第3話
次の日もその次の日も普通の日常だった。こんな日常だったら1年もたたずに無くなってしまってもいいそんなことを思い始めていた。
今日は朝から全校集会があるらしい。長いつまらない校長の話を聞くぐらいならサボったほうがましだろう。雅人に体調悪いから保健室行くわと伝えて教室に残った。このまま教室に残っていても怪しまれてしまうためお気に入りの場所に行くことにした。ほんとは屋上に行ければいいのだかこの学校は屋上に鍵がかかっていて入ることができない。屋上に向かう階段には立ち入り禁止の札がかかっているが鍵などはないため侵入することは容易にできる。この階段と屋上の間にある踊り場が俺のお気に入りの場所だ。誰も来ることないこの場所は他の場所よりは静かで昼寝もしやすい。余命宣告される前からこの場所で授業をサボることも何度かあった。今日はいっそこのまま今日1日ここで寝て過ごすことにしよう。
何時間たったのかわからないが物音がして目覚めてしまった。
「あ、起こしましたか?」
そんな声がしてゆっくり目を開けると少し離れたところに女の子がいた。
「え、誰、なんでここに」驚いて自分でも何言ってるかわかんないぐらいの反応をしたがそんなことを気にせず女の子は話を続けている。
「気持ちよさそうに寝てたんで起こさないように静かに本読んでたんですけどすいません。」
俺はなにも言わずにじっとみることしかできない。この学校は学年ごとに制服のネクタイとリボンの色が違うため学年だけは制服でわかる。俺の1個下の1年生だ。
「先輩2年生ですよね?サボりですか?」
何も知らない俺に普通に話しかけるのをみていたら笑ってしまった。
「私変なこと言いましたっけ?」
「ごめん、なんかめっちゃ普通に話しかけてくるのがおかしくて」
「そんなにおかしかったですか?」
「なにも知らない俺に普通に話しかけてくるんだもん、おもしろすぎる」
「そんなことないです。普通です。」
「名前は?」
「1年の
「2年の
「よろしくお願いします。中村先輩。仲良くしてくださいね。」
「じゃあ私そろそろ教室戻ります!じゃあまた!」
そう言って夢叶は戻って行った。
時計を見るといつの間にかもう昼休みになっていたようだ。俺も授業でも受けよう。そう思い午後の授業を受け何事も無かったかのようにその日も1日が終わった。
希望がなくなってもこの世界で。 @araigumayuuki
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