第11話 油断と余裕は死と隣り合わせ
「いや〜中々の威力ダネ〜」
そんなこと呟き涼しい顔で佇んでいるワタシだが
(痛えぇぇ!?耳が痛い!?キーンってするぅぅぅぅ!!!)
内心こんなである
「さて……何人生き残ったカナ〜?」
黒煙が視界を遮る中ワタシは目を凝らすがやはりというか人の姿は見えない
「ん〜少し待った方が良さそうダネってん?」
そんなことを言っていると前右斜め方向から足音が聴こえてくる
慌ててその方向に空気の壁を作るとガンッ!!!という音と共に風圧で周囲の黒煙が四散した
「……アンタも頑丈ダネ〜赤里作楽」
そこには全身に火傷を負いながらも悪鬼のような表情でハンマーを振るう赤里の姿があった……いや、怖ええよ……
「ちっ……奇襲失敗か」
「バーカ、奇襲ってのは気付かれないようにするものなんダヨ?ワタシに奇襲を仕掛けたいならまず足音を消す練習をしな」
まあ、赤里が奇襲を覚えたらかなりやばいけど
赤里はワタシから距離を取ろうとするがバランスを崩し膝を着く
「はぁ……痛え……」
「あの爆発を至近距離で食らったらそりゃあ痛いだろうネ」
あの爆発を直撃して痛いで済むあたり魔法少女……というより赤里作楽の耐久度やべぇなと思う
「さてと……」
ワタシは少し悩むような仕草で赤里に問う
「本当はこのままアンタを始末してやってもいいんだけどネ……アンタを始末した後、他の元大罪メンバーが動くならアンタを殺すのはデメリットでしかないだよネ〜アンタはどう思う?」
その言葉に赤里は意味わからなそうに眉をひそめる
「ああ?あたしが殺されたからってアイツらは動かねぇだろ、あたしらにはそんな仲間意識もなかったし」
予想通りの言葉にわかってないな〜のジェスチャーをする
「なんだよ……」
「アイツらに仲間意識がないことくらいわかっているんダヨ、そうじゃなくてアンタが殺されたらアイツらはそれを理由にワタシを殺しにくる可能性があるってこと」
「どういうことだ?」
まあ、分からないか……
「ん〜簡単に言えば赤里が殺された?ラッキー敵討ちしよーって考えるやつがいないとも限らないんダヨ……」
更に元大罪のメンバーはアインの苦手な状態異常系、催眠系、防御無効等のオンパレードだ、ぶっちゃけ相手にしたくない
「なるほどな……まあ、アイツらなら有り得そうだな」
「……」
そこでワタシは1つ疑問が浮かぶ
なんで赤里はこんなにワタシの話を聞いてくれるんだ?敵の話を聞くくらいなら攻撃を仕掛けるようなやつだぞ?
「ニヤリ」
ふとワタシは煙が晴れ始めた白崎達が居た空間を見るそこには──
(居ない!?白崎も観霧も誰1人……!いや、部下は居るわ……ごめん)
部下を避難させなかったことに心の中で謝ると脳内に警報が鳴る
(どこに行った?もしかして逃げた?いや、そんな訳ない!)
赤里から距離を取りつつ後ろも見るがいない
前も右も左も後ろも居ない……という事は……!?
ワタシは恐る恐る上をむく
「アイン・ホワイト!」
そこには私に剣を振りかぶる観霧の姿があった
(マジか!?)
しかし剣撃がワタシを捉える直前に空気の壁を生成する
「はっ!甘ぇんダヨ!」
「甘いのはキミの方じゃないかな?アインくん?」
「は?」
その声は羽鳥だ、しかし羽鳥にこの場面をどうにかできる魔法は無かったはず……と思っていたらワイヤーがが降ってきてワタシを囲み──ワタシを縛った
「なっ!?」
(こ、これは……!?)
「ふぅ……どうやら成功したみたいだ、アインくんキミの敗因は単純に私達を舐めすぎた事だよ、最初から最後まで周りに壁を作っていれば良かったものを」
「はあ?敗因?何言ってるのカナ〜?ただ縛っただけで勝ち宣言とか」
(いや……これヤバくない?絶対なにか来るよね!?)
表面上は汗ひとつ流さないように耐えているが内心かなりテンパっている、羽島がワタシに致死的なダメージを与える奥の手を持っていることも発言から薄々気づいているので処刑台に登る死刑囚の気分である
「縛っただけ……ね?本当に縛っただけかその身で味わってみてよ!」
羽島はワイヤーに繋がっていた持ち手、その先に着いているボタンを押した
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
そこから流れた高電圧の電気がワタシ、アイン・ホワイトを襲った
オリキャラ憑依 魔法少女インフェルノ・ザ・エンプレス 雅架音 @sirononia
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