いつまでも貴方のことを
汐織博
第1話
いつもと同じ神社の前、いつもと同じように息を切らせながら自転車を走らせる私。
貴方の部活が終わる時間に合わせて待ち合わせ。
「早く来ないかな。」
白い息を吐きながら呟く。もう12月なのだからマフラーでも付ければ良いものを、きっと貴方はいつものように半袖短パンなんだろうな。
向こうの歩道にいくつもの車より少し遅い光が点滅している。あの中に貴方は居るのかな。通り過ぎて行く光の中で一つだけが私のほうへ向かってくる。
自転車のスタンドの音。貴方の荒い息づかい。少し焦りながら砂利を踏みしめる貴方の足音。どれもが全て心地いい。
「遅い…。」
呟きながら貴方の胸に飛びつく。いつもと同じように貴方は温かい。柔らかくて安心する匂いがする。
貴方の肩にそっと顔を埋める。貴方はいつものように抱き締めてくれる。
いつもありがとう。大好きだよ。そんな言葉をこっそり貴方の耳元で囁いてみる。赤くなった貴方の顔はよりいっそう可愛くみえる。
いつまでもこんな幸せが続けばいいのに。
いつまでも貴方のことを 汐織博 @remember1954s
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