目を閉じろ

@w-ill04

明晰夢

最近の夢はやたらとリアルで、表すなら明晰夢というものなのだろうか。

ふとしたときに、これは夢だと自覚する。

ただ、ただの明晰夢というには違う気がする。


夢でも、現実でも、どんなことがあろうと



______私自身の意思によって、目覚めることが出来ない。



今も、こんな馬鹿げた夢を見ているのに私は、


それを終わらせることも、ましてや楽しむことも無く。



自分の意思に関係なく進んでいくその"夢"の物語を、朝がくるまで見続ける他無かった。











. . . . . .









自分の足元を見下ろすと、丁寧に手入れされたであろう綺麗なブーツを履いていた。


歳は17ほどだろうか。現実とさほど変わらない。


ただその少女は、純白の髪を靡かせ、華奢な体でどこまでも駆け回るような活発さをもっていた。


太陽に照らされて光るその髪の一筋さえ煌めきを忘れず、日焼けを知らない透き通るような肌は、彼女に儚げな印象を与えている。



その部屋にたたずむ大きな鏡を見ながら、この目の前の少女に、今度はどんなことが起こるのだろうかと、思いを馳せる。




私はいつしか、これからおこるであろう奇怪な出来事に期待していた。









  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

目を閉じろ @w-ill04

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ