第2話 目が覚めると…

「…うぅーん。」


 目が覚めると、私は見知らぬ列車の中にいた。さっきできたはずの傷もなくなっている。ふと、窓の外を見るとそこは満点の星空が広がっていた。


「わぁー!綺麗!」


 この世の物とは思えないほど美しい星空を目に焼き付ける。というか、本当にこの世の物じゃないのかもしれない。


「私、死んじゃったのかな?」


 そう言って、なんだか怖くなってきた。お母さんは大丈夫かな?それに弟も。私の家は母子家庭だから私が死んだらお母さんに迷惑をかけてしまう。クラスの子は…まぁ心配しないか。学校に友達なんていないし。


 そんなことを考えていると、私はこの列車に人が乗っていることに気がついた。

その人は帽子を目深に被り、表情はよく見えない。身長は私より少し大きいくらいだ。


「もしかして子供?」


そう思い、私は声をかけてみることにした。

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初恋鉄道の夜 @maple1027

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