エピローグ

fin

「ジャック、わたし、そろそろパトロールに戻るわ」


「うん、僕も、行くよ」


「きっと大丈夫よ、あなたなら」


 スピカは向こうの空を、なんだか誇らしげに見つめている。


「それじゃあいくわ」


「うん」


 オーロラ星の光が、小さな二人に降り注いだ。


 幸運の鳥の羽、溢れるような思い出。未来への希望。

 全てをリュックに詰めて。


 終わりではない。


 不安は新しい光に溶かして、新しい自分で、また出会うために。


「ジャックまたねっ」


「またね!!!」



 心に、誓う。

 


「またね、スピカ!」


「またねぇーーっ!!!!!!」



 振り返る。



 何度も。



 けれど、その度に見えるはず。


 友だちの笑顔が。



 たとえ姿が見えなくなっても。



「またねーーーー!!!!!」


 声も消えない。


「またねーー!!!」


 絶対に。



 見上げると、透明な青空。


 遠く、夜の下にはいつまでも優しい思い出が輝き続ける。


 青い、惑星ほしのように……




――――fin……☆

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星猫ジャックとミソラと闇の国(Short size) 小木原 見菊子 @ogihara-mikiko

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