走馬燈
炉火かふ
はしがき
日記、再開である。
いや、この駄文を日記と定義するのはやめておこう。これはフィクション、小説である。虚構であり、嘘であり、お道化である。現実に依っているところもあれば、現実に酔っているところもあれば、現実に因っているところもある。言葉遊びである。散文である。
再開というか、まァ、新しく始めるようなもので、ぶっちゃけ再開という気はしていない。或る人によって、触発せられ、書こうと思い至ったもので、自分は、相も変わらず影響されやすい人間だと思うのである。
まァ、という表記も、せられ、という旧文体も、その影響の賜物である。しかし、前者はあまりにもただのパクリで芸がないし、後者に至っては読みにくさと違和感を生む以外に効果が無さそうであるので、以後やめておく。飽き性ではないが、決意が揺らぎやすいタイプなのである。
さて、何について書こうか。前言撤回日記ということにして、今日あった出来事でも綴ろうか。いやまぁ、特筆事項は無いので、それだと何も面白みのない事実の羅列に成り下がってしまうだろうから、一つテーマを絞ることにしよう。そうだな、煙草と酒でどうだろうか。頽廃の匂いがするふたつだ。あと女も含めて三拍子揃えてもいいのだが、そこを語りだすと長いので、今回はやめておこう。
僕にとってこの二つは、アイデンティティを保つための道具のようなものである。これによって自分というものを規定し、自己という存在を補強するものとして、これらに拠っている。酔っている。頽廃の匂いがすると言った通りだが、この前某青い鳥のSNSにて、「煙草を自分のアイデンティティにしている男はダサい」との投稿を見た。ほっといて欲しい。
脱線したが、兎にも角にも、僕にとってこの二つは欠かせないものとなっている。依存、といえばまぁよく聞く症状だが、あまりそういう言い方はしたくない。普通が嫌いなのだ。煙草も今やマイノリティであるし、普通が嫌いが故に、アブノーマルを求めている側面もあるのだろう。確かにそう思うと理由が軽くてダサいのだが、やはりほっといて欲しい。満たされていたくないのだ。不安がないと不安になるのだ。その不安を受け入れられるのが、この、酒と煙草というものなのだ。
金のない学生の割には結構吸う方だと思っているのだが、実は、未だに噎せる。というか、嘔吐く。その時のコンディションが悪いと、おえっと、くる。酒も、わりと飲めるたちだと思ってはいるのだが、度が過ぎると、うえっとくる。以前人前で吐いた失敗を思うとどうも恥ずかしく、居たたまれない気持ちになるのだが、二度とあんな醜態を人様の前で晒すものか、という気持ちになるのだが、やめられないのだから、仕方ない。人前で飲むのをやめるしかあるまい。
一時期よく吐いていたし、好んでいる頽廃にも嘔吐感を催されるし、どうやら僕はゲロに好かれているらしい。吐き慣れているとはいえ、やはりゲロは好きになれないので、両想いにはなれなさそうであるが。
またもや脱線していたが、結局のところ、この頽廃が、僕を安心させるのだ。お軽い自他の差別化によって保たれる薄弱な自己意識を笑いたくば笑ってもらってかまわないが、どうも僕という人間は、この程度なのである。もう少しちゃんと狂っていたいのだが、この程度の堕落に、自己の矮小さを見出して、安心するほかないのだ。つくづく、小さい人間である。
さて、無駄に長い駄文になった。オチもなければ山もない、本当につまらない文章に仕上がってしまったが、以後は、もう少し面白く練ってから書くことにしよう。書き出しということで、今回は許していただきたい。
次はもう少し面白く、次を書く気が起きればの話であるが、テーマ性を持って、綴りたいものである。
走馬燈 炉火かふ @irori13
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