スノードームと少年と
ククノ宮八一
少年と星空
これは環境問題が深刻化した未来のお話。
「おじいちゃんこの写真に写ってるキラキラしたもの何?」
少年は隣で本を読んでいるおじいちゃんに話しかけました。
「それはね、お星様だよ」
おじいちゃんはその写真を懐かしそうに見つめながら答えました。
「お星様?昔はこんなに沢山あったの?」
「ああ、そうだよ 昔、この辺りはあまり人が住んでいなかったから工場やマンションなんかも無くってね、夜になると沢山のお星様がお空に浮かんでいたんだ」
世界一夜空が綺麗と言われていたんだよと、おじいちゃんは付け加えました。
少年はお星様は何度か見たことはありますがこんなに沢山のお星様が空に浮かんでいるところは見たことがありませんでした。
「おじいちゃん、おじいちゃん!
ぼく、こんなにたくさんのお星様見てみたい!!」
少年は目をキラキラさせながらおじいちゃんに言いました。
「いや、今は世界のどこに行っても建物の明りでいっぱいだし、昔あった山も全て切り崩されてしまったから、停電でも起きない限りこんなに沢山のお星様を見ることは難しいだろうね」
「そうなんだ...」
少年は少ししょんぼりしてしまいました。
「まあ、いつか見れるさ」おじいちゃんは少年を励ますように言いました。
「さあ、そろそろ寝ようか」
「うん」少年とおじいちゃんは夜遅いのでもう寝ることにしまいた。
次の日、朝のニュースでこんな事をやっていました。
『まるで景色だけを切り取ったよう!!
一体どのような現象か!!』
内容は昔、観光地として有名だったが今はポイ捨てや大気汚染で汚れてしまった場所が夜の間にとても綺麗になっていて、不思議なことに綺麗になっていた場所は目に見えない何かでドーム状に覆われているようで排気ガスが入ることもなくゴミを捨てても外に吐き出されてしまうようです。
そこでこの現象は今の季節と掛けて
『スノードーム現象』と呼ばれる事になったというものでした。
それから二週間、世界の色々なところで
同じような現象が起きました。
このニュースを毎日観ながら少年はある期待を寄せていました。もしこの現象が自分の街で起きたら、たくさんのお星様を見ることができるんじゃないかしら。そう思い少年は夜になると毎日、毎日マンションの中から黒い雲と周りのマンションの光に目を細めながらすのおばあるけんしゅう?になりますようにと祈りました。
そんなある日の夜、ベットでくぅーくぅー
と寝息を立てて寝ていると、
「やぁ、やぁ君起きておくれ」
と声が聞こえました。
お父さんかお母さんがお仕事から帰ってきたのでしょうか?いえ、少年の両親は少年のことを君とは呼びません。
それにこの声の主はお父さんよりももっと若そうな声をしています。
では誰でしょうか?
疑問に思った少年は目をこすりながら
「お兄さん誰?」
と聞いてみました。
「僕?僕はね怪盗だよ。世界中のの色々なところから景色を盗んで綺麗にして返しているのさ。名前は....そうだね怪盗スノードームとでもしておこうか」
スノードームと少年と ククノ宮八一 @ankana
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