⒊ 証の前に

 この証を記すにつれて、報告しなければならない事実が、いくつか存在する。

 まず、この証は同じ過ちを繰り返さない為の、最愛の人への道しるべであり、受け継がれる為の物ではない。

 次に、これは私の物語でもなく、私の証でもない。闇を歩んで背負う、全ての者の証である。

 最後に、私はもうこの世にはいない。愚か者のまま天寿を全うしたのだ。全てを完結へと導けずにこの世を去っている。だからなんの責任も背負いかねない。しかし、体が滅びても、私の心は今でも大切な人と共にある。

 証として。

 道しるべとして。

 闇の証として。

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闇の証 ねこはな @Mahrian

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