大切で大嫌いで、そして…

作者 間川 レイ

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★★★ Excellent!!!

好きも嫌いも、愛も憎も、時に不可分で表裏一体なのかもしれない。
読後、そんなことを思いました。

行動だけを追えば、主人公はずいぶんと優に対して酷い言動を繰り返しています。
傍から見れば、憎んでいるようにしか見えないでしょう。
主人公自身も、優に対して憎しみめいた感情を抱いている局面が多々あります。
……しかしそれでも、そこにあるのは憎しみのみではない。憧憬も確かにあった。
依存めいた複雑な二律背反が、みごとに描き出されています。

しかし、愛憎が相半ばするのはあくまで主人公の内面のみ。
優にとって、主人公はとうに「その他大勢」なのだろうとは垣間見えます。
そこまでの主人公の行動を考えれば、仕方がないとは思うのですが……この残酷なギャップも、また見事に描き出されていると思います。

外界から置き去りにされていく、どこか依存めいた空回りする心情。
その機微も、残酷な末路も、堪能させていただきました。

★★★ Excellent!!!

憧れに気づける場面はちゃんとあった。共に歩ける道もちゃんとあった。共に歩けなくとも生涯のライバルとしての在り方もあった。それなのにつまらないプライドや想いが邪魔をして何にも成れなかった。

素直になる事の大切さを教えてくれる――これはそんな心苦しくも心揺さぶられる素晴らしい物語です!

★★★ Excellent!!!

友だちだと思っていた。いつまでも、一緒だと。
だから、許せない。
どうして、こんなことに。ちがう、最初から私は……。

たしかな筆力で紡がれる、儚い人間ドラマ。
タラレバに埋め尽くされた日々だからこそ、共感できる部分がある。
なにかを信じて生きているからこそ、共感できる部分がある。
まるで自分の心の中を覗いているような、不思議な気持ちになる作品でした。
この時期に読むと、その余韻はさらに深くなること間違いなしです。