第2話配属

つい先日産声を上げたばかりの少女達は各所へ散らばりそれぞれの道を歩むことになる。当然だが指揮官によって生活の質は違う。まるで奴隷のような扱いをされることもある。捨て駒にされ、一月も持たなかった物もいるそうだ。彼女らは自分がどこに連れていかれるのかを知らない。

「1560番降りろ」 「……」 「返事の一つも無いのか?」 「……はい」

ここはかつて横浜と呼ばれていた場所だ。今はすっかり破壊され、第3防衛拠点基地と呼ばれているようだ。1560番の故郷に比べたら温暖で過ごしやすい地域だ。「ようこそ第3防衛基地へ」

「これからお世話になります特殊特攻兵器1560番であります」「ご丁寧にどうも。私はここに駐屯している第3部隊隊長の錦戸勇だよろしく。」

「よろしくお願いします」 今度は返事出来たようだ。「君はここがどういう都市か知っているかね?」「はい、本時大戦において対米戦闘の拠点となっております。」「正解だ。よくご存知で」

「やはり戦とは醜いかつては海外からの客船を迎える港町として栄えたこの地も見たまえすっかり荒れ果ててしまった。君は命の果てに何を望む?何を得るため生きる?」「……申し訳ありません良い回答を持ち合わせておりません。」「そうか」

勇はそう小声で言った恐らく誰1人聞こえてなどいないだろう。ただこの問いは彼女にとって大きな問題となった。上官に対し無回答となったこと以上に自らの望について思うこととなったのだから。

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沈む世界より 翔る @kakeru-wairema-sity5

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