#2
新しくて黒光りしているランドセル
教科書やノートや筆箱やたくさんのものが詰まっている
小さな体に不相応な重いランドセル
鍵をまだ持たせてもらえない
新一年生の僕は母の働く町工場に向かう
母が操作する大きな機械
お昼にはお好み焼きを食べるよう言われる
鍵をもらい邪魔にならないように町工場を去る
食卓に置かれた冷えたお好み焼き
文化住宅の僕の家
帰る途中には底なし穴に吸い込まれるドブの横を通る
保育園の時に三輪車で落ちたドブ
空を見上げる
大阪空港に向かって着陸態勢をとるジェット機は轟音を立てて通り過ぎる
遠くでヘリコプターの音も聞こえる
文化住宅のある街で 水色電軌 @sptnknord
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。文化住宅のある街での最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます