僕たちはどこを目指しているのか?

 魅力的な会話が繰り広げられています。ある種の自問自答であるようにも思えます。「後輩」という登場人物に仮託していますが、これは紛れもなく小説を書く者にとってのジレンマを問い掛けているのだと思いました。「後輩」は主人公の内面を語る「鏡」のようなものなのかもしれません。そう考えると、容姿の描写がほとんどなされていないのも納得できます。彼はもう一人の主人公に他ならないのですから。そんなことを考えているうちに午前四時を過ぎました。