第3話「入学試験3」
「おし!一人殺りましたよ、ご主人!」
そう返り血のついた顔で笑みを浮かべる彼女、狼姿真優。正直に言おう。彼女はとても強い。だが馬鹿だ。いや、純粋であるし素直である。あるがゆえに馬鹿である。今も向かい側から逃げてきた男子の首を絞めている。
「いやぁ、すみません!でもわっちは合格したいんで!さよなら!」
ゴキン、と骨が折れる音がする。心臓の拍動が弱まっていくのが分かる。
「二人目!幸先いいですねご主人!さ~てどんどん殺しましょう!」
純粋で素直で明るい。正義の味方かと思えば疑問も抱かず人を殺す。とても狂気的な彼女はまた逃げてきた受験生を捕まえて笑いながら殴り殺している。ある意味怖いなこの娘、と思っていると、
「おっ!」
真後ろから男の声が響く。首まであるジャージの襟を引っ張られる。
「美味しそうな女子2人発見ー!今さっきまで女の子とズッコンバッコン遊んでたんだけどさぁ?いつの間にか白目剥いて死んでやがんのw
なんでだろ、やっぱ首絞めたのがいけなかったのかなぁ」
男が私のジャージ襟から手を離すことはことはなく、その手が徐々に私の首元を絞めつけようとする。
「ぁぐッ…!放せ!」
「はは、急かさないでよ。んで、俺インキュバスでさぁ、ヤらないとお腹すいちゃうわけ。だから俺の餌になってよ、それでついでに俺の入学への手助け!してくれたら嬉しいなぁ」
顔面を殴られる。引っ張られたときにジャージのジッパーも下がったみたいで私の首を戒めているそれも露になる。
「え、首輪?なにそれSMプレッ」
なにか変態用語を言おうとした彼を狼姿真優が殴る。
「女の子の大事なお顔を狙うとは!悪道っすね!」
ちょっと論点がずれている気もしなくはないがナイス狼姿。たしかに狼姿、女の子を殺すときは顔は外して一回気絶させてから一思いに殺していたので案外紳士的なのかもしれない。いや人を殺している時点で野蛮か。私含め。
「あれ衣さん、いめちぇんってやつっすか!?そんなの付いてましたっけ!!」
「…元から付けてるの。小さい頃からずっと外れなくて。」
首輪、といっても犬用のかわいらしいカラフルなものではなく、金属質な重厚感ある首輪だ。とある事情から私は幼少期に警察に保護されたのだが、警察にいるあらゆる能力者や研究者でもこの首輪を外せなかったのだ。
痛いなぁ、強いなぁ、と言いながら彼も立ち上がる。
「んー、イけるか?俺がこの女子二人を?…うん、喰えるっしょ!」
「あぁ、想像だけで興奮してきたなぁ!」
「狼姿さん、このイカレ変態野郎を殺す準備できてる?」
「うす!!!」
?? ?、15歳
能力「インキュバス」
Bad Appolice @mutsuki_ureru
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