第12話 真の成り上がり
わたしは,今、生徒会室に居る。再選挙の結果は圧勝であった。
元々、前生徒会長の菊一への不満は各所で爆発寸前であった。恐怖政治に対する革命家を欲していたのだ。
大体、前回の選挙で、わたしが生徒会長って楽しそうとの理由だけで立候補して僅差になる時点でおかしい。
有能な軍師、パソコンの使える実務者、使えるアイドル。この人材を得たのだ。圧勝は決まっていた。
そう、菊一の敗因はリコールを成立させたことである。そんな勝利のよいんに浸かっていると。
「会長、学年主任からの電話です」
「おう、祝電かな」
『はい、こちら生徒会長です』
『グランド横のトイレ掃除がまだだぞ。早く掃除しろ』
『はい?生徒会長になったのに?』
『お前、以外に誰が掃除をするのだ』
わたしは伍代さんを見るが反応はない。電話を切ると伍代さんに相談する。
「本当にわたしがやるの?」
「はい、無駄な予算はありません」
……。
渋々、トイレ掃除セットを持って汚いグランド横のトイレに向かう。わたしは酸と書かれた洗剤で便器をゴシゴシしている。これは成り上がりに失敗したのではと考える。
そう、ここがスタートであった。
色々考えながら、生徒会室に戻ると。
伍代さんに英和田さん、人形町さんが待っている。
わたしはかけがいのない仲間を得たのだ。
成り上がりは成功だ。
トイレ掃除から始まる成り上がり第二生徒会 霜花 桔梗 @myosotis2
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