【あとがき――という名の簡単な解説】



 はじめましての方ははじめまして、そうではない方はいつもお世話になっております。

 吹井賢です。


 この『きさらぎ駅と案内人』という作品を書き終わったのはクリスマスイブの早朝なのですが、なんでクリスマスにこんな話を書いているのか、自分でも分かりません。リハビリのつもりで書き始めたんですけど、筆が乗ってしまったんです。二日で書けました。

 そういったわけでプロットも設定集もない作品なのですが、主人公である『六波羅一分』とヒロインである『イズコ』の過去やら何やらは設定してあるので、いつか語ることができたらな、と思っています。

 忘れない内に記しておくと、ヒロインの名前は『スカイハイ』という漫画の主役から取っています。面白いですよね。滅茶苦茶怖いけど。


 最近(2022年12月現在)、小説を書いておらず、この作品はリハビリの為に書き上げたのですが、「なんでホラー?」と問われたら、「『死印』の実況動画と『裏バイト 逃亡禁止』が面白かったから」と答えると思います。面白いですよね。やっぱり滅茶苦茶怖いけど。

 ホラーは怖いので苦手なのですが、見ていると、たまに、「なんで何も悪いことをしていない登場人物がこんな酷い目に遭わないといけないんだ?」という気持ちになったりして、怖さを通り越して、怪異の理不尽さに腹が立ってくることがあります。なので、そんな怪異に理不尽を返す主人公の話を作ってみたわけです。

 この辺り、『岸辺露伴は動かない』シリーズに影響されている気がします。「なんで何もしていない僕がこんな目に遭わなくちゃあいけないんだ? 逆じゃあないのか? 罰を受けるべきは、向こうじゃあないかッ!」。

 怖さを楽しむという意味のホラーでは落第ですが、個人的には好きな作品になりました。


 この作品の『怪異』について補足しておくと、他の吹井賢の作品と同じ世界観なので、理屈としては異能と同様です。人の強い思いや願いが、理を超えた事象を引き起こす。『怪異』は誰か、あるいは、不特定多数の人間の異能が暴走しているような感じですね。

 ですから、六波羅やイズコの特殊能力?のようなものも、同様に他の作品で言う「異能」です。どちらの超能力も非常に強力で、六波羅の『呪い返し』は「超常の力によって害を及ぼしてきた存在に、そのままその害を返す」というものです。実体のある攻撃には全く無力なのですが。

 二人の持つ力を「異能」と考えた場合、代償や対価はどうなるの?という疑問が当然出ると思いますが……。その辺りも、いつか描けたらいいですね。


 テーマソングはUNISON SQUARE GARDENの『ここで会ったがけもの道』。「同じ旅路が続くのなら ここで会ったがけもの道」。二人の案内人は、何処へ行くのでしょうか? 読者の皆様も、二人のお世話にならないようにお気を付けください。特に六波羅の方、彼は自業自得の人間は全く助けないので。触らぬ神に祟りなし、ですよ。


 この作品が、皆様の一時の楽しみになれば、それが作者にとって最高の喜びです。

 それでは、吹井賢でした。


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きさらぎ駅と案内人 吹井賢(ふくいけん) @sohe-1010

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