エピローグ

 次の日、苦労して早起きした俺たちは駅に向かっていた。

「重いぃ~」

「我慢しろ、お前が増やした荷物だろ」

「拓海だって止めなかったじゃん」

「俺が言って止まるなら苦労してねぇ」

 二人で荷物を分け、文句を言いながら歩いて、なんとか始発の前に到着。一昨日のようにホームのベンチで電車を待っていると夏帆が言った。

「ねぇ、来年も行くって言ったら着いてきてくれる?」

「別にいいよ、荷物増やさないなら」

「もう、さっき謝ったじゃん!来年は絶対泳ぐから」

「条件追加だ、泳ぐの禁止」

「えぇ~!」

 などと軽口を叩いている間に、電車がホームに入ってきた。

「来年も絶対行くから」

「ん、絶対着いてく」

「ありがと」


 こうして、夏休みの二人旅は終わった。

 帰ってから、親は優しいので俺も夏帆も「楽しかったのなら良かった」で済んだが、学校ではそうもいかず、始業式が始まるまで延々と説教をくらい、後3週間の休みが追加の補習で無くなったのは別の話。

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夏休み、二人旅 秋風 優朔 @A-yusaku

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