第2話 それは当然のこと
そもそも何故投獄されるようなことをしでかしたのかも言えば、早い話、俺がテロリストだったからである。快楽殺人者のような狂人とはまた種類が異なるが、俺という人間は筋金入りの悪党で間違いない。
正義が何かを語るつもりなど毛頭ないが、大概、悪人には悪人らしい末路が用意されている。
正義は栄え、悪は滅びる。実に結構なことであるが、俺は獄中を自らの終着点としておけるほど分別のある人間じゃなかった。
ここで獄中死という筋書き通りの結末を受け入れることができるようなら、俺はそもそも悪党になんぞ成り下がることもなかっただろう。
したがって、俺が再び脱獄を決意するというのは至極当然のことだった。
_____さて、抜け出すにしたって手筈を整えねばならないが、どうしたものかな。
小悪党なら為す術のないところだが、生憎俺は筋金入りの悪党だ。
小娘を攫って満足するような小物とは決定的な差を持っている。
それは、飽くなき悪事への探究心だ。
俺とて進んで悪事を行うほど曲がっちゃいないつもりだが、悪党である以上、悪事を働かねばならない瞬間はいくらでもあるのだ。
そして、悪事に知恵と技術は付き物だ。
変装や情報収集、証拠隠滅etc…。
プリズンブレイク べっ紅飴 @nyaru_hotepu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。プリズンブレイクの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます