【間違いだらけのおっぱい選び】

「……三枝くん、私の父親の名前は乳大事槍恒なの」


 乳大事槍恒ちちだいじやりつね、おっぱい好きなら知らなければモグリと言われる【間違いだらけのおっぱい選び】の著者であり、おっぱい業界の権威だ。

 元々は編集者であり日本におっぱい研究の礎を築いたと言わしめた幻の禁書、【決定版 HOW TO OPPAI】乳房輪祥にゅうぼうりんやすし 著。この本も乳大事の編集した一冊だ。


 日本を代表するおっぱい評論家の第一人者と呼ばれたが、乳大事の功績はそれだけには止まらず、おっぱいの弄り方から男の生き方、女性へのフェミニズムが彼のおっぱい評論家としての特異性を表していた。


 ひときわ俺、三枝康一さえぐさこういちが惹き付けられたのは、おっぱいを世俗的な視点だけで捉えず、男のロマン、そう、おっぱいは男の生き様を写す鏡として、精神的高みまで昇華した評論に心から心酔したんだ……。


 乳大事のおっぱいに対する姿勢を表す有名なエピソードに、かつては日本おっぱい・オブ・ザ・イヤーの選考委員を務めていたが、下着メーカーのおっパブ等の接待攻勢に疑問を持つようになり、みずから選考委員を退任した。


 彼はおっぱいや下着メーカー・ブランド名などについて発音にこだわることで知られており、


 おっぱい→ 【おっぱあ~いっ】


 ワ○ール→ 【おあうこうううるっ】


 チュ◯ュアンナ→ 【ちょちゅうううあんなっ】


 ド◯リンプ→ 【っどゆうううりゅんんぷう】


 乳頭の色は? → 【ええか~ええのんか~、最高か~】


 俺もモロに乳大事先生の発音に影響を受けて真似したもんだ……。


 今、考えると完全に黒歴史だが、おっぱい研究で悪友の佐藤と一緒に、男だけでランジェリーショップにカタログを貰いに行ったことがあり、店頭で「ちょちゅうううあんなっの総合カタログください!!」と言ってお店のお姉さんに全然伝わらなくて恥ずかしい思いをした経験も懐かしい……。


 まあ、誰しも通る道だと思うが半可通になるとマニアックな言葉を使いたくなるんだ、車を車名じゃなくてハチロクとか形式で呼ぶみたいにね。


 乳大事槍恒のダンディな生き方に俺は強い憧れを持っていたんだ。

 その憧れの人が今宮美鈴いまみやみすずさんの父親!?


 一体、どういうことなのか……。


「み、美鈴さん、だけど名字が違うよね!?」


「乳大事槍恒は父のペンネームで、本名は今宮博藍いまみやひろよしと言います、父はおっぱい界の後進育成のため、道場を自宅に開設していて、あなたのお父さんも住み込みで働いていたのでとても良く知っています……」


 何ということだ、おっぱい界の生ける伝説、前人未踏の千人ズ◯も達成した、

 乳大事槍恒が生徒会長の父親だなんて!?



「父は実の娘である私にも厳しかった……。自分の後継者に私を据えたかった父、そんな厳しい背中を見ていると何故、私は女として生まれたのか!? 成長に伴いどんどん膨らんでいく自分のおっぱいが疎ましくさえ思えたの……」


 彼女がセーラーブレザーの上から自分のおっぱいにそっと手をあてがった。


 美鈴さんの形の良いツンとしたおっぱい……。


 そのたわわな二つの膨らみに、おっぱい界のサラブレットとして生まれた苦悩が、たっぷりと詰まっているように感じられた。



「……美鈴さん、だからこの高校に入学して生徒会長になったのも、最年少おっぱいソムリエの道も全部、お父さんの跡を継ぐためなんだね?」


 ……俺は瞬時に理解した、同じおっぱいを愛する者として。



「でも駄目なんです、私一人では、あの偉大な父を越えることなんて出来ない、父親は直接言いませんが、おっぱい信仰にも宗派がありそれぞれに戒律が存在して、この現代に時代錯誤ですが女の私は跡取りになれないんです……」


 そんな決まりがあるのか!? おっぱい冒険家の親父に聞いたことがある。

 江戸時代から始まったおっぱい信仰も数多くの宗派に分かれ、穏健派から過激な思想を持つ邪心集団まで存在すると……。



「そんな宗派に細分化されるは、おかしくないですか!? さっき、美鈴さんは言いましたよね、戦争も、宗教も、そして国教もない世界、それがお父さんの理想だって……」


「父はそのことについても心を痛めています、理想と現実の乖離、宗派同士のいがみ合いも急激に増えている現状について、このまま争いが続けば、大規模なおっぱい宗教戦争が起きると父は懸念しています」


 宗教革命ならぬ、おっぱい革命か……。


 ゴゴゴゴゴゴ!!


 また地震だ、今度は特に大きいぞ!? 懲罰房の部屋全体が揺れ、

 立っているのもままならない程だ。


 バチッ!!


 俺が身構えた瞬間、激しい音と共に部屋中の電気が消えた。



「……こ、怖い!」



「おわっ!?」


 むぎゅうううう♡


 むっちりとした感触が暗闇の中、顔に押し当てられた、こ、これは!?

 美鈴さんが俺にしがみついてきたんだ、それもだいしゅきホールド状態で!!

 俺の顔全体が、とてつもなく柔らかいおっぱいに埋没する、


「みっ、美鈴さん!? 離れてください、全然身動きが出来ません!!」


「む、無理、怖いんです、離さないでください!!」


 火事場の馬鹿力なのか、おっぱいだけでなく、腕、足を絡め、

 ガッチリだいしゅきホールドしてくる、特に絡めた太ももの感触がたまらなくエロい、むき出しのコットピースをグイグイ攻めてくる。

 マズい、このままでは収納された俺の相棒も、おギンギンになりかねないぞ!?


 何とか、体勢を変えなければ……。


「美鈴さん、この部屋から逃げないと危ないです!!」


 仕方がないな、無理にでも体勢を変えるか。


 床に押し倒され、しがみつかれている身体を強引にずらした。

 縄抜けの要領で上にずり上がろうとした矢先、大変なことが起こった……。


 ずりっ、もにゅもにゅ♡



 こ、このはむはむの体勢はぁ!?

 とっておき◯ム太郎やあ!!


 先ほどまでの引っこ抜き攻撃により、俺の瀕死になりかけたコットピースが、柔らかなに包まれてしまった。



「みっすっずうさん、そこは駄目ぇ!?」


 ……俺は泣いて哀願した、完全にコットピースが埋没してしまった!!

 深い深い美鈴さん神聖なる山あいにだと!?

 大変なことに彼女がぶるぶると震える動きが犬のお散歩運動になっているッ!!


 この体勢はず◯キチ四平になっちゃうよぉ!!

 また銀河鉄道が発車しちゃううう……。


 かむぱねるらああああっ!!


 一体、俺はどうすればいいのか!?



 次回に続く。




  ☆☆☆お礼とお願い☆☆☆


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