第9話 オルゴールとの邂逅
さて、あんなことを言って部屋を出たワタシだがひとつ問題がある、それは私がしっかりとアインの魔法を使えるかどうかだ
あれ?この前使ってたじゃんって思うかもしれないが私が言いたいのはそういう魔法そのものではなくその魔法を使った応用技のことだ
例えばだが新体操、あれはひとつはひとつの技にポイントがあるが大会ではそれらを組み合わせひとつの完成系とする、それと同じようにアインの魔法は数多くの技を組み合わせひとつの魔法にするのだ
しかしそれらの魔法は大体が知識や経験を必要とするかなり高度なものばかりでぽっと出の素人が使えるものだとは思えないんだよな……
「まあ……まずは簡単なやつから試そうカナ……」
そういいワタシは手を目の前にかざし力を込める……そしてその空間に思いっきり拳をたたみ込む
ガンッ!!
「痛ッッッ!?」
そしてその手を抑えしゃがみ込む
(いってぇぇぇぇぇ!!!)
痛みで転がり回りたいのを我慢しぷるぷる涙目で震える
と、とりあえず1番必要なものは使えるみたいだ……それだけがわかっただけでも良かった……次は……
そして10分程魔法を使ったところで流石に切り上げた
(モブ達にこれ以上赤里達の相手をさせるのは可哀想だしネ)
ワタシは未だにオルゴール(ほぼ赤里)に蹂躙されているだろうモブ達に向け少しばかり謝りながら戦いの現場に向かうのであった
―オルゴールサイド―
「オラオラァ!!!帝国の構成員ってのはこんな雑魚ばかりなのかァ?さっきのナルシスト野郎レベルはもう居ないのか!ああ?」
「おい!赤里!あまりやりすぎるなよ?私達は別に戦争をしに来たんじゃないんだからな」
「うるせぇぞ観霧!もう戦争みたいなもんだろ!現実を見やがれ!」
赤髪の少女、赤里咲楽(あかさとさくら)が巨大なハンマーを振り回し帝国の構成員を吹き飛ばしていく
そして黒髪でポニーテールの少女、観霧叶(みきりかな)
はその赤里に注意をする
赤里はそんな観霧にキレながら怒鳴る
「まあ……たしかにもうただの小競り合いとは言い難いかもしれないねぇ」
白衣を身に纏う少女、羽鳥有海(はとりあみ)が赤里に同意する
「どっちにしてもアイン・ホワイトには出てきてもらわなければ困る」
無表情の銀髪少女、如月レインは銃のような魔法武器から光を放っていく
「あの……こ、こんなに滅茶苦茶にしちゃって大丈夫なんですか?ここってこの魔法少女達の拠点なんですよねってぇ!?」
そしてピンクでフリフリの魔法少女服らしい服装の魔法少女、白崎零は敵魔法少女の剣をビビりながら魔法のステッキで受け止める
「構わない、私達の拠点も襲撃を受けた、つまり自業自得」
「いやまあそうですけど……」
如月は白崎に攻撃していた魔法少女に蹴りを入れ吹き飛ばしながら淡々と言う
「でもそれはアンタらが柳をやったからだヨネ?」
「「「!?」」」
全員がその声のした方向を見る
そこにはキャップを被った金髪ロングで緑目の少女が立っていた
「アインさん!」
敵魔法少女の1人がその名を呼ぶ
「アイン・ホワイトか……」
観霧はその名を呟き目を細める
「アイン・ホワイト!!!2、3年振りってところかぁ?女帝気取りの腰抜け女さんよぉ!」
昔戦ったことがあるらしい赤里はそんなアインを煽る
「人の名前を叫ぶなこの低脳が!あと勘違いするなヨ?ワタシが降伏したのは大罪の七人衆に対してであってアンタにじゃないんだヨ!大罪内最弱風情が!」
「なんだとテメェ!!!」
アインと赤里の間でバチバチと火花が散る
「おい赤里!あまり挑発に乗るな!」
「うるせぇぞ観霧!てめぇの指図は受けねぇって言ったはずだぜ?」
そして赤里は観霧にも噛み付く
「いいぜ、てめぇのその偉そうな態度が昔から気に入らなかったんだ!ここで消し飛ばしてやるよ!」
「赤里、落ち着いて今回はアインと戦いに来たんじゃない」
「だからあたしに指図するな!」
そして今度は如月の襟首を掴み睨みつける
「はっ!アンタのそのキレ芸は相変わらずダネ、少しばは仲間の意見も聞いたら?」
「てめぇもうるせぇな!聞いたところであたしがてめぇをぶっ殺すことには変わらねぇだろうが!」
どうやら赤里の中にはアインぶっ殺すというのは決定事項らしい
「だそうダヨ?まあ、ワタシもアンタらの話を聞くつもりは無かったしいいんじゃない?」
そうして赤里とアインはお互いに構える
「くっ……やるしかないのか……!」
「やれやれ、まあこうなるよねぇ……」
「……」
「ええ……マジですか……」
それをみた他のメンバーも渋々と構える
そして今、オルゴール対アイン・ホワイトとの戦いが始まった
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