TRAGETY⇔COMEDY

ハラハラするような展開であるが、最後はホッとしてしまうお話。悲劇と喜劇を行ったり来たりする構成が面白く感じた。哀愁を感じつつも、潔い結末に不思議な爽快感すら覚えた。あっさりとした味わいであると思う。こういう、ある種の騒乱の雰囲気が堪らなく好きである。単純な悲劇に終わらせなかったところにも好感が持てる。真面目な警察官の最後の冗談ーー、本来ならばもてなされ、労われるべき人なのに茶目っ気を演じて肩を叩く主人公の人柄の優しさに惹かれた。まさに、最後のひと仕事なのだろう。優しい雰囲気に満ちた作品だった。

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