あれ、こっち側の陣営って、こんなにいっぱいいましたかね w。カタカナになると無意識に読み飛ばしてるようで、読んでてややこしくなったら戻って読み返せばいいさ、と気楽に構えてたんですけれど、もう今となってはとても読み返せません……。
ようやくここまで読み進めました。いやはや、すんごいロングコースのアトラクションにチャレンジしたはいいものの、なんだか表の看板とイメージが変わってきたなーと思いつつ、目先のステージを追いかけて第一段階の迷路を抜けてみたら、「あれぇ、こんなところに出てきたぁ!」と黄色い声を上げている女子高生ビジター……になった気分です 笑。
七章二十三話の「せんせー!!!」は名場面ですね。私も数少ない自作の中で、なぜだか無口キャラとかだんまりっ娘とか頻繁に出してしまうんですが、ストーリー中で「初めて声を出したっ」というシーンはやっぱり書いてても力が入ります ^^。なんだか、「クララが立った!」みたいなカタルシスがありますよねー。
さて、ここにいたって、ようやく「これはこういう話」というのが明確になったと思います。第一部まで拝読した感想を忌憚なく申し上げると、序盤でネタを隠しすぎてるかなあという気はします。裏返すと、六、七章の話の化け方にやや疑問が入る、という感じです。そのあたり、ご自身も迷いのあったところかも知れませんが。
私の感覚では、やはり悪役の作り方の問題かなと思います。鏡さんも壬生さんも、序盤ではことさら不穏な空気は醸してなかった思います。というか、正直、「自分、悪役です」とのアピールが見え始めてから、ようやくモブと区別がつくようになったという程度のキャラではないかと。それが第一部中盤よりあとですから、ストーリー的には、まあまあ普通の人格者たちと思えたキャラの集団の中に、いきなり絵に描いたような悪代官が出現した、というようなインパクトを感じてしまうのですね。
話についていけない、というほどではありませんし、私はこの後も楽しみに読みつがせていただくつもりですが、ここはやっぱり、前振りなり思わせぶりなミスリードなり作っておいてほしかったかも、とは思います。普通、ヒールキャラのワルぶりが判明してから「まさかあの人がっ」とか、「しまった、あれが伏線だったのかっ」みたいなリアクションを読み手としては起こしたくなるもんですが、現状、「まさか」も「伏線」も(あったのかもしれませんけれど)印象にないんで、そういう意味でも、微妙に居心地が悪いと言いますか。
というのは、例によってあくまで一読者の意見ですので、なるほどと思えるところがあれば、参考にしていただければと。仮に手を入れるとしたら、と、これははっきりと出過ぎた意見ではありますが、短い話なりシーンなりを追加する方向で緩和できることだとは思いますので。
作者からの返信
湾多珠巳さま。
いつも拙作をお読みくださり、ありがとうございます。
そして、第一部を読了していただけたこと、心から感謝申し上げます。
アトラクションに例えられているところ、何とも言い得て妙ですね(笑)。
確かにタイトルから受ける印象と、第一部終末部の流れには、少し差異があるかも知れません。
キャラクターの多さについては私の方でも自覚しております(汗)。
とは言え、すっと思い出せないような人物は例えば護衛だったり使用人だったりと、登場回数が極端に少ない者たちでしょうから、あまり気にされなくて構わないと思います。
私は、一度でも登場させるのであればなるべく名付けたいという気持ちなので(笑)、読む側にとっては負担を強いてしまっているだろうことは理解の上で執筆しております。
仰るように、久我瑠奈のような寡黙なキャラは割と定番ではありますね。
それがいつ、どういうシチュエーションで初めて声を発するかというところを考えるのは、難しくも楽しいところだと思います。
拙作の場合、瑠奈の「せんせー!」のところは最初期から確定事項でした。
またいろいろなご指摘をありがとうございます。
悪役の作り方についてのお話、伏線とミスリードに関するアドバイスなど、とても興味深く拝読いたしました。
小説を楽しんでもらうためには、さまざまな手法や見せ方があるものだと思います。
とりあえず本作について少し補足しておきますと、物語の初期、特にサバイバル部分においては、二十三人の誰もが悪意なく、生きていくことに集中していました。
役割分担の時、壬生魁人は本来入りたかった班つまり山吹葉澄がいたところに所属したかった気持ちを抑えて、別の班に自ら移動して、八乙女涼介から少なくとも仕事については公明正大に振舞っていると評価されていました。
鏡龍之介も、ザハドでオズワルコスに話しかけられるまでは、黒い部分をほぼ出していません。
何かやらかしそうな人物については、ある程度予兆が読み取れる方がいいと言うのは、仰る通りだと思います。
ただ、彼らの多くは教師と言う仮面をかぶっていますが、それを取り去れば強さも弱さも持つ一人の人間ですので、ほぼ全ての人物が、きっかけによってはやらかす可能性を持っていることになります。
それでも、読者の方に意外性や納得性をもっていただく話の構成というのは、常に考えるべきだとも思いますので、以降の執筆においてご指摘いただいたことを参考にさせていただきます。
第二部になるとまた、がらっと変わるものがあります。
湾多珠巳さまが「これはこういう話」と思われた部分が、いい意味で裏切られるような、楽しんでいただける物語になっていることを願っております。
重ねてお礼を申し上げます。
ありがとうございました。
編集済
ザハドの皆さんの中には名前や役職が明かされていない方も多いですね…この先、彼らも巻き込んだら巻き込まれてしまうのでしょう…