8 浸蝕

神経を疲弊させぴりぴりと蝕む病

何処からともなく沸き出でて

私の創るものを醜く歪める

綺麗なものを綺麗なままに留めさせて欲しい

…此といった願望はない筈なのに

無垢なままいびつに育った病が

やがて潰えて私を蝕む


対岸で苦しみ抜いた己の姿見

生き生きと揺れ動く表情カオ

私であってワタシでない

誰かが其処に映っている


時は経ち

十二の帳が降りる頃

此の生涯は暁鬼を迎え

我が門出に美酒を添える


明くる夢まほろば

明くらば遠浅の彼岸や

空落ちて海靡く

風止めば雨上がる

地に伏すもの空へ舞い

流れるもの静寂に身を委ね

我の手探り手伝い漂う雫石


一際の異彩


天長地久の万世なれ

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○。...○○。 靑煕 @ShuQShuQ-LENDO

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