第四話 追うオレンジ(男性不動産会社経営者)
僕ね心霊現象とか一切信じてないんですよ。
あんなの勘違いとか思い込みとか、ちょっとした見間違えですよ。
科学的根拠なんてないんですし。
あー昔付き合ってた相手がなんか怖い怖い言ってたことがらならありましたよ。
心霊なんてただの思い過ごしですから。
人の方がよっぽど怖いですよ。
まぁ、あれを最初に見たのは山の中でしたよ。
ドライブに行っててね少し休むために横道にされていったんです。
かなり整備された山道なんですけど横道ってのは少し大きな獣道って感じで、よくよく見るとゴミなんかが捨ててあって走り屋達の溜まり場かな?なんて思いました。
少しね休んでると彼女が急に固まったんですよ。
虫が苦手な人だったから虫でも窓に止まったのかな?なんて思ってると前の方を凝視してるんです。
ちょっと気味悪く感じて肩揺さぶって聞いてみると、木と木の間に蛍光オレンジ色のモノがチラチラ見えるって言うんですよ。
ちょうど秋ぐらいで葉っぱも全部茶色で木もかなり密集して生えてたんで僕にはよくわからなかったんですけど。
あー僕近視なんですよ。眼鏡しててもあんまり見えなくてね。
なんか面白く感じて確認しようかと思ったんですけど、彼女があまりにも必死に止めるんで行くのはやめました。
彼女曰く、こっちの様子を伺ってるようにも揺れてるようにも見えたみたいです。
とりあえず人ってことは分かる感じらしかったみたいですよ?
全く馬鹿らしい。一言何してるか確認すれば終わる話なのに。
君悪がって行くのを止めるなんて……。
その後は僕のテンションも下がったんですぐに帰路に着きました。
その後、彼女から連絡を絶たれましてね。
止めたことに対して文句言ったからですかね?
それからたまに会社のポストにオレンジ色の折り紙が入ってるんですよ。
えぇ、何も折ってなくってまっすぐなままの。
人のやってることは確実ですから捕まえればいいことなんですけどね。
ただ気味が悪いんですよ。忘れた頃に折り紙が入ってて忘れたくても忘れられなくってね。
あぁそうそう、多分その山で遺体が見つかったみたいなんです。
そうだとしたら犯人からの誰にも言うなってメッセージですかね?
怖い話、どこかの誰かの体験談 とどんがどん @dodongadon
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。怖い話、どこかの誰かの体験談の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます