大文字伝子が行く88

クライングフリーマン

大文字伝子が行く88

午前10時。伝子のマンション。

チャイムが鳴った。愛宕と橋爪警部補だった。高遠が応答していると、「今、チャイム鳴った?」と、バスタオル1枚纏っただけの伝子が出てきた。

固まっている橋爪を見て、伝子は慌てて寝室に消えた。

「あ。高遠さん。EITOのPCのこと、説明してあげて下さい。僕、コーヒー入れますね。」

高遠が一通りの説明を終える頃、愛宕がコーヒーをPCルームにワゴンに乗せて持って来た。伝子が出てきて、「愛宕。私は紅茶を頼む。済みません、橋爪さん、お見苦しい格好でした。」と謝った。

「いや、そのう、私の我が儘で愛宕君に案内をして貰ったので。何もかも素晴らしい、としか言い様がない。」と、橋爪は絶賛した。

「ところで、使い魔が犠牲者に予定されているとは、意外でした。やはり、恨みがあるんですかね、『シンキチ』に。あの、です・パイロットは。」

「被害者でもある教授に尋ねてみたんですが、幼い頃のトラウマかも知れないみたいなことを言っていました。」

伝子の応答を受けて、高遠が発言した。「僕は、その『シンキチ』は、何らかの形で亡くなっていると思います。だから、『シンキチ』全員が標的なんです。」

「なるほど。実は、今日伺ったのは、それを確認しに来たんです。この頃、やたら『シンキチ』相談が多いんです。」

高遠が割り込んで、「ご本人か親族に『シンキチ』さんがいるかで、次の標的になっていないか?という相談ですね。」と言った。

「愛宕君。君の言った通り、このご夫婦は何でも読めるんだね。」と、橋爪はコーヒーを啜りながら、言った。

「いや、読んだ、と言うか・・・伝子さん、昨日副部長から事件の結果を尋ねるから応えたんだけど、この頃、お客さんで『シンキチ』だから心配だって言う客が多いって言っていたんだ。」

「そうか。向こうが勝手に基準決めて殺そうとしているからな。」「それで、あんまり心配なら、改名すればいい、って言ってあげたら?って副部長に言ったんだ。」

「副部長って、あの喫茶店のマスターですか?どういうお知り合いですか?」と橋爪が尋ねるので、高遠は、「僕と依田と福本は、伝子さんと副部長と逢坂先輩の後輩なんです。大学の翻訳部の先輩後輩なんです。愛宕さんは、伝子さんの中学の書道部の後輩ですよね。」と、高遠は応えた。

「早い話、我々がDDと呼んでいるサークルは、大文字先輩を中心にした、先輩後輩仲良しサークルなんです。」

橋爪が目を丸くしていると、目の前のPCからアラームが鳴って、ディスプレイにEITO作戦室が映った。

「おや、橋爪君。手配書配りの途中でコーヒーブレイクかね?」理事官の言葉を受けて、「はあ。生活安全課が、名探偵に相談です。この頃、本人か親族の者が『シンキチ』なので心配なのだという相談が増えまして。」

「ふむ。なるほど。その推理も大事だが、まずは事件の容疑者だが、ほぼ高遠君大文字君の推理通りだった。非情な男だよ、です・パイロットは。わざわざ殺す役と殺される役を用意してまで殺人をさせるとは。『シンキチ』への恨みは相当根強いな。」

「今のところ、改名以外に事件に巻き込まれない方法がないのが残念です。」と、伝子は言った。

「人数が多いからナア。全員保護する訳にも行かない。我々が出来ることは、基本的には後手だからね。あ。午後から会議ね。」

画面は消えた。「素晴らしい。」と、また橋爪は絶賛した。

「テレビ会議は多いんですか?」と尋ねる橋爪に、高遠が「はい。」と応えた。

「理事官の言うことももっともだ。そろそろお暇しようか、愛宕君。」橋爪が声をかけると、愛宕は新しい手配書を高遠に手渡した。高遠はすぐにマグネット黒板にある手配書と入れ替えた。

「流石だ。」と、首を振り振り、橋爪は帰って行った。愛宕は慌てて追いかけて出た。

正午。伝子と高遠は、ダイニングで赤飯を食べていた。「何かめでたいことでもあったか?」

そう問う伝子に、「入籍1年目だよ。」「そうだったか?」「公表まで半年かかったけどね。」「ふうん、そうなんだ。色々あったなあ。もうすぐ正月だな。」

「うん。今回は初詣行けないね。」「いつ襲われるかもしれないから、素顔をさらすな、か。コスプレして行くか?」「ハロウィンなら目立たないけどね。」

「シンキチ問題、深刻だなあ。何人いるんだっけ?」「全国で2000人、東京で50人。」

「改名は嫌がるだろうなあ、生まれたての赤ん坊ならともかく。」「手続きは案外簡単だけどね。厄年の間、改名する人っているでしょ。理由が明確なら問題ないんだよ。今回は理由、はっきりしているじゃない。」「マフィアのです・パイロットが狙っているから、か。」

腕組みしていたが、食べながら、伝子は「誰か『シンキチ』になってくれないかなあ。」と言った。

「どういうこと?」「です・パイロットの神経を逆なでするんだよ。そうすれば、従来の『シンキチ』は後回しになる。」

「身代わり?誰も忌避するよ。」「おまえは?もう死んでるし。」

午後1時。伝子はEITOに出かけて行った。高遠は、総子のスマホに電話をかけた。

総子は10分位ゲラゲラと笑っていた。突然笑い声が止まったと思ったら、南部が出た。

「いつまで笑うてんねん。高遠さんが困っているやないか。すんまへんな。」

電話の向こうで、南部が頭を下げているのが分かった。

再び、総子が出た。「ごめんごめん。学兄ちゃんのこと笑った訳やないよ。」

「分かっている。まあ、普通の反応だよね。」

「学兄ちゃんの気持ちも分かるけど、どうするの?です・パイロットは一方通行やから、改名します、ってどこかで言わんといかんやろ。」

「うん。編集長に頼んで短編集を自費出版して、本名を改名します宣言をするのはどうかな?と思っている。世間には、火事で行方不明になっているからね。伝子さんは偽の葬式出したけど、僕は出していない。たまたま火事の時は旅行中で、今までは、旅行を延長したまま、家は業者に頼んで復元して貰った、という筋書き。」

「うーん。気持ちもプランも判ったけど、伝子ねえちゃんは学兄ちゃんに危ないことをさせる為に言った訳でもないと思うけどなあ。もう話したの?激怒するかも知れんで。」

午後3時。EITO用のPCのアラームが鳴り、画面に伝子が映った。

浮かない顔をしている伝子に、高遠は総子に言ったプランを話した。

「却下。お前の気持ちは嬉しいし、何があってもお前は守る。だが、編集長がうんと言っても、準備に時間がかかるだろう。それと、副総監が『身代わり』を申し出て、警察でもEITOでも反対意見で騒いでいる。もし、実行すれば、お前のプランよりインパクトがあるな。」

午後4時。テレビ1の記者会見場で、理事官と副総監が並んで記者会見を行った。

二人の決意表明の後、記者の一人が手を挙げた。

「最後列の君。」理事官に指名されて、記者は言った。

「大淀新聞の高橋です。副総監は、自らを囮にする、とおっしゃっておられる訳ですか。『シンキチ』に改名するということは。」

「その通り。」「多分、です・パイロットは会見を見ていると思うのですが、一体何故そんな挑戦状的なことを?」

「知っての通り、ご本人または知り合いの名前が『シンキチ』ということで、怯えておられる方が大勢おられる。相談の電話はパンク状態だ。流出したデータを元に殺人ゲームをしているので、改名したデータは捕捉出来ない、と考えました。」

「うまく行きますかね?」「さあね。ホットラインは禁じ手ですから、相手の反応待ちです。」

会場は紛糾したが、結局30分で打ち切られた。

午後5時。テレビの夕方のニュース。その反応はすぐに顕れた。「臨時ニュースです。です・パイロットからのメールが警視庁に届きました。読み上げます。『副総監自ら、改名して犠牲になると申し出るとは、大した度胸だ。褒めてやる。だが、改名したら免除するなんて言っていないぞ。日本には、年末年始に大掃除、墓参り、初詣をする為に冬休みをとる習慣があるそうだな。どんな宗教宗派でも、先祖を敬うことは習慣だ。この際、日本の習慣に合わせて、お前らに冬休みをやろう。詰まり、休戦だ。期限は1月3日まで。その間に冬休みをしておけ。それと、副総監の勇気に免じてヒントをやろう。但し、それは1月3日発表する。楽しみにしておけ。』以上になります。」

伝子達は、このニュースをEITOベースゼロで観た。高遠や物部達もニュースで知った。

午後7時。伝子のマンション。伝子は玄関ドアを閉めるなり、いきなり全裸になった。

「学。来い!12ラウンドだ。」と、すぐに寝室に入って行った。「観客もレフェリーもいないのに。」と、呟きながら、高遠は夕食の準備を止め、寝室に向かった。

です・パイロットの『指示』通り、人々は大掃除をし、墓参りをし、初詣に行った。

1月3日。午後1時。警視庁。久保田管理官の部屋。事務官が、です・パイロットのメールが届いたと電話をしてきた。

久保田管理官は、その転送メールを読んだ。すぐに、EITOの斉藤理事官に連絡をした。

『東西南北のシンキチがターゲットだ。東京の大きなモノを探すことだ。3日以内に見つけ出して保護してみろ。』

文面には、そう書いていた。理事官と久保田管理官は、記者会見場に向かった。

EITOからの呼び出しに、伝子となぎさはジープでEITOに向かった。なぎさは、伝子のマンションに入り浸りだった。です・パイロットの冬休み宣言の後の翌日からいて、クリアスマスも元旦も3人で祝った。初詣も3人で行った。伝子と高遠は、なぎさの我が儘に付き合った。なぎさは、行き場の無くなった未亡人なのである。

二人が出掛けた後、チャイムが鳴り、藤井が顔を出した。

「おせち、まだ食べられる?」と、高遠の顔を見るなり、藤井は言った。

午後3時。EITOベースゼロ。会議室。

「冬休みが終ったら、なぞなぞですか。」と、青山警部補が言った。

青山は研修を終え、正式にEITOの隊員になった。

「名字かしら?東山、西田、南、北野。」という馬越に大町が言った。

「そんな単純じゃないですよね、アンバサダー。」

隊員達は、一般人の前では隊長と呼ぶが、EITO内では、草薙達同様、アンバサダーと呼んでいる。

「確かにな。馬越の言う通りなら、探すのは簡単だが。」理事官は苦虫を潰した顔をした。

「鉄道はどうですか?東武線、西武線、南武線、北部線・・・てなかいか。」と田坂が言うと、「それなら、京浜東北線だろう。でも、東武線や西武線は複数の路線があるし、京浜東北線も無理があるかも。」と、安藤が言った。

「一応、候補に挙げときますか。でも、どういう事件かかが判らないなあ。」と、青山が言った。

「いや、鉄道で分ける位なら、エリア別の区分けがあるよ。」と、夏目警視正が言った。「結城君。頼むよ。」と、夏目が言うと、結城がホワイトボードに書き出した。

『城東・・・台東区・江東区・墨田区・中央区・葛飾区・江戸川区

城西・・・新宿区・中野区・渋谷区・杉並区・練馬区・世田谷区

城南・・・港区・目黒区・大田区・品川区

城北・・・板橋区・北区・豊島区・文京区・荒川区・足立区』


「これらは、皇居を中心にした区分けだ。他にも区分けがあるかもしれないが、取り敢えず、これで考えよう。」と、夏目が言うと、「やだー。結局東京都全部が対象じゃないですかあ。」と、あかりが言った。

「そこで、『大きなモノ』で絞りこむ訳ですね、夏目さん。」と、なぎさが言った。

「その通り。」と、夏目は大きく頷いた。

「大きいモノ、って、高さですか?長さですか?広さですか?」と、みちるが言うと、議論が始まった。

30分位した頃、草薙と渡が入って来た。

草薙がホワイトボードに書き足していく。

「まず、城東エリアですが、墨田区の東京スカイツリーが文句なくでかいでしょう。次に、城西エリアですが、新宿パークタワー等もありますが、やはり新宿区の東京都庁でしょう。そして、三番目に城南エリアですが、虎ノ門ヒルズと言いたいところですが、港区に東京タワーがあります。最後に城北エリアですが、豊島区のサンシャイン60と言いたいところですが、文京区の東京ドームではないでしょうか?」

「あ!!皆『東京』が付いているわ。でも、東京駅は?」と大町が言うと、「大町、東京駅は千代田区だよ。詰まり、エリア別は皇居の地域以外だから除外される。」と伝子が言った。

「東京の大きなモノ、で東西南北か。しかし、ここから類推出来る事件は?です・パイロットが猶予を与えたところをみると、3日以内に起きる事件だが。」と、理事官が言った。

「最後の東京ドームだけは確かなことがあります。明後日ですが、映画会社の春映画の撮影があります。普段、ステージだけでヒーローショーを催しているんですが、ファンクラブ会員と一般公募でエキストラを募り、大がかりな撮影を行うヒーローもの映画です。実は、私の甥っ子もエキストラで参加します。」と、枝山事務官が言った。

「なるほど。では、城北エリアがそれだとして、他のエリアも事件発生は、明後日ということになりますね、夏目さん。あ、失礼しました。夏目警視正。」と、伝子は言った。

「東京タワーや東京スカイツリーは新春イベントがありますが、東京都庁は・・・どうでしょうね?」と、草薙が首をかしげた。

「では、起こりうる事件とは?」と、青山警部補が言い、会議は5時間にも及んだ。

午後7時。伝子のマンション。

「早めに初詣行って良かったね、伝子。」「うん。決行日が明後日として、明日は夕方までには段取りと準備をして解散だ。」

翌々日。午前10時。

城東エリア。東京スカイツリー。『ソラマチ』のレストラン。五人の男達が、厨房に入ってくる。

「岡山神吉は、どいつだ?」そういう男の前に一人の女が立ち塞がった。「私だ。」

「お前、おんなじゃないか。」「エマージェンシーガールズだ。」「ガールズって一人じゃないか。」「その通り。こっちにもいるぞ。」

エマージェンシーガールズ姿の増田と大町は、15分で狭い厨房の中で5人を倒した。

厨房に中津警部補が部下を連れて顔を出した。「もう、いい?」「出来上がりです。」と、増田が応えると、電子レンジがチンと鳴った。シェフが言った。「お見事!」

城西エリア。東京都庁。都知事の執務室にノックの音。男が二人、入って来た。

「都知事。東京都庁職員の中に『シンキチ』が何人いるか、ご存じですか?」「いきなり、なあに?知らないわよ。それに、だあれ?秘書はどこに行ったのかしら?」「二人ですよ。管理者なのに、知らないんですか?」男達の一人が都知事を立たせ、背後から拳銃を都知事の首にあてた。

「さあ、行きましょうか?」ドアを開け、都知事を連れて二人は廊下に出た。ガードマン、SP、秘書が倒れていた。都知事は、やっと状況を把握した。

3人が階下の事務階にエレベーターで降りた。

男達の拳銃を見て、職員も来客も全員窓の方に寄った。

「そうそう、いい子だ、いい子達だ。この中に畑中信吉と人見心吉がいるか?いなかったら、連れてこい。」男が言うと、当該の二人が前に出た。

「ネームプレートを見せろ。」と、男が言った。二人の『シンキチ』は、二人組の一人にネームプレートを見せた。

「そこまでだ!」シューターが飛んできて、拳銃は弾きとばされた。シューターとは、EITOが開発した武器で、先にしびれ薬が塗ってある手裏剣である。一人は一本背負い、一人はフライングヘッドシザーズで倒された。あっと、いう間の出来事だった。

早乙女と飯星は、心配ないと皆に言い、廊下に待機している警官隊を招き入れた。

城南エリア。オスプレイで確認した、なぎさと金森は、東京タワーの外階段に縛れている男を発見、パラシュートで階段に降りた。

人質の発見の報せを受けた青山警部補が、展望台の観光客の中に不審な動きをする男を発見。愛宕の協力で男を逮捕連行した。男は拳銃とナイフを所持していた。

城北エリア。ある警察官が、エキストラの一人を通路まで連れ出した。「マフィアが狙っています。後藤新吉さんですよね。」男が頷くと、「お前が、そのマフィアだろうが。」という声がした。エマージェンシーガールズ姿の伝子だった。

男がヌンチャクを出して攻撃して来たので、伝子は五節婚で対抗した。10分で倒せた。

どうやら、こけおどしだったようだ。伝子は長波ホイッスルを吹いた。長波ホイッスルもEITOが開発したもので、犬笛のような、通常の聴力では聞こえない音波で、EITOに通信が飛ぶ。EITOからエマージェンシーガールズや警視庁に連絡が入る。

橋爪警部補が警官隊と共に駆けつけ、男を連行した。

「ありがとう、あなたの名前は・・・。」と、後藤新吉は言った。伝子は、「エマージェンシーガール・・・1号だ。」「エマージェンシーガール、1号ですか。やっぱり素顔は・・・。」

「晒せないな。正義の味方で、ヒーローだから。主催者に言って、スタートは遅らせた。君は、君の任務を全うしたまえ。」後藤は、何かのポーズを取った。了解という意味らしい。伝子は頷いて、その場を去った。後藤は、張り切って自分の席に戻った。

そして、東京駅。新幹線八重洲口。出ていこうとする運転士に走り寄って来た女がいた。総子だった。「すんませーん、運転士さん、ちょっとお聞きしていいですかあ。ウチ、おのぼりさんやさかい。」

「ああ。いいですよ。乗り換えの事ですか?」と、運転士は気軽に応えた。その時、運転士と総子を10人の男達が機関銃で取り囲んだ。

「待っていたぞ。大馬鹿者達。」スピーカーから、女の声が聞こえた。メガホンを持った、エマージェンシーガールズ姿の日向だった。

どこからか、ブーメランが、シューターが飛んできて、男達の機関銃は床に落ちた。

エマージェンシーガールズが現れた。みちる、安藤、田坂、結城、日向、浜田、あかり、右門、馬越、そして、江南がキックやパンチで男達を瞬時に倒した。見ていた人々から拍手喝采が起こった。

みちるは、鉄道警察の警官隊に男達を引き渡した。

警官隊やエマージェンシーガールズが去った後、運転士は、「ひょっとしたら、君は?」「内緒・・・って言いたいけど、今後ともよろしゅうに。」と総子は運転士に名刺を渡した。興信所の名刺である。運転士は反射的に名刺を出した。名前は袴田しん吉、『シンキチ』だった。

こうして6人のシンキチは救われた。

午前11時。銀の鈴広場。待機していた物部達と総子は再会した。

「久しぶり、総子ちゃん。」「みんなご苦労やったな。各線には異常なかった訳やな。」

「ご苦労やったな、は偉そうだな。」着替えてきた、みちる達は合流した。

「各エリアとも、逮捕連行したそうよ。ご苦労様でした。」と、結城は敬礼した。

「運転士さん、男前やったなあ。」「総子ちゃん、不倫したら、お仕置き部屋行きだよ。」と、依田が言い。笑いが木霊した。

―完―

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