第二部『幻想兵団‐ファントム・オーダー‐』編

第二部予告編(※期間限定公開※)

『その件は追うな。俺たちがケリを付ける』

「あのっ、剱丞さん、剱丞さんっ!?」


蟹彁を屠った都牟羽について訊ねた詠太郎へ、返ってきた答えはひどく冷たい声だった――。











そんな折、詠太郎たちの前に新たな敵が襲来した。


「ヒロインじゃ……ない?」

「女性もいるでござるが、ほとんどが男でござるな」


男や人工生命体といった、ヒロイアゲームにおいて異質な戦士たち。

その数の暴力に、詠太郎たちは翻弄されていた。






混乱する詠太郎たちに手を貸してくれたのは、元ライトノベル編集者の六識と、そのヒロインだった。


「奴らは『幻想兵団』と名乗っている。召喚系・操作系のスキルを持った作家とヒロインたちによる連合軍だ」

「彼らの狙いは?」

「おそらくデビューだ。今、各出版社に圧力をかけていてな。そうすれば、ヒロイアゲームに勝たなくても作家になることができると考えているんだろう」

「そんな……」











「――ククク、まさか。そんな些末な目論見で、世界を敵に回すわけがないでしょう?」


 今ここに、新たな戦いの狼煙が上がる。











 希望の光の旗の下、集結してくれた仲間たち――



「へんーっ、しんっ!!」



「行くぞあまね、ぴったんこだ!」

「うん、行くよ零お兄ちゃん!」

「「――【纏装クロス】!!」」



「みんなに魔法をかけるアイドル、『CRYSTALIA』でーっす♡」



「久しぶりね鈷梅ちゃん。ここからはこの私、『陳謝舞亭美優秘遊ちんしゃぶていびゅっぴゅ』が協力するわ!」

「へ、変態だあああっ!?」

「すみませんすみませんっ! うちの愚姉がすみませんっ!!」











 暗躍する『十二筆聖』――



「君たちのことは応援したいと思っているよ。ただ、見ている場所が違うだけでね」


「我々の目的は徒な破壊に非ず。さあ参られよ、未来の光よ!!」


「私はどうでもいいわ。久遠寺剱丞さえ殺せるのなら、それで……ね」


「キャハハ!」「ギャハハ!」「全員殺そうね」「そうだね、皆殺しだね」











 そして、詠太郎の抱える謎。



「ええ、そう……貴方は、私たちの本当の子じゃないの。お母さんのお兄ちゃんの子よ」

「今まで黙っていてすまない。だが、父さんと母さんにとっては、本当の息子のように思っているよ」

「父さん、母さん……」






「(けれど、どうして日月那岐は、作家デビューを捨ててまで、僕を……)」











「僕は、何のために戦っているんだろう」










 迷いが光と混ざって混沌と化す時、詠太郎の心が闇へと傾く――



「家族との縁すら仮初だった紛い物と、他者との縁がなければろくに戦えない張りぼての王が! 我々の邪魔立てをしようなど言語道断! この世界に貴様の居場所はないんだよ、日月詠太郎!!」


「……うるさい、黙れよお前。オーバーライト――【堕天衣夢縫シエル・デシュ・アルミュール】」


「その力を使ってはダメ、エイタロー!!」






「往くぞ都牟羽。必ず彼らは帰ってくる。それまでは命に替えても、奴らをここから先へは通すな!」


「御意! 【天装降臨】――五元絶式:千子村正!!」


「私もその痛みの中にいたから解ります。今、あの方を独りにしてはいけません」


「詠太郎氏は、拙者の小説を『面白い』と言ってくれた、初めての読者でござるよ。大切な友人でござるよ、見捨てるわけがなかろう!」


「よく言った豚! ウチらで絶対に目を覚まさせてやるし!」


「血霧ちゃんのチェーンソーでお兄ちゃんに目覚ましビンタだァァァ!!」










「――あたしも戦うよ、お兄」











 暗き闇を晴らすべく、繋いだ光が差し伸べられる時――











「貴様らがどれほど足掻こうと、我が『幻想兵団』に敵うものか! 全ての物語よ、世界とともに沈むがいい!」











 混沌に打ち克った光は、更なる輝きを放つ。











「行こう、エル」

「ええ、私たちは一蓮托生、一心同体、でしょ?」






「【天衣夢縫シエル・アルミュール:ラ・ユニドゥクール】!!」










今、光は、世界を滅亡から救う希望となる。











ヒロイアゲーム第二部『幻想兵団ファントム・オーダー』編

2024年開始予定。

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ヒロイアゲーム 雨愁軒経 @h_hihumi

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