初恋鉄道の夜
@maple1027
第1話 星が降る夜に
タッタッタッタ…
私は暗い夜道を走る。
本来子供が出歩いてはいけない時間帯だけど、
今日は特別。なぜなら今日は近所の山で、流星群が見られるからだ。私は星が大好き。星を見ていると時間を忘れてしまう。今日もお母さんにバレないようにそっと抜け出してきた。
しばらくして、山に着いた。夏の夜の生暖かい風が頬を撫でる。私は意を決して山頂を目指し登り出す。
いつもはよく遊ぶ場所でも、夜に見ると全く別物に見える。それは異世界に迷い込んだのではと思うほどに。今さらながら緊張してきたけど、私は歩き続けた。
そろそろ山頂に着く。山頂は町を一望できる、私のお気に入りの場所だ。階段を登り終え、期待を込めて夜空を見上げる。
「…何も見えないじゃん。」
ショックでしばらく呆然とした。
木々のざわめく音だけがはっきり聞こえる。
私は帰ろうと思い踵を返した。
しかし、
「キャアッ!」
連日の雨もあり、ぬかるんだ地面に足を取られてしまった。そのままごろごろ転がり、私は近くの川まで落ちた。幸い、私は泳ぐことが出来る。だが、さっき転んだせいか体が思うように動かない。私は家にいるお母さんの
悲しむ顔を考えた。
「ごめんね、お母さん…」
そして意識が遠のいていった。
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