とにかく自分の現在の状況を話すしかない

  • ★★★ Excellent!!!

読んだ感想はよくわからなかった。でもそれはつまらなかったわけではない。警察がきて最後にそれがニュースだとわかる。これは私の状況に問題があるせいだと思う。
スティーブ・ライヒのmusic for 18 musicianを聴いている。今日は仕事が休みの日で、久しぶりに映画を観に行くから、気持ちが急かされている。実際、もう少しで家を出ないと上映時間に間に合わない。
私はトイレでSNSを見ており、そこで群像新人賞の受賞者のアカウントを眺めていた。文章はこなれており、冒頭だけみるとジョイスの若き芸術家の肖像を思い起こさせる。その時点で、実のところ群像を買ってまで読みたいという気にはならなかった。でも、たぶん芥川賞とかをとる作家だと思う。私には縁のない物語だ。
意味否定、という作品には、私の知るかぎり先行作品を思い起こさせることはなかった。いや、たぶん思い出したのだけれど、その匂いがすぐに途切れて、中身の判別できないせいで、私は初めに現実の自分について書いたのだと思う。
つまり、私は関係のないことを同時進行でやってるのに前よりも自覚的になった。それは承知の事実だった。形式だけでみると、ポストモダンと呼ばれる小説群に似ていなくもない。
こういう感想を書くのは、人としてどうかと思う。私はちゃんと冷静になれる。が、独りよがりな文章しか上手く書けない。今はそういう気分なのだ。
感想は対象の存在意義を認める行為なのだから、たぶんこれで大丈夫だと思う。私は会社の報告書に、小学生のような短い文章を書いて叱責されたことがある。わりと最近である。これを読んでそれを思い出した。なぜかはわからないが。

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