虹のあと

俺はもうだいぶ大人になって

それなりに強くなったけど

でも子供の頃はそうじゃなかったはずで

ほんの一言で簡単に死にたくなって


打ちのめされてもその度に立ち上がって、

しなやかにしたたかに諦めないで闘って、

って、そんなことは成長した大人にしかできない


大人になって難問に立ち向かえるようになっても

それはこの世から難問が消え失せたということではない


誰かにとっての良いものが

自分にとっても良いものだとは限らない

多くの人々にとっての良いことが

自分にとっても良いことだとは限らない


カミングアウトは大切だ

そうしなきゃ話は始まらない

でもその理論ではクローゼットが救われない

だってカミングアウトしなきゃ始まらないんだもの


迷ってる いつだって迷ってる

カミングアウトをすべきかどうか

もちろん話した時点で後戻りはできなくなって

でもいつだってこれが正しい選択だったのかと

迷ってる


だってカミングアウトはハイリスクだ

会社を辞めることになるかもしれないし、不登校になるかも

そりゃ気軽に話せる社会の方がいいに決まってるけど、

だからと言って気軽に勧めることはできない


社会の理解を深めたい

みんなで考えたい

そのために何かをどうにかしなければ

でもそれが逆効果だったら?

“社会のため”と“社会の一部の人たちだけのため”は、紙一重


もちろん世の中にはいろいろな人がいて

ある人が全ての基準ではない

と、わかっていれば、何の問題もないのだけれど


みんながみんな自殺願望を抱いているわけではなく

みんながみんな生きづらさを抱えているわけでもなく

そしてみんながみんな華やかなわけでもなく


ここがマイノリティの厳しい現実

目立つ人が基準にされてしまう

でも俺は基準でもなんでもないのだ


俺のせいでみんなが悩んだらどうしよう

俺のせいで社会が拒絶を始めたらどうしよう

でも俺は俺で俺が生きたいように生きたいのだ

あくまでも自分らしく


笑いものにされるか

腫れ物に触るように接するか

そんな選択肢じゃなくて

ただあるがままに


男と女の接し方は違うはず

老人と子供への接し方は違うはず

家族と仕事相手への接し方は違うはず

それと同じこと

それだけのこと


恋愛の話がしたい

人生の話がしたい

つまり世間話がしたい

嘘を吐くのは辛い

秘密を抱えるのもキツイ

笑いのネタにされたくない

誰かがそうしたとき

やめてと言えると嬉しい


ただあるがままに

ただあるがままに


早く差別のない世界よ訪れて

そのために俺ができることはなんだろう

俺ができることはなんだろう


俺が俺のままでいたいと望むことと

この社会、この世界がこのままでいいということは違う

あなたがあなたであるように

俺も俺でいたい


迷ってる 迷ってる

いつだって迷ってる

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Dear Friends 横谷昌資 @ycy21M38stc

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