55. アルバム・オブ・ザ・イヤー2023【プログレ編】

前回に続いてプログレ系からも、今年印象に残った10枚を選出しました。



今回紹介するバンド/アルバムと、公式動画をまとめたプレイリストです。


★アルバム・オブ・ザ・イヤー2023【プログレ編】

https://www.youtube.com/watch?v=ryzIHFOjnG4&list=PL_guDDmuRSVWJxrzA9BwKzbu6FnBNaxqg



MOON SAFARI『Himlabacken Vol.2』

I AM THE MANIC WHALE『Bumper Book Of Mystery Stories』

秋葉龍『Cities In People』

A.C.T『Falling』

K'MONO『Mind Out Of Mind』


MONDO DRAG『Through The Hourglass』

AVKRVST『The Approbation』

SOUTHERN EMPIRE『Another World』

ARJEN LUCASSEN'S SUPERSONIC REVOLUTION『Golden Age Of Music』

MARTIN MILLER『Maze Of My Mind』




◆MOON SAFARI『Himlabacken Vol.2』

https://open.spotify.com/intl-ja/album/2mfyTUrJLUuGE9056jPxgH?si=iYfTpfRMSmm5SYxU6Vwbzg


『Lover's End』(2010)に脳を焼かれた信者贔屓で恐縮ですが、文句なしのNo.1アルバムです。第52回(https://kakuyomu.jp/works/16817330650571948914/episodes/16817330668463630121)にて語り尽くしていますので、詳しくはそちらにて。




◆I AM THE MANIC WHALE『Bumper Book Of Mystery Stories』

(配信なし)


黄金期SPOCK'S BEARDサウンドの正統継承者が下手を打つわけもなく、堂々のTOP2です。いずれも良曲ながら、往年の雰囲気を感じさせる「Secret Passage」が実に秀逸。ベースのリズム感が地味に凄いです。




◆秋葉龍『Cities In People』

https://open.spotify.com/intl-ja/album/4h6w9jxRRGbbUqBfjNdpII?si=AtYq4bsXQDSjJoaIw2b8LQ


個人的に今年一番の「発見」でした。英国プログレ好きとしては、どこを切っても刺さる要素しかないわけですが、この傑作を弱冠20代の青年が一人で作っているという事実が末恐ろしすぎます。


詳しくは第51回(https://kakuyomu.jp/works/16817330650571948914/episodes/16817330668267901234)もご覧ください。




◆A.C.T『Falling』(EP)

https://open.spotify.com/intl-ja/album/6H6Z2UnvzTbZ9YeGjl3bWE?si=So7AOvc8TgSBiR4NGZ14lQ


実質6曲という点を差し引いても、非の打ち所がない良曲揃いです。四半世紀のキャリアを通じて、これ程までに高水準で安定したバンドを他に知りません。MOON SAFARIといい、スウェーデン勢の活躍には目を見張ります。




◆K'MONO『Mind Out Of Mind』

https://open.spotify.com/intl-ja/album/0qUjE2CTexrfZHTDIKMnRk?si=65y3iIjaTqCF2LbtRn_Bwg


懐古趣味とモダンなセンスの組み合わせは筆者のツボです。そんな贔屓目を自覚しながらの選出と相なりました。HATFIELD & THE NORTHのような、洒脱で飄々とした感性にはハッとさせられます(ダジャレではないです)。




◆MONDO DRAG『Through The Hourglass』

https://open.spotify.com/intl-ja/album/1MA5O4SNY3jsKU2ywo8XR1?si=W4UyvjRETNq6FVHPZGU-Jw


今作から知ったバンドなのですが、作風の急激な変化には驚かされます。もし前作までの間に出会っていたらスルーしていたかも。これも巡り合わせですね。ともあれ、演歌の領域にまで肉薄した情緒性には強烈に心を掴まれました。




◆AVKRVST『The Approbation』

https://open.spotify.com/intl-ja/album/5LZWPBSDx7v6HPO2DdiLPs?si=PErlTyBWSxqciYy9U1172g


露骨にPORCUPINE TREE/OPETHフォロワーながら、両者の旨味が的確に抽出された仕上がり。何よりデビュー作でこの高品質は称賛に値します。今後出てくるであろうオリジナリティがそのまま伸び代として期待できるのも大きいです。




◆SOUTHERN EMPIRE『Another World』

https://open.spotify.com/intl-ja/album/68dqZUfgcWBF5btOoU1Z1t?si=ig5EUdD_Qgmnf7Ccb7EwGA


とにかく清涼感ある1曲目での掴みが素晴らしく、あれよという間に全編視聴してしまいます。従来の要素も保持しつつ、新たな作風を有機的に取り入れたバンド全体の底上げに、新Vo.も大きく寄与しているのは間違いないでしょう。




◆ARJEN LUCASSEN'S SUPERSONIC REVOLUTION『Golden Age Of Music』

https://open.spotify.com/intl-ja/album/7sHaKnNMC8MVBnruMeWDOH?si=oOvNjZBnQbyWMclWefbdVQ


プログレメタル方面へと進化したDEEP PURPLE~RAINBOW直系のサウンドが、実に素直にハードロッキンしています。「こういうのが好き」のてらいなき姿勢はボートラにも如実に現れていて、好感度は非常に高いです。




◆MARTIN MILLER『Maze Of My Mind』

https://open.spotify.com/intl-ja/album/4cgB6LwnQ8YhWZEqrG55yq?si=RIW9P63QTJqGyHx_PrCSSQ


TOTO meets DREAM THEATERなアレンジが実に心地良い味わいの快作。テクニカルながら押し付けがましさのないギタープレイも聴き応え充分です。ありそうでなかった斬新な切り口は、自分の中の隠れた需要を満たしてくれました。




ちょくちょく「本当に2023年の人たちですか? 半世紀ぐらい間違えてません?」と言いたくなるレトロ感が入り混じったプログレ編でした。




☆次点


TRITOP『Rise Of Kassandra』

CROWN LANDS『Fearless』

FISH ON FRIDAY『8mm』

LALU『The Fish Who Wanted To Be King』

PRESS TO ENTER『From Mirror To Road』


……ほか多数!



以上で『マッケンジー音楽室』は終幕です。連載開始から1年余りの間、応援ありがとうございました。いずれまた、別の音楽エッセイでお会いできれば幸いです。

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