心温まる、里と神様たちの物語

受験に失敗し、就職難に見舞われ……人生でいいことがなかった里は、親から勧められて数年前に亡くなった祖母が住んでいた家の管理をすることになりました。そこはど田舎で、山と田んぼしかないような場所。

しかしそこで里は、普段は猫の姿をした神様の汐や、その眷属だと言う松里と出会うのでした。仕事のことなど全く考えていなかった里は、図らずも神社での巫女アルバイトとして働くことになります。

ご近所の三重子さん、そして三重子に関係が深い隣村の氏神、氏康様、そして村の人々と関わる内、人々の温かさはもちろん神々との関係も深まっていき、やがて里は汐に心惹かれ、「ずっと一緒にいたい……」と思う様になります。

そんな中神無月が訪れて、神様は出雲に行ってしまい……


里山のゆっくりした景色や時間が読んでいても心地よく、また里とそれを取り巻く人々や神々との会話もテンポが良くて惹き込まれました。最後の方にはウルっとしたりドキドキしたり、最後まで目が離せず一気に読んでしまいます。

疲れた心に効く清涼剤の様なストーリー。オススメです。

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