第10話 アイン・ホワイトは強者である(ドヤァ)

「死にさらせぇぇぇぇ!!!」


 先制攻撃は赤里


 赤里は背丈程もあるハンマーを持ったまま高速で突っ込みそのままアインに向かってハンマーを振るう


「はっ!昔から変わらず単純ダネ!」


 しかしそんな赤里の攻撃に対しアインは手を前に翳すだけ


 そのアインの手にハンマーが触れる──直前


 ガァァァン!!!


 と何かにぶつかる音が周囲に響いた


「な!?」


 白崎はその音にビビりながらもその原因に驚愕する


 なんと高速で振るわれた絶対的な破壊力を持つはずの赤里のハンマーがアインの前で停止していたのだ


「これはこれは……」

「何となく分かってはいたが……」

「…………」


 その光景に他のオルゴールメンバーはかなり嫌そうな表情をする


 そして当の赤里はと言うと


「……ちっ、やっぱり突破できねぇか」


 そう呟きアインから距離を取る


「……はは、アハハハハハハ!!!いや〜まあ、そんなもんだヨネ」


 アインは1連の出来事に対し爆笑する──がしかし


(怖えぇぇぇぇ!!!!やっば、ガード間に合わなかったら死んでたわ今の!だってガンッっていったよ?今ガンッって!?)


 内心かなりビビっていた


 それはそうだ、数時間前まで普通の社会人をしていたやつが自分を殺しにくる攻撃を目の前で見せられたのだ


 それはビビる誰でもビビる


「観霧さん!今のなんですか!?」

「アイン・ホワイトの魔法のひとつであり……私達がアイン・ホワイトと戦いたくなかった理由のひとつだ……!」


 観霧は淡々と答え武器を構えているが攻めてくる様子はない……いや、今攻めても無駄だということをわかっているのだろう


 そして他のメンバーも攻めてこない、分かってはいたけどアインやべぇな……


 その様子に気が付いた主人公、白崎零は困惑しながら恐る恐る聞く


「アインさんの魔法って何なんですか?」


 その間もワタシは攻撃を仕掛けずニヤニヤ笑う、その光景はオルゴールメンバーには余裕に写っただろう


 しかし実際は未だに心臓がバクバクしていて動けないだけだったりする


「空気を支配する……それがアイン・ホワイトの魔法」


 そしてやっと明かされるワタシ、アイン・ホワイトの魔法の正体


 空気支配


 その名の通り空気を支配……だけではなく性質変化・硬化・固定など空気に関する事なら大体できるというかなり凶悪魔法であり魔法少女インフェルノ内での応用性で言ったらトップクラスの魔法である


「そ、ワタシの魔法は空気の支配、魔法の中でも最高峰の魔法であり女帝のワタシに相応しい魔法だよネ?」


 そう言ってとりあえずそれっぽいポーズを決める


「空気の支配……!で、でも魔法がわかっているなら弱点とか対策もあるんですよね?」


 白崎の言葉にしばらく沈黙が流れる


「……アイン・ホワイトは魔法少女の中で最も有名な魔法少女としても知られているんだ……もちろん魔法も同じくらい知られている」


 観霧は淡々と喋るがかなり焦っている様子だ


「わかっているアイン・ホワイトの弱点は催眠系そして空気の壁を貫通できる特殊な魔法だ……少なくとも私はそれ以外でアイン・ホワイトを倒せたという話は聞いたことが無い」

「えっと……つまり……」


 その言葉に白崎は冷や汗を流し観霧は頷く


「ああ、私達ではアイン・ホワイトを倒すのは不可能だ」


 まず結論から言うとオルゴールメンバーではワタシを突破することが出来ない──訳では無い


 理由は2つ、まずワタシの魔法だが観霧の言ったもの以外にもしっかり弱点が存在するからだ


 その弱点とは攻撃と防御を同時に出来ないということ


 原作ではその隙を白崎が見破りアインにダメージを与えることに成功している


 そして2つ目だが……赤里の『憤怒の鼓動』だ


 だがしかし、これはほぼ使えないと思ってもいいだろう……何故かって?……理由として『憤怒の鼓動』の説明にこんな一文があったのを覚えているだろうか?


『これは周囲の闘争心を引き上げ全員赤里作楽みたいにしてしまうのだ!』


 そして続いてバフとかを使えなくしたり細かいことを考えられなくなったりするとも言っている


 ……まあ、簡単に言うと赤里作楽は馬鹿すぎて『憤怒の鼓動』を使えないのだ


 いや……使えないというのは語弊があるかもしれない、ただ本人がこの魔法の存在を覚えていないのだ


 本人が覚えていないからもちろんオルゴールメンバーもこの魔法のことは知らない、知っているのは元大罪の七人衆メンバーだけというのが現状である


 というわけで話を戻そう


「そ、そんな……」


 白崎は観霧の言葉に冷や汗を流している


 まあ、そりゃそうだろう、今敵対している相手は絶対勝てませーんと言われたら誰だってそうなる、ワタシもそうなる


「さて……話は終わったカナ?」


 ワタシは手でライターを弄びながらニヤニヤ笑みを浮かべる


「話が終わるまで待ってくれるなんて優しいんだねぇ……それとも余裕のつもりかなぁ?」

「そんなの決まってるじゃん?どっちもダヨ」


 そしてワタシはオルゴールメンバーに見せつけるようにライターを顔の横に持っていく


「ライター……!?」

「それじゃあ……頑張って生き残ってネ?」


 そうして火を付けたライターを思いっきり投げつける


「全員シールドをh「遅せぇヨ」」


 瞬間轟音と共に大爆発が引き起こされた

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