麗しき双子姉妹の昼下がりの密事

こぼねサワァ

前編

「あっ……待って! そこは、触っちゃ……ダメ……ぇ」

茉莉まつりのスベスベした長い指でビンカンなところをつまみあげられると、あたしは、思わずミモダエしてしまう。

「そんなに広げたら……っあ……っん」


茉莉まつりは、クスッと意地わるく鼻で笑って、ささやく。

「広げなきゃ、入らないでしょ? 歌華うたげのは、ちっちゃいんだもの」


「だ、だからぁ……そんな太いのイヤって言ったのにぃ……ふぁ……っんぅ!」


「もう、先のほうが入ってるわよ。痛い思いしたくなかったら、じっとしてなさい」


「や……んっ! そんな、急に……」


「ダメ、動いちゃ。ちゃんと、奥まで良く見せなさい」


「ヤダぁっ……汚いから……」


「そんなことない。キレイよ、スゴく」


「でも……」


「……いつも、自分でやってるんでしょ?」


「はぁっ……あ……っん」


「ここ? ここが、気持ちいいの?」


「ん。いいっ……」


「じゃあ、もっと、いっぱいこすってあげる」


茉莉まつりぃ……そこっ、こすれてる音が聞こえるのぉっ……早くぅ……も、出してぇっ!」

自分自身が見たことも触れたこともない、奥のほうまで細長いでカキまわされて……どうしようもないくすぐったさと、ジレったいような気持ちよさが入り混じって、強く弱く波のように押し寄せてくる。

茉莉まつりの繊細で大胆な指先は、あたしをわざとらすみたいに、カンジンなポイントのギリギリのキワをかすめては遠ざかる。

茉莉まつりのイジワルぅ……!」

もどかしさに耐えきれなくて、あたしの腰はひとりでにモジモジと動き出す。


茉莉まつりは、ホゥッと小さくタメ息をついて、熱っぽいササヤキを寄せてきた。

「もうちょっとだから……おとなしくしなさい。スッキリさせてあげる」


「はぁんっ! やんっ! ダメっ……ムリぃーっ!」

あたしは、ガマンできずに大声をあげた。


そのとたん、「ガチャンッ!」と、陶器がぶつかり合う物騒ぶっそうな音が鳴り響いたかと思うと、

「いい加減にしなさいっ! あなたたち……っ」

と、ママのカン高い声がリビングに響きわたった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る