後編
閑静な住宅街の一角。日当りのいい、昼さがりのリビングルーム。
ソファには、今年17才になる愛くるしい双子の姉妹の姿が。
「あっ……待って! そこは、触っちゃ……ダメ……ぇ」
長いシフォンのスカートに包まれた姉のヒザを枕にして横たわる妹の
「そんなに広げたら……っあ……っん」
「広げなきゃ、入らないでしょ?
と、姉の
今まで使っていた耳かきよりヒトマワリ大きいそれを片目の端に見上げると、
「だ、だからぁ……そんな太いのイヤって言ったのにぃ……ふぁ……っんぅ!」
「もう、先のほうが入ってるわよ。痛い思いしたくなかったら、じっとしてなさい」
「や……んっ! そんな、急に……」
「ダメ、動いちゃ。ちゃんと、奥まで良く見せなさい」
「ヤダぁっ……汚いから……」
「そんなことない。キレイよ、スゴく」
「でも……」
「……いつも、自分でやってるんでしょ?」
「はぁっ……あ……っん」
「ここ? ここが、気持ちいいの?」
「ん。いいっ……」
「じゃあ、もっと、いっぱい
「
耳かきの尖端は、耳奥の肌に貼りついた
「
ほっそりした
アセる気持ちを落ち着けるため、
そして、予想外に手ごわいターゲットをハッキリと
「もうちょっとだから……おとなしくしなさい。スッキリさせてあげる」
「はぁんっ! やんっ! ダメっ……ムリぃーっ!」
その瞬間、リクライニングチェアーに腰かけながらミルクをタップリ加えたクイーンメリーをたしなみつつ、カフェテーブルに開いたファッション誌を眺めていた双子の母親は、お気に入りのオールドノリタケのカップをソーサーに叩き付けるように「ガチャン!」と置くと、たまらずに大声で叫んだ。
「いい加減にしなさいっ! あなたたち……っ」
キョトンと驚いた目をみはる双子の娘によく似た端正な白い顔は、困り果てた表情を浮かべながら、ほんのり赤く上気していた。
オワリ
麗しき双子姉妹の昼下がりの密事 こぼねサワァ @kobone_sonar
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