7 夜明け

朝の空気が鼻をつく頃

蒼黒く眠った街はゆっくり身を起こす


つんとした朝の刺激が指先から染み込んで

むくりむくりと

一棟ずつ目覚めるビルディング


火の消えかけた街路灯は甚だ侘しく

いまか今かと

自身の白い光を小さく震わせる


熱の籠った硝子が僅に曇り始めた


夜から身を寄せ合う小鳥達が忙しく囁き

朝日に沸き立つ霧は青空へ舞い上がる


山の端が次第に輪郭を露にした


今日も又 夜を乗り越え

明日も又 朝を迎える


嗚呼

今日も

生きている

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