―――自我を失っても、止まらず、僕は英雄にならなければいけないんだ。

 最強へと至る為の才能を持っている男に転生した主人公。

 だが、一度失敗し、悲劇を迎える。


 主人公なら―――『英雄』なら、あんな事にはならなかった。

 僕だったから―――『凡人』だったから、彼女を救えなかった。


 『凡人』である僕が『英雄』に生まれ変わってしまった―――『英雄』を塗り潰してしまった。


 ―――だから、これは僕の責任で、義務なんだ。


 己の責務を果たすべく―――『凡人』である身でありながら、『英雄』になる為には、『真なる英雄』を演じ、『偽りの英雄』を創るしかない。



 だけど、それは僕には荷が重くて―――



 ―――辛く、苦しく、悲しみを伴った物語。

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