元旦俳句日記 🐈

上月くるを

元旦俳句日記 🐈





年末の真冬並みの寒さとは一転して温かなお正月。

       「おほぞらに鋼貼りたる寒日和」


毎年の元旦恒例、遺言に新たな署名を書き加える。

        「置き文に新たな署名お元日」


散歩に行くと桜の老木に冬日が燦々と恵んでいる。

        「老幹にひかり集へるお正月」


みな休む元旦も働いている人がいる、お疲れさま。

        「冬日さす周遊バスの椅子低し」


空の色をメタリックにしたような川面に鴨が数羽。

        「合流やつかず離れず浮寝鳥」




          🌌




その川岸にくっきりと金色のたんぽぽの花が数輪。

        「川岸に冬たんぽぽの並び咲く」


人の背丈近くもある大狸を玄関先に飾ってある家。

         「瀬戸物の狸の腹や賀状来る」


リビングの窓ぎわに長ながと伸びている猫がいる。

        「猫だらり人もだらりのお正月」


海音寺潮五郎さん『天と地と』、幼い景虎カワユイ。

          「まだ恋を知らぬ若君読始」


寒くて外へ出るのはアレだが、なんとかがんばって。

         「もやもやと真綿の如き寒昴」




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