一回目の始まり


 アンゴルモアタコさんは訝しんだ。

 かつて1999年の7の月に訪れた場所とは異なる場所だったからだ。


 恐怖の大王に教えられた通り、人間の姿を取らねばならぬと思った。

 道端に落ちている雑誌の表紙を見て、その表紙の女性の姿に変化へんげする。


「「わからない」」


 言葉が重なって、そちらの方向を見た。

 シノバズ池のベンチに一人の男性が座っている。


「我はアンゴルモア。タクミよ。我と手を組み、人類を滅ぼさないか?」


 侵略者として。


「地球上の全生命を滅し、新世界のアダムとイヴになろう」


 もしくは、運命の相手として。


「いいな、それ」

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転生したら恐怖の大王だったので、1999年の7の月に人類を滅亡させます。 秋乃晃 @EM_Akino

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