第8話
十年が経過した。実に平穏な時間だったな。
三国共に内政に力を注いでいたので、大きな国境線変更はない。
魏は、内乱が続いているみたいだ。遼隧の戦いも続いている。後何年長引くのかな~。
長安・潼関に、張翼と王平、それと司馬昭を置く。
上庸には、廖化だ。それと、古参の将軍を纏めて貰う。
天水には、姜維を置いて、隴西地方の説得を頼んである。異民族の説得と吸収だな。この時代の異民族は、脅威なんだよね~。
漢中は、魏延だ。父劉備が見出しただけあって、優秀に働いてくれている。
それと、襄陽なんだけど……、楊儀は撤退した。まあ、無理があるよね。懲罰は科さないけど、綿竹関で大人しくして貰おう。それと、杜預を目付け役にした。
「正直、小物ばかりだな~。陸遜が欲しいよ」
俺には、司馬師という軍師もいるけど、三国志を彩った英雄が配下にいない。
時代なのかもしれないけど、寂しいな~。
こう、在野の大物を登用して、兵権を預けたりしたかったな~。ないものねだりなのは分かってんだけど。
期待するのは、関羽と張飛の孫かな~。もうちょっと成長を待とう。
内政も上手く行っている。現在の丞相は費禕だ。民心も安定しており、疫病も飢饉も発生していない。
そんな時だった。
「うん? 魏が攻めて来たの? 天水取られたの? 姜維君敗走?」
詳細を聞く。
あ~、郭淮と夏侯覇か。鄧艾と鍾会かと思って驚いてしまった。彼等は、十五年後くらいかな? 今の内に暗殺してもいいかもしれない。
でも、長安と潼関を落とさずに、天水ね~。兵法がなっていない。いや、手柄を焦っているな。
張翼君に命じて、糧道を断つと、彼等は孤立した。
涼州の異民族とも友好な関係にある蜀漢なのだ。彼等は、干上がって、冬前に降伏して来た。冬に、マイナス数十度になる土地なんだ。死にたくなければ、投降だよね~。
包囲戦術最高! 十万人の兵士を吸収できたよ。
郭淮と夏侯覇に話を聞くと、魏は混乱状態なんだとか。曹爽が、滅茶苦茶やっているらしい。皇帝が変わっても国の中身は同じなんだな。
とりあえず彼等は、捕虜にする。待遇はいいよ?
暫くすると、曹爽一族に対するクーデターが勃発! 司馬懿がいなくても曹爽君は、魏国に裏切られるのね。どんだけ恨まれてるのよ。
首謀者は誰かな~? まあ、誰でもいいんだけど。
「そんじゃ、北伐を再開しよっか~。今なら行けるっしょ」
「「「はっ!」」」
今俺は、長安に向かっている最中だ。
「これで、先帝の意志を継げそうなのよ~。皆に感謝!」
司馬師君が、答えてくれる。
「陛下の徳と善政による賜物です。采配も見事としか言いようがありません。古の覇者にも劣りません。市政では、救国覇王皇帝と呼ばれており、天下統一も望まれています。古の春秋五覇や、始皇帝、楚の覇王、漢の高祖に並び称されています!」
おう? 仇名が変わってますやん?
つうか、天下統一?
俺が?
劉禅だよ?
転生したら【阿斗】かよ~諸葛丞相いないんだけど、どうすっかな~ 信仙夜祭 @tomi1070
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