おっぱいのふくらみに素直になろう。

「まさみん、りっちゃんとこっちに来て、桃花ももかちゃんが目を覚ました!!」


「にゃむ子さん、桃花ちゃんの意識が戻ったって本当に!?」


 保健室に併設された隠し扉の奥の研究ラボ、番台りっつ子さんが、

 一流企業の製薬会社を退職して、その重要なポストを捨ててまで、

 果たしたかったと言う、女性の美を追究する為のおっぱい研究の成果。


 可憐なセーラー服の上着に隠された特殊機能、窮屈なブラジャーを

 装着しなくても、制服の上着に内蔵された形状記憶のジェルインナーで

 適切に胸をサポートしてくれるんだ、もちろん普通に市販されているような

 安物と段違いだ、ノーブラの状態でもフロントカップだけで、

 思春期で成長途中のおっぱいにぴったりフィットするんだ。


 これならサイズが変わって胸に合わなくなる度にブラを買い換えする必要もない、

 下着の締めつけも皆無だ、その秘密はカップに内蔵された無段階に変形する、

 電子制御のソフトインナーフレームジェル、りっつ子さんが、

 難しい数式を説明してくれたが、僕には高度すぎてちんぷんかんぷん、

 まあ、とにかく凄い発明って言っても過言じゃ無い、

 これが実用化されれば、世界中の女性の胸が解放されるだろう。


 その素晴らしさに夢中になりすぎて、時間の経過も忘れて、

 自分のおっぱいを揉みしだいてしまったんだ……。


 意識不明で保健室に運び込まれたクラスメートの美馬桃花ちゃん、

 訳あって名門女子校、聖胸女子高等学校に女装で潜入した僕の幼馴染み、

 三枝康一さえぐさこういちを庇って横暴な生徒会役員から暴行を受けたんだ、

 女装した康一を見つめる彼女の熱い視線に、好意以上の物が含まれていることに

 僕、大迫正美おおさこまさみは気付いていながら真実を打ち明けられなかった、

 桃花ちゃんが恋をした女の子が実は女装した男だなんて……。


 保健室から僕達二人を呼ぶ、にゃむ子さんの声に慌てて研究ラボを後にする、


「にゃむ子お姉、彼女の介抱をお願いしてすまなかった、恩に着るよ、だけどお姉は看護の知識は全くないのに一体、どんな手当てをしたんだ……」


「にゃははは、りっちゃん、そんなのお安いご用よん♡ 桃花ちゃんの寝顔が可愛すぎて、思わずベットに潜り込んで添い寝したら急に目を覚ましたんだぁ!!」


 悪びれず、とんでもないことを口走るにゃむ子さんに思わず絶句してしまうが、

 僕の隣で、桃花ちゃんに掛けられたシーツの端をめくるりっつ子さん、

 桃花ちゃんの制服のプリーツスカートがたくし上げられ、乱れた裾から

 可愛い白のおぱんつがコンニチハしているではないか、

 ああっ!? 下着の片方が腰骨の位置よりずり下げられてるぅ!!

 女子高生の秘密の花園が露わになりそうな勢いだ……

 瑠璃色の恥丘ぅ!!


 パコ~~ン!!


 りっつ子さんが、小脇に抱えていたていたバインダーで、

 思いっきりにゃむ子さんの頭を張り飛ばした。


「阿呆お姉!! 一体お前はどんな看護をしたんた」


「ふにゃああ~~ん、痛ったぁい!! りっちゃんバインダーの角でぶったぁ、にゃむ子はちゃあんとをしたのに非道いよぉ……」


「どこに手を当ててるんじゃあ、ボケナス!! にゃむ子お姉が、同性もイケる二刀流なのは昔から知っていたが、可憐な女子高生まで毒牙に掛けようとするとは、油断も隙もないな、本当に……」


「まだ敏感なつぼみに、この白魚のような指先も這わせていないからセーフでオッケイ♡」


「可愛く言っても駄目だ、オッケイじゃないぞ、エロお姉っ!!」


「……う、うう~~ん、ここは一体どこなの?」


 息の合った番台姉妹の掛け合いが飛びかう傍らで、美馬桃花ちゃんが

 ベットの上で半身を起こそうとしていた、慌てて横からサポートする、

 彼女に気付かれないように乱れたスカートとショーツも整えてあげる。


「桃花ちゃん、無理しないでいいよ、脳震盪を起こしたみたいだから、まだ横になってなきゃ駄目!!」


「や、康恵ちゃんはどこ!? 彼女は大丈夫なの!!」


 上半身を押さえる僕の手を振り払うように、桃花ちゃんが激しくかぶりを振る、

 意識が戻って自分の状況が掴めず、一時的にパニック状態になっている。


「嫌あああっ!! 康恵ちゃんが死んじゃう!!」


「落ち着いて桃花ちゃん、彼女は無事だよ!! だから安心して……」


「嘘!! 康恵ちゃんを生徒会が反省房に連れて行っちゃったんだ……」


 桃花ちゃんの瞳が虚ろだ、その双眸には恐怖の色が浮かんでいる、

 教師達も刃向かえない程、この学園を支配下に置いている生徒会、

 その弾圧の象徴、反省房は生徒達の間に恐怖心として深く刻まれている、

 桃花ちゃんが以前、反省房の情報を教えてくれたんだ、

 あそこに閉じ込められたら恐怖で廃人みたいになってしまうと。


「離してぇ、嫌ぁ!!」


「駄目だ、にゃむ子さん、押さえるのを手伝って!!」


「ま、まさみん、了解……」


 ベットから跳ね起きようとする桃花ちゃんの身体を、二人がかりで覆い被さって

 必死に押さえ込むが凄い力だ、いつまでも抑えきれるか分からない……


 だが次の瞬間、糸の切れた人形のようにがくりと彼女の動きが止まった。


「桃花ちゃん、どうしたの? しっかりして!!」


「……正美、大丈夫だ、一時的に電気ショックで眠らせた、命に別状はないから安心しろ」


 りっつ子さんが黒い箱のような物を傍らの机に置きながら

 僕に説明してくれる。


「スタンガンだ、威力は最低限にしてある、彼女は錯乱状態になっていた、万が一、舌でも噛んでしまうと最悪だ、安定剤も投与しておくから次に目が覚めるときは落ち着いているだろう」


 良かった、桃花ちゃんが無事で……。


「……まさみん、何故、桃花ちゃんは康一の事であんなに激しく取り乱したのかな? にゃむ子、分かんない」


 ……さすがはにゃむ子さんだ、いつもおちゃらけているように見えて、まわりの人間観察に一番長けている人だ。


「そうだ正美、何か悩んでいるのなら私にも教えてくれないか? 生徒会長自ら、反省房に連れて行かれて、監禁されている康一君に何か関係することだろう、私達で力になれるかもしれない……」


「にゃむ子さん、それにりっつ子さん……」


 そうだ、一人で抱え込むのが僕の悪い癖だ、康一にも良く指摘された、

 成長にあわせてどんどん膨らんでくるおっぱいみたいに

 悩みも大きくなって僕を押しつぶさんばかりだった……。


『正美、お前、もっと人に頼れよ、いつも暗い顔して悩んでるだろ? 結構、人ってお願いされると嬉しいもんだぞ……』


 僕は昔から人に頼るのが苦手だ、それは拒否されたり、

 友達に裏切られたりするのが怖いからだ、悲しい想いをするなら

 全て自分でやった方が良いと、だけどこのままの自分じゃ駄目だ……。


 囚われの康一や、目の前で眠る桃花ちゃんを助けたいが、

 それには僕一人では到底無理だ、大好きなみんなを救えない、

 だから差し伸べられた暖かい手には素直にならなきゃ。



「二人にお願いがあるんだ、どうか僕を助けて欲しい!!」


 一歩前進、固く閉じた両の手を開いて、暖かな世界と握手をしよう、

 そしてみんなの力を合わせて康一を救い出しに行くんだ……。



 次回に続く。



 ☆☆☆お礼とお願い☆☆☆


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泣き虫だった幼馴染(♂︎老舗銭湯の跡取り)の正体がじつは超絶S級美少女だった件〜【むにゅ♡】なおっぱいは世界を救えるのか!?~ kazuchi @kazuchi

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