けなげな ~僕と善良死神~

@shuujinr

読み切り(投稿用)

 僕の名は本間坐太郎、この場所ではだれも知らない男だ。

 今は2022年3月1日、この時期的に卒業式の近い高校生三年生だ。

 自分で最もわからないことがある、なぜ普通に生きた人間が鬱やストレスを抱えたのだろうか。

 まだ社会にも流されていない親に守られているだけの僕が。

 僕にはわからない、ただ勉強をして家でパソコンをしてそして大学までの受験を行こうとしている。

 僕にはわからない、別に恋人何かいない、そんなものなかなか成り立たない。

 じゃあなぜ、こんなストレスがたまるんだ。

 何か鬱になる要素でもあったのだろうか、わからない。

 ある日僕は、ロープを買った。

 買ったロープの袋の裏の説明で知った。モヤイ結びのやり方を。

 〇をいれて線に引っ掛けるようなかなり変わった結び方なのだ。

 ぼくはとある木を思い出した。

 ここら学校の裏庭でだれも通らない、ただの木なのだ。

 誰も見ないからだれも知らない。

 早期に発見されればドナーとして使えるかもしれないが、晩期に発見されたならおそらく眼球以外使用不可能になるが仕方がない、僕は死にたいのだ。

 たとえ行きたい人がたくさんいたとしても死にたいのだ。

 天国や地獄などない、人の死は平等だ。

 果たして何があるかわからない。



 ここは学校の裏庭、カラスがカーカーと泣き叫ぶように聞こえる、鳴いてるだけなのだろう今の僕には普通にとらえることができないのだ。

 私は実に心に響くのだ、最後の時を見てるのだと。

 僕はちょっと脚立を持ってきた、学校の裏で廃棄されていたものだ。

 まず長いロープにモヤイ結びを作りあげる、こちらは私が首につるほうほうだ。

 いまから木に掛ける方のモヤイ結びをやるのだ。

 木にかけるほうのもやい結び、ちょっとこつがいる、練習でやるのではなくわっかを通すのだ。

 いま目の前にある木にようやくモヤイ結びができた、やったよ、強く引っ張ったけど何も問題はないやったよ。

 後は自分の首にかけるだけ、かけるだけー。

 自分の首にかけて脚立を押し倒すだけ。

 あとは勇気一つ、首の骨が柔らかいことを望んでちょっと斜めになって押し倒すだけですよ。

 さーいけいけ。

 ごーんと押し倒して、僕の首が一瞬でしま……る。




「君はずいぶんとくだらないことをしてるんだな」

 一人の顔だ、誰だ?僕の顔を除いている、ただ男の顔が逆ってことは足を空に浮かび上がらせてるってことだな。

 しかし何かがおかしい、いや身体が苦しくない。

 何だこれは、首がきつくない……

 いや違う、宙にういているが何か自分が浮いてるような状態にはなってない、なんなのだこれは。

 浮いてるというより時が止まっている。

 足がばたつかない、地面につかない、浮いてない、何だこれは。

「いいからおちつきなさい、着地させるから」

 男は左回転をして僕と同じ立ち位置に入る。

 そして男は左を持つと、木の上にあるモヤイ結びがゆるりと結ばれる。

 僕の首にはロープがついたままだ。

「その首のロープはつけたままにしなさい、君の罪のあかしだ」

 僕は言う、「あ…あなたは誰ですか」

「誰でもないさ、あえていうならココとでもいいなさい」

「はー……ココさん」

「とりあえず歩こう」

 僕は自殺用に使おうとした木を背に、学園を降りていく……がおかしかった。


「あのだれもいませんよ」

「だろうな」

 学校である、今は昼4時ぐらいだから部活性とかいろいろいるはずである。

 しかし誰も動かないし、だれも何もしていない。

 それどころか誰もいない、教師さえもいない。

 昔学校に休日に来たことがあったけど、人の気配がないように見えて先生とか学校の中に入るものだ。

 だが今回は全く人の気配がない、違和感しかないのだ。

 何なのだろうこれは、この世界のはざまにでもおちたのだろうか。

 このおかしな世界、一体何なのだろうかわからないままだ。

 そもそも夕方の四時だから外はこれから暗くなるはずだ、しかし明るくなる気配が全くない。

 学校のグランドまでおりて、そのまま校門までおりていき外に出ていくが……が何かが違っていた。

 普通の街並みならマンションとかスーパーとか店とかあるはずである。

 しかし道路と数件の建物のみがあり、後はすべて天井にさかさまになって突き刺さっている。

 どういうことだろう、重力は一体どうなったのだろう。

「ここはやはり別の世界なのか」

「いまごろきづいたのか」

 ココという男、ちょっと隣であるいて全体の姿を確認した。

 マントをかぶり執事のような恰好をしている、そして顔は黒髪だが整った顔で割とイケメンの部類だ。

 しかし目に光がないかのような精気を感じない状態だった。

 身長は180より上と僕とかなり高い。

「とりあえず歩こう」

 僕とココは道路を歩いた、歩くのは遅いが数十分もあるいたら結構時間はかかるだろう。

 とある建物に入った、見たことのないプレハブ小屋で「ココ相談所」とかかれていた。

 家の中に入る、ロッカー、ソファ、机や雑誌などいろいろ入っている。

「座り給え」というせりふとともに小さなパイプ椅子がありそこに僕は少し触った。

「僕たちは何をすればいいのでしょうか」

「とりあえず奴らが出るまで待って居よう」

「やつら?」

 妙な疑問を持った時、急に机の上に見えない位置にあったベルが鳴り響く。

 男はロッカーから槍を持ち込みプレハブの外に移動する。

「ついてきてもいいが邪魔するなよ」

 地響きが鳴り響く、何か戦いでも始まったのだろうか。

 僕はプレハブから外に出た、そしたら黒い化け物がいた。

 3もある巨大な蜘蛛だが両手は巨大な鎌みたいだった。

 それが道路や少ない建物を掲げながら破壊していく。

 驚愕しながら見る。

「なんなんですかあれ……」

「人々のゆがんだ心さ」

 蜘蛛みたいな怪物は少ない建物を含みながらすべてを破壊していく。

 ココは槍に力を籠めるような感じで右手に力を入れる、そうすると槍は鎌のような形状に変わっていく。

 ココは右手を思いっきり投げつける、すると蜘蛛の頭に命中し蜘蛛は「グュルシャアー」という声とともに、紫の血が飛び散る。

 そしてブーメランのように戻ってきて、ココは再び鎌をぶーめらんのようになげつけるのだ、今度は胴体が切りかかるのだ。

 蜘蛛は絶命したように倒れずき、そして地面に穴が開いてそのまま吸い込まれていく。

 いったいこれは何だったのかわからない。

「僕たちはこうして苦労しているというわけだよ、やれやれだな」

「そうなんですか、ココさん」

「……だがな坐太郎君、僕と君の生きてる場所は違うんだ、君の生きてる場所はここじゃない」

「え……どういうことですか?というかなぜ僕の名前をウワァ」

 僕は足元が急に沼みたいに入り込んでいるのを知った、そしてずるずると潜り込んでいったのだ。

 少しずつ沈んでいく中でもココ君の顔を見ていた、彼の顔は悲しそうだった。


「ザタロー!!」

 急に目を覚ました、上だけだった、お母さんの顔がドアップに。

「ごめんねーごめんねー、悩んでいた何て」 母の声だ。

「目を覚ましましたね」 知らない人の声だ。

「すみません、高原先生、うちの息子が」 父の声だ。

「あの怒らないであげてください、後数日後の方が」 知らない人の声だ、医者かな。

「わかりました、帰ります」父親の声だ。

 扉の音が聞こえる、もう何か身体が動かない。

 何なのだろうこれわからない。

 そうだ……僕は首を吊ったんだ、それから確か……。



 あれから数日後にようやく自分のことを正しく分析した、僕は分け合って卒業式は休んだけど高校は卒業になったけどとても大学に行ける状態じゃなかったのは一目瞭然だろう。

 偶然生徒の一人が訪れたところ、急い教師に報告し発覚したそうだ。

 名前は教師が僕に言うのをやめさせたらしい。

 結局大学にいけなかったため、近くのスーパーに面接を受けたら簡単に合格した。

 そしてスーパーで商品のそろえ方を並んでいる。

 しかし謎は残る、あの場所は何だったのだろう、そしてココは誰だったのだろう、結局わからないままだ。

 死神だったのだろうか、だとするならかれは善良な死神だ。

 健気な僕を助けに来たのだろうか、もうわからない。

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