつかみ一緒に部屋にでた


覇王「君は…しばらく独房にいろ

時が来れば また出れる」

テト「クッ!」


テトは気絶させられる


覇王「この新人を独房に連れていけ」

魔物「はい!」


覇王は広いホームにある王の椅子へと座る


覇王「人間か…」


部屋の外から魔物の声が聞こえる

そして魔物と共に蹴りドアを開けた


リアン「お前が覇王か!?」

覇王「いかにも私は覇王だ」

リアン「早速だが言おう 妹はどこだ!?」


覇王「妹…? そうかミラーの姉なのか?」

リアン「ミラーを返せ!!」

覇王「ミラーと逆に武器を持ち戦場を舞うか」


リアン「ミラーはどこだ!?」

覇王「部屋にいるさ…それでどうする?」

「私に向けるその刃は私を切り裂くか?」


リアン「強制に妻にし強制に子を

作ろうとしていると聞く」

「それを聞いてどう刃を納める事ができる!?」


覇王「私に傷をつけれるとでも 思っているのか」

リアン「傷をつけれなくとも この刃を貴様に

当たるまで何度でも立ち上がろう」


ミラー「姉さん!!」

リアン「ミラー!」

覇王「なぜ部屋から出た!?」


ミラー「お願い 姉さんに手は出さないで!」

覇王「私は最初からその気はないさ

だが私に手を出す気がある者はそこにいる」

ミラー「姉さんもやめて!!」


リアン「覇王を倒して人間界へ帰ろう…ミラー」

ミラー「姉さん!!」

覇王「………」


覇王「待つがいい ならばこうしようミラー

君はどうしたい帰りたいか 元の世界へ」

「さあ…言ってくれ正直に」


ミラー「その…私は…私は…!」


ミラーには覇王との出来事を

思い出させられていた


私は孤独だ…

誰も心を開いてくれなかった……


リアン「ミラー!!」

ミラー「……」


次には姉と仲間達の出来事までも思い出す



ミラー「……選べないです私には」

リアン「ミラー…なぜ…お前は人間界へ帰ると

選べばいいだけなんだぞ!?」

「こんな…私達の敵が数えきれないほどに

住まうこの闇の世界何かよりお前は…人間界に」


ミラー「でも私は!」

リアン「もういい…ミラー」

「覇王倒して連れて帰るミラーを…妹をッ!!」


覇王「できれば手は出したくはなかった」


覇王は剣を召喚する

その剣は大きく大剣と言ってもいいほどな

大きさだった


覇王「やるからには…手加減はしない

かまわないな? ミラーの姉よ」

リアン「ああ 来い!」


ミラー「姉さんお願いやめて!」

リアン「ミラー! そこにいろ

絶対に帰ろう…私達の帰る場所に!」


覇王「………」

リアン「覇王行くぞォ!」


…………


リアン「クッ! 奴を傷付けられない!」

「こうなれば…ミラーだけでも元の世界へと!」


覇王「ミラーを連れていくのか…人間界に」

リアン「当たり前だ貴様なんかに

ミラーを渡すものか!!」


リアン「ミラー行くぞ!!」

ミラー「姉さん!!」


リアンはミラーの手を掴み走って逃げた


覇王「そうか…そうだよな…突然と妻にするのは

おかしいよなでも娘を妻にする」

「それを決めたのは君達の先祖からだ…

ミラーの姉は知らないのか その事を」


魔族「追いますか?」

覇王「いや追わないでいい 皆に伝えろ二人を

人間界へ戻るまで 後ろから守れと」

魔族「は、ハッ!」


覇王「次は私自身から…そっちの界へ行き

会いに行こう そして話をつけよう」


………

そして天界


アスラン「戻ったようだ」

キリア「リアンなぜ無茶した!?」

リアン「大丈夫だ ミラーは連れ戻した」


キリア「ミラ大丈夫か!?」

ミラー「はい…」


……


ディール「リュカ…」

リュカ「なんだ?」

ディール「ジンの娘達はそうとう

我慢していたらしいな」

「ジンに似ているらしく…イヴとオルガが

中々離れてくれんよ」


リュカ「見る限りだったか あれからずっと

抱き付いていたのか」

ディール「そうだ…まったく動けるように

動けないから体がバキバキだよ」

リュカ「それはご苦労様だ」


………


グレン「親父…!?」

グレイン「グレン…本当にグレンなのか?」

グレン「ああ…グレンだ」


グレイン「このバカ息子!!」

「生きているのならなぜすぐに

ジンに会わなかった!?」

グレイン「あいつはあの時から…!」


グレン「そうだな…ジンがああになったのは

俺のせいだな早めに会っていれば」

「闇の力も手に入れず 虐殺もしなかった

ジンがあんな事をしたのは全部俺のせいだ」


グレイン「グレン…」

グレン「親父…変わりにジンに会い

何かしらやってくれたそうだな ありがとう」

「そういえばジンは最後に知れたのか…

自分が白ノドラゴンの血を引いてる事を」


グレイン「ああ知ったさ ドラゴン化もした」

グレン「ドラゴン化!? なぜ!?」

グレイン「俺達と同じドラゴンの血を

持たされた奴がいてな そいつにやられた」


グレン「そうか…なあオルガも

ドラゴン化をするか」

グレイン「どうするかは本人が決めることだ」

「まあ人に戻らない そんな事は

ありえないなからな」


グレン「ドラゴン化か…」

アスラン「グレインなのか!?」

グレイン「アスラン!」

「なぜお前が天界にいるのだ!?」


アスラン「ジンの娘を守るためにだ」

グレイン「貴様が守れるものか!!」

グレン「おい親父!」


グレイン「………」

アスラン「そうだな…私は過ちを三回もした

三回だ三回も人間達に手を出した」

「でも三回とも親子共々に阻止された

ハハハ…でもそのお陰で間違いに気付けた」


グレイン「クッ!」


グレインは立ち去った


グレン「まったく…親父は堅いな」

アスラン「当たり前だろうこれが」

「ジンが若い時村を襲いそして見てしまった

らしいじゃないか死体を」


グレン「そうだなそのせいで

ジンは精神的にダメージを受け」

「失うことを恐れた…」

アスラン「最後は失った仲間のために

命を犠牲にし生き返らせた…」


グレン「全くカッコいい終わりだな…」

アスラン「ああ…そうだな」

グレン「さてと」


グレンは剣を抜く


アスラン「始めるか?」

グレン「いいかこれは手合わせだぞ」

アスラン「ああわかってる」


グレン、アスランは剣を構えた


グレン「てああああー!!!」

アスラン「うおおおおおお!!!!」


………


ルーシア「………」

キリア「混ざらないのか あれに」

ルーシア「混ざる気もしない」


キリア「竜王は嫌われ者だな」

ルーシア「全ては父が始めた

嫌われるのも当然だ」

キリア「そうだな」


ルーシア「なあキリア」

キリア「なんだ?」

ルーシア「お前は…ジンと喧嘩を

したことはあるか」


キリア「ジンとは兄弟のように

いつも近くにいた だから喧嘩は何度かしたさ」

ルーシア「どんな喧嘩だ」

キリア「物の取り合いと好きなおかずの

取り合いほとんど喧嘩だ」


ルーシア「可愛いもんだな」

キリア「でもな…竜王が村を襲ってたから

ジンは人が変わった」

「あんな軽かった性格が奴が

あれから重い性格になった…」


キリア「相当の人でないと

心を開いてはくれない程にな」

「それで無理をして戦っていた

魔物と戦うときいつも前に出ていた」


キリア「当然無理をしてた訳だ」

「ひとつひとつの魔物の戦いでジンは

その度に息を切らすほどに」


ルーシア「……最初は誰でも弱かったんだな」

キリア「始めっから強い奴なんていないさ

みんな最初は弱いもんなんだ」

「ルーシア…お前もそうだったんだろ?」


ルーシア「フン…そうだ私も弱かったさ

そうこの剣に会うまでは」

キリア「そういやその魔剣喋るよな」


ルーシア「なぜ知ってる?」

キリア「前にその剣に触れたリアンと戦うとき

喋った気がするんだ」

ルーシア「気がするか…喋るぞこいつは」

「ただあまりにもお喋りなもんだから

黙らせてるのだけどな」


キリア「ジンはさ……今のこの光景

見たら信じられるか?」

「全てを始めた竜王 死んだはずの父親が

今こうして俺達と共にいるなんてさ」


ルーシア「もしジンが居たならば

毎日止まらず剣を振っているな」

キリア「そうだな そうしている」


キリア「なあ…少しながら楽しいものだな

こんな中にジンも入れたかった」

ルーシア「………」


キリア「さて 俺はそろそろ部屋に戻るよ

ルーシアまたな」


去ろうとするキリアの手をルーシアは握る


キリア「ルーシア…?」

ルーシア「…待ってくれ」

キリア「そうか…わかったよ…」


………


イヴはディールを探していた

そのとき一人の天使に会う


天使「お前魔族なんだろ?」

イヴ「ううん 二つの間から産まれた

人間と魔族のね 正確にはどちらでもない」


天使「どういう意味だ」

イヴ「魔でもなく人でもない それが私」

天使「何か辛いことあったのか?」


イヴ「辛いこと…それは父が亡くなったことよ」

天使「そうか…ごめん聞いて」

イヴ「いいの 気にしないで」


ガルシア「俺はガルシア お前名前は」

イヴ「イヴそれが名前」

ガルシア「イヴ…うん 良い名前だ イヴ!」


イヴは少し照れた表情を見せる


ガルシア「…ッ!」


それを見たガルシアは視線をそらす


イヴ「あ…それじゃ行くね」

ガルシア「待って…」

イヴ「またね ガルシア!」


ガルシア「行っちゃったか…」

「イヴか…また会えるよな」


…………


次の日


天界に覇王が現れた


覇王「どうか剣を槍を納めてほしい

私は話を付けに来ただけだ」


天使の兵士たちは覇王に武器を向ける

その中からリュカがやってくる


リュカ「皆 降ろせ…」


覇王「ありがとう…」

リュカ「まさかお前が生きている

なんてな兄に殺されたと聞いたが」

覇王「…こんな話どうしたら天まで届くか」



リュカ「ミラーと話したいのだな?」

覇王「その姉も…呼んでくれるか」

リュカ「リアンの事か」


覇王「ああ 頼む」


覇王は部屋に連れてかれる


ミラー「本当に…来てしまったの」

覇王「ミラー……」

リアン「覇王…!」


リアンはいつでも剣を抜けるように

剣を握って二人は座った


リアン「それで何故お前が…天界に!」

覇王「早速だが…謝罪だ 兄がすまなかった」

リアン「なに?」


覇王「兄の命令で仲間がお前達を傷付けたと

聞いてな私が謝罪しよう」

「大事な話まだある 君達一族のルールの話を」


ミラー「ッ!」

リアン「ミラー?」

覇王「まずは…君達の先祖の話から始めよう」


…………


覇王「君達の先祖は君の妹ミラーと同じく

強大な魔力に悩まされていた」

「その先祖は闇の世界まで来て 私に願い出た」


覇王「私の強大な魔力を押さえてくれと

そして今問題となっている ことを言うぞ」

「どうか先の娘を嫁にすることを約束する

だから契約をしてくれと…言ったのだ」

リアン「嘘だ!」


覇王「ここにその時の紙がある」


覇王は手から青の炎を出し紙を出した


覇王「これだ 見てくれ」


覇王はテーブルにその契約書をおいた


リアン「魔力を押さえる変わりに

先の娘を嫁にすると約束する…」

覇王「その話が出たとき私は戸惑いをした

そして別なことを考えろと言ったが…」


覇王「変えはしなかったよ…」

リアン「そんな 嘘だ!」

覇王「そうではない 確かに私はそう言い

止めたが…言葉を変えなかった!」


覇王「私はやむ終えず 契約をした」

リアン「やむ終えずだと?」

覇王「ああ…仕方なかった…」

「私の前に現れた時…ちょうど妊娠をしていた」


覇王「放っておけば継がれる強大な魔力を

押さえられず子は死んでしまう」

「さらには…子が産まれてくるには

もう時間が無かったんだ…」


…………


覇王「少し上からで言うが…君達がこうして

産まれてこれたのは私が契約をしたおかげだ」

リアン「その借りとして…先祖は

様々な娘達をお前の嫁にさせた訳か?」


覇王「そうなる」

リアン「なんて…クズ野郎だ」

ミラー「姉さん でも仕方なかったのですよ」


リアン「そうだとしてもだ

なぜこんな条件で契約したんだ」

覇王「強大な魔力…それを持っていれば

魔族、魔物に狙われる」

「守らせるために私に渡したのかもしれん」


リアン「狙っているかもしれない

この覇王に渡すとは!」

覇王「でも安心しろ…嫁になった者達には

手を出していない」


リアン「どうだかなっ!!」

ミラー「姉さん!」

リアン「話はこれだけでないと

言うのは分かってる 話せ」


覇王「その契約書通りの条件だ

ミラーを嫁にしたい」

リアン「そうか…そう来ると思っていたよ!」

「答えはいいえだ! 帰れ闇の世界へとな!」


覇王「闇の世界? 人間界は魔界の事を

闇の世界と言っているのか?」

リアン「魔界?」


覇王「闇の世界の本来の言葉は魔界だ

魔が住まう世界だから魔界だ」

リアン「フン…そうか」


覇王「話は戻そう…」

「ミラーを嫁にしなければ

この罰が襲うだろう」

リアン「なに?」


覇王「契約書のここを見てくれ」


覇王が指差す所にはこう書かれている


契約条件を従わない場合 契約解除


リアン「これがどうした?」

覇王「契約解除となれば 強大な魔力が襲う」

最低ミラーも もちろんあなたも…死ぬ」


リアン「クッ!」

「だが…ミラーをこんな奴に!」

ミラー「姉さん…私は大丈夫だから

お願い行かせて」


リアン「でもミラー!」

ミラー「嫁として行かなければ 私達は死ぬのよ」

リアン「………」

「分かった…行け」


ミラー「ありがとう…姉さん」

リアン「覇王ッ! ミラーに変なことを

一瞬でもしてみろ! お前を殺してやる!!」


覇王「わかってます 決してしないと約束します」


覇王はミラーを連れ闇の世界…魔界へと戻った


ミラー「……」

覇王「やっぱり寂しいよな…姉と離れるなんて」

「ミラー 週に一度は会いに行ってもいい」


ミラー「…ううん いいです」

覇王「何故?」

ミラー「……姉さんと会ってここへ戻るとき

またあの寂しそうな顔 見たくないですから」


覇王「ミラー…」


…………

5日後 天界にて


アスラン「ハァ…ハァ…中身が80なんらだって

いうのに昔と変わらず衰えていないな!」

グレン「この体はあの当時のままだしな!

そりゃ中身が歳いっても体は最高のままだ!」



アスラン「ハハハ……ハァ…グレン…」

グレン「なんだアスラン?」

アスラン「ルーシアに会う勇気がなかった

私の背中を押してくれて ありがとう」


グレン「なんだよ…今さら」

アスラン「礼を言い忘れてな 今言いたかった」

ルーシア「礼だと?」


アスラン「イア どうした?」

ルーシア「ジンの村を滅ぼしジン母も

リアン達の両親を殺したやつが!!」

「ジンその日から人が変わってしまった!

冷たい目 ついでに怒りをむき出した顔に!」


アスラン「あぁ…そうだ しかしそう言うが

イアも…そうだろう」

「ジンが作り上げた村を滅ぼした

そして娘を殺したのだろう?」


ルーシア「クッ!」

アスラン「……そして私と同じように

過去に後悔しているのだろう?」


ルーシア「そうだ後悔をした…今だって

時々悩む過去に戻って止めたいぐらいにな」

グレン「過去に悩む…ハッ!」

「過去に悩んでどうするんだ?

今まで殺してきた人達が生き返るのか?」


グレン「死んじまったジンはあの世で

明るい顔になってくれるのか?答えは簡単だ!」

「悩んでも無駄なだけだ!」


グレン「それに…ジンは…ジンは死んだんだ!」

「帰っては来ないさ…君達が殺してきた

人達も帰っては来ないんだ!」


グレン「いいか二人とも悩むだけ

無駄になるだけだ無駄な時間になるだけだ!!」

「過去に悩まされるな! 前を見続けろ!!

過去に振り向くなッ!!」


ルーシア「………」

アスラン「………」

グレン「それで…イア? 今お前はどうしたい」


ルーシア「………」

グレン「答えてみろ」

ルーシア「父上を謝らさせたいんだ」

「あの時父上のせいでジン、キリア、

リアンもミラーもみんな!!」


ルーシア「人生が狂ってしまった…父も母を失い

それでも悲しく苦しかっただろうに」

「さらには傷付いて行く仲間達を見るだけでも

苦しかったはずだ!」


ルーシア「若くして剣を握らせ魔物も魔族とも

戦わせるようにしたのも全て父上のせいだ!」

「だから…謝らさせたいんだ私は!」


アスラン「………」

グレン「言葉はいらない許す!」

ルーシア「なぜそんなに軽々と!」


グレン「その苦しい状況を乗り越えたからこそ

ジンはイアを知れたんだろ仲間として!」

「さらには…私もアスランも生きて

今こうして仲間として ー」


グレン「リアンやキリアのイヴ達のもとにいる」

ルーシア「でも…もう少し早くジンの前に

現れていれば変わっていたかもしれない」

グレン「そうだな…変わっていたでも

ジンが変われなかったのは俺のせいだ」

「ジンについては全て俺のせいだあいつが

変わった時 俺が会えば希望が見えたはずだ」


グレン「でも会わせる顔がなく

悩みに悩んでいたら…死んでいた」

「早めに会っていれば今も

生きていたかもしれない…全ては俺のせいだ」


グレン「俺を攻めてくれ イヤ」

ルーシア「……もういい」


ルーシアは立ち去っていった

アスランも後を追うように行った


グレン「やれやれ……」

リュカ「お前も大変だなグレン」

グレン「おおリュカか 少し変わったな」


リュカ「まあな 今や私は

ここの創造者となったからな」

グレン「ハハハ こりゃすごい」


リュカ「会うのも久しぶりだな」

グレン「最後にあったのはそうだな…

ボロボロに倒れた俺を助けた時以来か」

リュカ「懐かしいな…」


グレン「うん……懐かしいものだな」

リュカ「なあグレン 過去に振り向くのも

良いかもしれないぞ」


グレン「そうかも 知れないが俺は過去は

思い返さない人間なんでね」

リュカ「変わらんやつめ」


グレン「俺は変わらんよ」


ずっとな


………

イヴの夢の中


イヴ「あれ…ここは…」


前にはジンがいた


ジン「」


ジン「それにな… イヴ幸せになれよ」

イヴ「それはどういう意味で」


ジンは歩く暗い道へ向かって


イヴ「父さん待て!待って!!」


………

イヴが目覚める


イヴ「父さん…!」


イヴは飛び上がるように起きる


イヴ「夢…なの」

「父さんが言った言葉…幸せになれ

それはどういう意味なの…」


………

二週間後


リュカとリアンは話していた


リュカ「リアンまだここにいても良いのだぞ」

リアン「いつまでも世話にはなれない

私は人間界に戻るとする」

「城をシヴァンに任せっきりでいる

それに何かあればと考えれば…」


リュカ「城?そうか…リアンは王女か

その仕事もあるのか」

リアン「ああ だから本当に

これ以上長くは無理だ」

リュカ「分かった…気をつけてな」


リアンはウルフ、アスランは共に

人間界に戻った天界にていることとなったのは

キリア、イヴ、オルガ、

レン、アーリャが残った


ルーシアはリアンを守るために

共に人間界に戻った


………



イヴ「うう…」

ディール「イヴ大丈夫か?」

イヴ「大丈夫…です…ディールさん」


イヴそういい立ち上がろうとするが

崩れるように倒れるイヴをディールは掴んだ


ディール「イヴ…部屋まで一緒に行こう」

イヴ「父さんのぬくもり…」

ディール「イヴ…」


イヴは気絶していた

ディールはイヴの部屋まで連れていった


ディール「リュカを呼ぶ待っててくれ」


ディールはリュカを呼びに部屋を出た


イヴ「…寂しいよ…父さん…どこ…」


今にも泣きそうな声でそう言った


………

しばらく時間は経ち

イヴは目覚める


リュカ「イヴ起きたか」

イヴ「リュカ様…私は…」

リュカ「ああ起きなくていい 楽にしろ」


イヴ「はい…」

リュカ「…イヴ私が言うこと

聞く勇気はあるか?」


イヴ「何ですか…言ってください」

リュカ「お前は妊娠している」

イヴ「それは…本当ですか」


リュカ「本当だイヴ…だからしばらく

体に負担がかかる行動は控える事となる」

イヴ「この事…まだ他のみんなには」


リュカ「言ってない知っているのは

私とイヴだけだ 言わないでおくか?」

イヴ「この事はすぐバレますよ…

言っといてください」


リュカ「うん分かった…なあイヴ絶対に

無理な行動はするなよ」


そしてイヴが妊娠したこと

リュカは皆に教えた


そしてイヴの元には天界に残った

ディール、アーリャ、オルガ、

アスラン、グレン、が集まり


下の界にて聞き付けたグレインが来る


グレイン「イヴ 辛くはないか」

イヴ「叔父さん…うん大丈夫」

グレン「親父 心配しすぎだ」


グレイン「グレン お前も何かしてやれ!」

グレン「お、親父…」


そこに天使ガルシアが息を切らしてやってくる


ガルシア「イヴ!!」

イヴ「ガルシア? 任務のはずじゃ」

ガルシア「お前が心配で放棄してきた!!」


イヴ「ガルシア…」

グレン「イヴ この天使がそうなのか?」

イヴ「はい そうです」


グレイン「よくも娘を!」

グレン「まあまあ 親父はこっちに!」

グレイン「グレンどこに連れていく!

離せ!離せぇえ!!!!」


グレインはグレンに引っ張られて

部屋を出される


ガルシア「…イヴ あれは君の叔父なのか?」

イヴ「はい…」

ガルシア「少し怖いが優しいな…」

「うん…とてもイヴの事を思ってるよ」


ガルシア「なあ イヴ!」

「俺達の子の名を決めておこう!」

イヴ「名前…ね…」

「お互い苗字を名前を使った名前にしませんか」


ガルシア「ああ そうしよう」

「俺はアダムスこれが苗字だ君は」

イヴ「ヴァルアノ…これが私の苗字」


ガルシア「ヴァルアノ…イヴがあの血族!」

「ヴァルアノ家とは知らずこんな

今までの無礼な言葉を!」


イヴ「ガルシア…そのヴァルアノとは?

私の一族の苗字 何かあるの?」

ガルシア「ヴァルアノ…その名の歴史

知らないのかイヴ」


イヴ「はい…」

グレン「ちょうどいい俺が説明しよう

オルガ イヴ聞け」


………


グレン「過去に大きな戦争があった

人と魔の大規模な戦争がな」

「その戦争の中である一族がどんな族であろうと

仲間にし戦った一族がいた」


グレン「それがヴァルアノという

名の持つ一族だった」

「今でいえば竜王やその娘そして魔王の息子

その王の血族が共に信じる仲間となっている」


グレン「そうだあの大規模な戦争は

今の俺達のように戦っていた」

「天も魔も信じる仲間となり共に

この人間界にて戦った…それがヴァルアノ」


グレン「ヴァルアノ…あの戦争にいなければ

今頃ここ(人間界)は魔界の一部と化していた」

「敵であった魔を一部味方とし天も味方をした

本当に…今の俺達のようにな」


グレン「そのあり得ない光景を目にした

人間、魔物、魔族達がまさに伝説と言われた」

「さらに言えば俺達は…一般に紛れた

名族ってわけだ そして伝説の血族ってな」


グレン「ヴァルアノその名は知らない者は

いないはずだ 伝説を作った名出しな」

イヴ「そんなにすごい名前だったなんて」


グレン「でも…ヴァルアノと言う名は今や

そんなに表に出していい名ではない」

オルガ「どうして?」


グレン「人間界を掛けた戦いに 天を使い

さらには敵対する魔と共に戦った」

「そのことで半分の魔も人は引きよう者だの

腰抜けだの様々な罵声を浴びる事となった」


グレン「でもそれを聞いたさらに半分側は

黙ってはいられなくて 人と人の争いを始めた」

「ヴァルアノの為だと言ってな」


グレン「で、その争いのせいでさらに

勝手な罪が重なるばかりになった」

「あの争いはヴァルアノ家には何の関係も

ないヴァルアノにな」


グレン「そして未だに恨む者もいる

むやみに苗字を教えるな いいな二人とも」

イヴ・オルガ「はい!」


………

その後 名は決まらず次の日になった


イヴ「ガルシア私名前考えたの」

ガルシア「どんな名前だ?」

イヴ「トア…それがこの子の名前にしたい」


ガルシア「トア…うんいいな!」

イヴ「トアラル・アダムス・ヴァルアノ」

ガルシア「ずいぶんと長い名前だ」


イヴ「お互いの名を継がせたいから…」

ガルシア「ハハハ…」


………

闇の世界 牢獄にて


テト「…ミラー…俺は…お前を…守るッ!」


牢獄にはボロボロに傷を負った

テトがいた


テト「覇王…覇王を信じるな!」


拷問「テトちゃーん お時間よぉー

今日もよろしくねぇー」

「今日はねぇ これを使おうと思ってるの!

死ぬか死なないかは君次第」


取り出したのは大きなハサミ型を取り出した

それは赤く熱かった…何度までいったかなんて

想像もつかないほどに


拷問「ちゃーんと意識を保っててねぇえー!!

テトちゃーぁああああん!!!」

テト「グアアアアアアア!!!!」


拷問「痛い!?痛いでしょ!!

あぁー耐えてぇええ!!死なないでぇえ!!!」


………


拷問「覇王に逆らった罰は

まだまだあるからねぇテトちゃん…」

テト「や、やだもう やめッ!」

「ア“ア“ア“ア“ア“ア“ア“ア“ア“!!!!!」


体は傷だらけだった

痛みに耐えるテトだが

段々と死ぬ事を考えてきていた


そんな牢獄にある者が現れる


???「テト…お前ボロボロじゃないか」

テト「レイ…ア」

レイア「テト逃げるぞ」


テト「ミラーは…」

レイア「ミラーは…戻ってきてしまったよ」

テト「……」


レイア「ほらテト行くぞ」

テト「ミラーを…連れていこう」

レイア「いまミラーを連れていくのはよそう」


テト「ミラーを…!」

レイア「次がある 今はお前を連れていく」


レイアはテトを連れて城から離れた

そしてレイアは人間界へと行った


テト「記憶は…完全ではない…でも何故だが

セレを見ると…少し思い出す 記憶が」

「セレを守るという記憶が……でもそれ以外は

何も分からない…なぜ守るかその理由すらも」


テト「何も…分からないんだ…ッ!」

レイア「………」


レイアは言葉を返さず

テトを背よい無言にただ歩いていった



……


???「新人テトが仲間と共に逃げたそうです」

覇王「なぜ勝手に拷問を?」

???「牢獄の番人による自身の勝手な

行動だと思われます」


覇王「臭う…臭うぞ……私は血が苦手だ」

???「……」

覇王「牢獄の番人に罰を与えよ」

???「ハッ!」



覇王「今度こそッ! 私は…私は……!!!」


覇王は拳を握る


ミラー「覇王様…」

覇王「ミラー」

ミラー「今の話は…」


覇王「やっぱり聞いていたか…」

「私は血は嫌いだ…流すのも流されるも

見るのも見させるのも嫌いだ」


覇王「血から漂う鉄の臭いも

そして自分の中に流れる血でさえも」

「この血が流れる血管も嫌いだ

血に関係する全てが私は嫌いだ」


覇王「罰を与えるそいつは血を流さした

だから罰を…与える」

ミラー「自分が嫌うものや事があれば

罰を与えて苦しめるの?」


覇王「それも違う…違うんだ いや…

どうなんだろうな…」


………


覇王のボヤけた記憶


???「お前は悪を演じているようだな」


…………


???「俺は悪を演じていない方が

合う気がする」


覇王にトドメを刺さず剣をしまい

立ち去った


……


覇王「なぜ俺を殺さなかった!?」

???「覇王よ お前には光がある

だからその光で闇を照らしてくれ」


覇王「魔であるこの私がか!」

???「また…どこかで会おう」


………

現在


覇王「お願いだこんな私でも

居なくならないでほしい」

ミラー「…何を恐れているの」

覇王「失うことを…恐れている」


ミラー「失うこと……」


「俺は失いたくないんだ!!」


ミラー「…あなたも そうなの…」


……………


覇王「…………」


………

覇王の過去


覇王「これより人間界を我が界にするため

全戦力をもって攻撃する 一人も遅れるな!」


………


魔物「おい見ろ!」

魔族「なぜ人間が魔と分かち合っている!!」

魔物2「魔だけはない 天とも!!」


魔族2「こんなの聞いてない!!」


人、魔、天、この三人により

攻めてきた魔達は倒された


そして覇王もまた追い詰められた


覇王「くっ…もういい者ども撤退!!」


覇王を追うように 人が魔界まで追いかけてくる


覇王「来たか…ここで返り討ちしてやろう!」


覇王は様々な手を打つそして人と戦った

だが負けてしまう


………


覇王「これが負け…さあ斬れ」

???「…お前のその目に…微かな光がある」

覇王「…なに?」

???「覇王ソテイラ…その光はやがて

大きくなる そしたら闇を照らしてくれ」

「魔界も人間を天界をも 全てを!!」


覇王に向けた剣は鞘にしまった


覇王「なぜ殺さない!!」

???「光がある者は未来の希望だからな」

「とはいえこの先お前の光が大きくなるか

消え去るかは分からない お前次第だ」


???「またどこかで会おう…ソテイラ(救世主)」


………


覇王ソテイラ「ソテイラ…そうだ私の名は

ソテイラだ…意味は救世主……」

「ソテイラ…そしてクロエ…

親はなぜこのような名を付けたのだろう」


わからない…なぜ なんのために


覇王ソテイラ「ミラー」

ミラー「覇王様」

覇王ソテイラ「その呼び方はやめてくれ

私の名を思い出したから」


ミラー「名前を思い出したのですか」

覇王ソテイラ「名はソテイラだ

ソテイラ・クロエ・ダークネス」


ミラー「ソテイラ…クロエ…うんいい名前ですね」

覇王ソテイラ「それでだな…次から

ソテイラと呼んでほしい」


ミラー「わかりました…ではそう呼びますよ

ソテイラ様」

覇王ソテイラ「…ッ!」


ソテイラは照れ隠しで顔をそらす


覇王ソテイラ「ではミラーその また明日…な?」

ミラー「はい」


ソテイラは部屋から出た


覇王ソテイラ「………」

「私は…今照れたのか……もうこれ以上の

感情なんて ないと思っていた」


覇王ソテイラ「あの日の時から…

そう思っていた ずっと……」

「今夜は冷える…早いうちに寝てしまおう…」


………

その頃テト達は 古びた小屋にいた


テト「う…うう…」

レイア「目を覚ましたか?」

テト「レイ…ア…」


レイア「どうやら外は雪が降っている」

「魔とはいえ弱っていれば人と同じだ

下手すれば凍え死ぬ…」


レイア「……フッ…雪か……」

テト「なぜ笑って……」

レイア「これなら少しは思い出すだろう」


テトはフラフラと立ちあがり

外を見た


テト「…ッ!」

「ふ…ははは…こんなこと…あったな」


………

よみがえった記憶


テト「なあ…この降ってる白いやつ

何て言うんだ?」

セレ「これは雪と言います」


テト「どうして雪は降るんだ」

セレ「そこまでは わかりません」

テト「セレも分からないのか」


セレ「はい 雪は不思議です」


テトは手のひらを出し 雪はテトの

手に落ちそして溶けた


テト「溶けた…」

セレ「雪は氷のような感じですからね」

テト「氷…なあ雪は氷なのか?」


セレ「わかりません でも近いかもしれません」

「氷に近い 空から降る冷たい雪…」


セレ「雪は場合によっては命を奪います…

地を埋め 地を凍らせ 体の熱を奪いやがて死に」

「…だから私はあまり雪は好きではありません」


テト「ならセレ 俺はお前を守るよ!

セレを氷付かせようとするものから」

「そしてセレを泣かせる者からも…」


セレ「テト…」


それからテトはどこかへと消えていった


………


テト「思い出したが…その後がまだだ」

レイア「お前にも無邪気な心はあったらしいな」

テト「らしいな…」


レイア「さて テト傷はすぐには癒えない

布に入り体の熱を維持しろ」

「そして頼みたい物があれば言ってくれ

これでも俺はお前の執事だ」


テト「レイアこの布には名前がある」


レイア「なんだ…?」

テト「布団だ そうこれは布団だと

セレから教わった」


レイア「そうか…覚えておく」


………


ミラー「………」


ミラーは吹雪を見ていた


そしてミラーも思い出した

守ると言われたあの言葉を


ミラー「テト…」


…………

次の日


…覇王の夢


ソテイラ「テト お前何処に行っていた!」

テト「秘密だ 言うもんか!」

ソテイラ「テト あいつめ!」


ソテイラはテトの後を付け

人間界へと向かった


影でテトがミラーと会っている所を目撃する


ソテイラ「テトが…なぜ人と」


影から見ていたソテイラは

思わずミラーの笑顔に惚れてしまう


それもテトも同じことだった


魔界に戻ったテトにこう言う


ソテイラ「お前人間に会っているんだな」

テト「なぜそれを!」

ソテイラ「着けていた そして見た」


テト「くっ!」

ソテイラ「この事父上に知られてみろ!

あの人間は殺されるんだぞ!!」


覇王「人間は殺される…と?」

テト・ソテイラ「「父上!!」」

覇王「お前達 人間に会っているのか」


覇王「答えよ!!」

テト「は、はい!!」

覇王「ソテイラ お前は!!」


ソテイラ「ぼ、僕はテトの跡を着けて

見ただけで会っては…」

覇王「ふむ……」


覇王は突然手に持っていた 杖を

ソテイラふたりに殴り付ける


ソテイラ「いっつ!」

覇王「貴様ら 人間界へ向かうなと

あれほど言ったはずだ!」

「いま我々の存在を知られては大変な事になるとそう言い聞かせたはずだが!?」


覇王「人間に見られては… しかない始末するか」

テト「父上! お待ちください!!!」

「お願いしますあの人間には

手を出さないでください!!」


覇王「やかましい!!」

「親の命令は絶対 お前らに聞く言葉などッ!

一言葉もありはせぬわ!!!!」


覇王「やはり覇王を継がせるには早かったか」


覇王は外へ出た


テト「行かなきゃ……」

ソテイラ「お、おいテト!」


テト「行かないと…助けないと!守らないと!

セレは俺が守らないと いけないんだ!!!」


………


覇王ソテイラ「…ッ! 何だ あの夢は!!」

困惑する覇王ソテイラだが…それは


テト「何なんだ…今の夢は!」

テトも同じだった


………


ソテイラの父「気付いたようだな ソテイラ」

覇王ソテイラ「父上!!」

ソテイラの父「かつて三人の記憶を消した…」


覇王ソテイラ「それはどういう!!」

ソテイラの父「女に手を出さない変わりに

記憶を消すと言うことを」


覇王ソテイラ「それは!」

ソテイラの父「あれで気づいたようだが

最近は入った新人テトはお前の弟だ」


覇王ソテイラ「なあっ!!」

ソテイラの父「だがお互いの記憶を

消されていたから気付かないのも当然だ」

「テトも…ソテイラもな……」


ソテイラの父「今では反省をしている…」

「あの時にはもう王の座を降りた身でありながら座を継いだ お前にソテイラに指示して」


ソテイラの父「自由にやらせなかったことを

しかし…ただ見てられなかったんだ」

「覇王の息子が人間界で人間に会う事聞いたとき不安に狩られ 始末をしようと指示を出した」


ソテイラの父「…だが二人は守った…人間を」


………


ソテイラ「………」

テト「………」


二人はセレを守っていた


二人が睨む先には覇王がいた


覇王「なぜそこまで守る?」

テト「父上に分かるわけがない

命かけて守っているあの人の大切さが!」


覇王「わかった ならばこうしよう…

記憶を消す」


テト「…ッ!」

ソテイラ「父上しかし それだと!」

覇王「無論…お前達もだ」


覇王「さあ 選べ」

「命を奪わん変わりに三人の記憶を消すか

一人の人間の命を差し出すかを!」


テト「構わないさ 記憶を…消せ!」

ソテイラ「テト何を言って!?」


震えた声でそう言った


テト「これで守れるのなら

記憶なんていらない!!」

覇王「ソテイラ お前は! 選べ!!」


ソテイラ「……」


ソテイラは気を失ってる少女を見る

そして覚悟を決める


ソテイラ「例え何もわからない状態に

苦しむ事にになろうとも…構わない父上!」


テト「ソテイラお前までッ!」

覇王「フン…」


覇王は戸惑いなく記憶を消した

その後記憶を消されたソテイラは剣の

振り方すらも忘れていた そして


ソテイラの兄に刺され覇王の座を奪われた


ソテイラ「私は…」

ソテイラの父「目覚めたか」

ソテイラ「あなたは…」


ソテイラの父「我はお前の父だ 聞け」


これまでのこと消え去った

記憶のことを話した


その事によりソテイラの記憶は微かに蘇った


だがテトは右も左も分からぬまま

さ迷い始め 何処かへ消えていった


…………


覇王ソテイラ「テトは私の弟だったのですか」

ソテイラの父「うむ…弟だ…」

覇王ソテイラ「そうとも知らず…

すぐに連れ戻さなければ!」


ソテイラの父「だがッ!!」

覇王ソテイラ「…ッ!」

ソテイラの父「記憶が蘇ろうとも

テトは敵対するだろう!」


覇王ソテイラ「そうだな…

でも私は覚悟して連れ戻す!」


ソテイラは部屋を飛び出し

人間界へ続く門へと向かった


………


テト「………」


テトは積もる雪の真ん中に座っていた


テト「…この積もった雪…そうだ

あの日だってこんな感じだった」

「そして始めてあったあの日も」


テトの周りに過去の自分達がいる

蘇った記憶による幻覚が混ざる


追うように前を向くと ソテイラが立っていた


テト「覇王…いや…兄ソテイラ」

覇王ソテイラ「やはり見たのか…あの夢を…」

テト「そっちこそ…同じだろ」


覇王ソテイラ「ああ…」

テト「ようやく…欠けたピース(記憶)が揃った

お互いに同じ夢 お互い夢を見て」

「ソテイラ…記憶を取り戻したというのならば

セレを解放しろ…守るべきなのは俺なんだ」


覇王ソテイラ「そうしたいさ…でも契約の条件

である限り 背くことはできない」

「無視すれば強制に契約は外れセレは

強大な魔力に押し殺されるだろう」


テト「…………」

覇王ソテイラ「…………」



テト「俺はセレの側にいて…守りたいんだ…

なぜお前に…奪われなければッ!」

「いつもそうだった…お前は俺の

全て奪っていくんだ」


テト「嬉しかったか…嬉しいと思ったか?

俺の物を全て奪って自分の物にして」

覇王ソテイラ「それは子供の頃の話だ もう違う」


テト「違う?…だったらセレを解放しろ!!!」

覇王ソテイラ「妻としなければセレは死ぬんだ 継がれてきた魔力に殺されるんだ!!!」

「なぜ分からない…なぜだ……」


テト「セレは…セレは…ッ!! 俺が…俺がッ!」

「また奪っていく気なのか…俺の始めて恋した人までも奪っていく気なのか…ッ!?」


覇王ソテイラ「これも守るためのひとつだ

継がれてきた魔力に押し殺されないための!」

テト「そうだとしてもなぜ

お前の妻にさせなければならない」

「なぜ! お前の側にいさせなければいけない」


テト「始めて人に恋し 守ると誓った

そんなセレが…お前の…お前の…ッ!」

覇王ソテイラ「何度も何度も繰り返し

言おうが変わらない…契約の条件である限り」


テト「クッ…」

覇王ソテイラ「とにかく…今はお前を城へ連れて

帰りたいお前は覇王の血族だから」


テト「…………」

覇王ソテイラ「話ならいくらでも聞く だから…」


テト「…そんな血族…俺はやめる」

覇王ソテイラ「なに!?」

テト「父のせいで俺もソテイラも…

記憶を失った」

「そのせいで剣の振り方も忘れたソテイラに

兄に斬られたんだろう」


覇王にソテイラ「…ッ!」

テト「欲望に溺れた愚かな者に そんな奴に

斬られてしまったのは全て父のせいだ」


覇王ソテイラ「確かに…斬られたのは

記憶を無くしたからだ でも!」

「でも…記憶を消すように…そうさせるように

したのは私達だ……いや違う!」


覇王ソテイラ「お前が人間界に行き

人間なんかと会うせいだ!!」

「私は止めた でもそのせいで私まで

巻き込まれた誤解だと…信じてくれず」


覇王ソテイラ「お前と共に記憶を

消え去ってしまった!!」

「私は正直ただ巻き込まれただけだ

何も悪くはない…!」


覇王ソテイラ「お前を人間界に行かせるのを

止めたかったそれだけのために なのに…!」

「あんなッ…あんなことに!!」


テト「俺のせいと言いたいのか!?」

覇王ソテイラ「そうだお前のせいだ!!」

「お前のせいで私はあんな欲望に溺れた兄に

あっさりと斬られてしまった!」


覇王ソテイラ「恥をかかせたのだ!

お前のせいで!」

テト「それで…どうしろと?」


覇王ソテイラ「お前を殺す! 殺してやる!!」

テト「はは…アッハハハハハハ!!」

「そうだそれでこそ俺の 俺の本当の兄だ!!

殺せ…殺してみろ バカ兄貴ィー!!!」


そうだ…こんな事もあったな……


ふたりは闘った ひとりの人間のために

武器を振るその度どちらかが 傷を負う

   何度も何度も……


やがて二人は傷と血だらけとなった

顔も容赦なく斬られ 歯は頬から見えていた


二人は改めて構え直す そう一騎討ち…

ひとつの斬ることに 終わらせようとしていた


テト「ハアアアアアーッ!!」

ソテイラ「ウオオオオオー!!!」


その時二人は声を感じ取った


………


「テト…ソテイラ…ありがとう

私はもう逝くよ 姉さんが待ってるから」


………


覇王ソテイラ「今のは!?」

テト「…ッ!!」


テト「歳をとったセレが…」

覇王ソテイラ「私達の名を……」

テト「どうなってる… これも記憶なのか!?」


覇王ソテイラ「そんなはずはない まだ

ミラーは生きている!」


ミラーがその場に現れる


ミラー「確かにそれは私…でも違う…」

テト「セレ!」

ミラー「私に似た姿 そして同じ名だけです」


ミラー「テト…なぜあなただけ知っていたか…

この私も思い出しました」

「私のこの体は私のではありません

あなた達が知っている人の体なのでしょう」


ミラー「私は造られたのです」

母と父にて造られた命」


ミラー「でもこれには理由がありました」

「母は…姉を産みそして子は産めない身となった

そうで どうしても」

「妹となる子を求めた母の願いを叶えるため」


ミラー「一族の墓を掘り起こし灰であった身を 屍でもあった身も集め…生きた体を作り」

「遺伝子を継ぐために母の血を持った」


ミラー「テトが知る名も知る体も

ついでに亡くなった身だった」

「この私が思い出すあの記憶も…

亡くなったこの体の人の記憶だった」


ミラー「ミラー・セレ…リアン・アノス…」

「母の苗字も父の苗字がついてなかった

謎もついに解けた…私は…造られた者と」


ミラー「この事を姉さんが知ったら

何て言うのでしょう…」

テト「……化け物……」


覇王ソテイラ「テトッ!!」

ミラー「良いんですソテイラ様…そう…

その通りです…化け物なんです…」


ミラー「ミラー…そうただ過去の者の姿を

写しただけの鏡だったのです」

「鏡を(私を)壊すのなら

いつでもできてます さあ壊して」


震えた声でテトは言う


テト「違うお前は…化け物なんかじゃない…!」

「何で壊す必要がある…中身は違っても

やっと会えたんだぞ…それを壊すなんて」


テト「俺はつらかったんだ…どこを探しても

見つからなかったんだ でも見つけたんだ いま」

「セレ…いやミラーよ俺が始めて恋した人に

セレとして そばに居てほしい」


覇王ソテイラ「セレ 私からも願いしよう!!」

テト「ソテイラ…!」

ミラー「断るはずもないです…

ただこの命……寿命はそう多くはないですよ」

「その時味わう悲しみを失いを再び

感じたくなければ やめた方が…」


テト「いつ死のうがなど今に関係ない事だ

後の事はその時考えればいい」


「今は今を考えればいいんだ」


ミラー「そうですよね…三年前はいたんですよ

そのような人が失って行くことを恐れた人が…」


ミラー「さあ テトおいで」

テト「セレ…!」


テトの見る光景には過去にセレとの

最後の会った時言った言葉と


両手を広げたミラーの光景はまさしく

最後の会った時にとった行動のままだった


テトは抱きつく 涙を流して


覇王ソテイラ「これでいいかもしれないな」

「でも…どうしたものか…テトは契約者でもないこの契約は血族に関係なく…私のみ関係する書」


覇王ソテイラ「…正直こんな事もできた

でも一人が嫌だ…怖いんだ……」

「でも…私は覇王…恐れに負けはしない……」


テトに契約書を渡す


覇王ソテイラ「テト聞けこの契約書を

お前に継ぐ私の名を消し」

「自身の名を書き 支えてやるがいい!」


テト「ソテイラなぜ…」

覇王ソテイラ「その血族は…

お前に守らせるとするよ」

「…そして…あとは好きにしろ」


ずっと私の妄想のなかに生きるあの者に

支えてもらおう… 寂しい…な…


テト「ソテイラ…! なぜお前は!」

覇王ソテイラ「まだ何か言うか?

望みは叶った ならばもう…良いだろう」


テト「でもソテイラ 何で涙を流している」

覇王ソテイラ「…あ…」

「ハハ…なんで…だろうな…どうして涙を」


ミラー「あなたは…一人が怖いのですね」

覇王ソテイラ「…ああ怖いさ 私は覇王だ

いつでも狙われる身だから」

「私を私の隣で支えてくれる者だと居ないんだ

狙われる恐怖…それに怯えなくてはならない」


テト「何を今さら ソテイラ…

そんな感じでは無かっただろう!?」

覇王ソテイラ「そうだな前の私は…

とにかく強い者を探して戦っていた」

「仲間だって殺してた 無茶な要求だって…

さらには一匹狼だった…口も悪くてな…」


覇王ソテイラ「今の私は私ではないことは

分かっている…分かっているさ」

「記憶を失い周りを見返して記憶を思い出すと

つでに身の危険であると知ってな…怖いんだ」


ミラー「ならば私は二人を支えます」

覇王ソテイラ「…セレ」

ミラー「そして…テト ソテイラ様も

私を支えてください」


テト「うん…ソテイラ お前は一人じゃない

ひとりで強がるなひとりで怖がるな」

「俺達がいるから」


覇王ソテイラ「…ああそうだな!」



………

そして数年後


覇王ソテイラ「くっ…」

テト「セレ!」

ミラー「テト…ソテイラ……ありがとう…

私は行かなきゃ…姉さんが待ってるから……」


テト「嫌だ…死なないでくれ…セレ!」

ミラー「こうなる事を…

分かっていたはずでしょう」


テト「分かっていたさ…でも!」

覇王ソテイラ「……」

ミラー「いつまでも泣いてはダメよ

あの子が不安にしまうから」


テト「あの子…そうだな…ああそうだな!」


ミラーは微笑みゆっくりと息を無くした


テト「………ありがとう」

覇王ソテイラ「セレ…」


………

十数年後


燃え盛る炎の中 子を抱き抱えて

走るものがいた


その子は目を切られ血を流していた


???「この先は…行くな…待ち伏せされている

この道を外れて行け」


戸惑いながらも 道を外れて行った

入れ違い追っては謎のものと接触した


追っ手1「な、なんだ貴様は!!」

追っ手2「燃えている! 魔物か!?」


???「消えることない炎持つ者だ」


髪は赤く 目は赤く光り閃を描いている

そして両手も燃える


追っ手「貴様 何者だ!?」

ヴァルアノ「ヴァルアノだ 知っているだろ」

追っ手「ヴァル…アノッ! なにぃいー!!!」


そう言うと追っ手は口から血を吐き出し

バタバタと倒れていった


ヴァルアノ「ティナ」


影から少年が現れる


ヴァルアノ「あの眼を失った娘から離れるな

お前があの娘を守ってやれ」


するとサッと消えていった


ヴァルアノ「その子と共に

ひとりで生きよ…ティナ」

「そして…次に立つ…ときは…グッ!」


ヴァルアノ「ちぃ…もう魔術では…

どうにもならんか…細胞が死に始めている…」


ソテイラ「ヴァルアノ…いいのか…本当に」

ヴァルアノ「構わない…やってくれ」

ソテイラ「わかった…始めよう」


end


2020

4月22日 手直し 12月4日 手直し

2021

7月17日修正、手直し




ストーリーの流れと

時系列がわからなかった人に




ソテイラ時系列


1417年 年が変わる雪の日「はじまり」


セレ12歳テト12歳

セレ、テト出会う

  ↓

1418年

「オートルフォワl」

ソテイラ15歳

ソテイラ、人間界にて侵略を始めるが

1週間後ヴァルアノにて侵略は停められた

あれから数日後

テトの人間界にて人間会っていることを知った

ソテイラは後を着け セレを眼にした

二人は言い合いをしているなか 目をつけられ


セレは父に襲われたところテトにて反撃した

ソテイラは止めには入ったところソテイラも

会っていると疑われた


セレを生かす変わりに

テト、ソテイラ、セレ 記憶失う


記憶を失ったテト、ソテイラのその後

ソテイラは連れ戻されるが

テトは見つからず 行方不明となる


座を狙った兄にてソテイラは斬られる

ソテイラの兄は使いの者をひとり罪を擦り付け

疑いから逃れ 覇王の座を継いだ

そして1620年が経つ


目覚めたソテイラは何者かに

「自身の正体を知りたくないか」と

言われついて行く

数十年後


妊娠のしたひとりの人間の女性が現れ

契約を持ち掛けた ソテイラはそれを呑み

契約を結んだ その内容は「子を捧げる」

1787年

「ドラゴン ストーリー5」


テトは覇王という名を聞き

どこか思いを乗せながら部下として着いた

そこにかつてテトのお世話をしていた

執事レイアはテトの側に付く


一ヶ月後

座を奪ったソテイラの兄は

ミラーを連れ去ることを命じ

竜王の娘、魔王の息子らを討つことをも命じた


命を受けたテトはミラーの場所へ向かった

数日後


ミラーの名を聞いたソテイラは

夢の中にて姿を見せる


ソテイラは覇王の血族だという証拠を

見つけそして確信し兄である覇王を討つ


記憶は無いが覇王という証拠と確信して

覇王の座に戻ったソテイラ


ミラーを連れ出さんとするテトをも記憶は

ほとんど覚えてはいなかったが

守ることだけが覚えていた

本編スタート


出会ったあの日と同じくして

セレと共になったテトは妻となった

1年後


セレことミラーは造られた人間

寿命は決められ子供は作れなかった

それと違い人間の腹に産まれた

リアンに真実を話さず 決められた寿命を迎えた

寿命で尽きたその後テトは

ソテイラに再び 契約書にて戻し

行方不明となった



ー「END」ー


2020~2021~

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中世編ドラゴンストーリー HAL @EGOHALIDO

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