第6話 体に入れるエモノ(2)

「拳銃。」

口から出たのはその言葉だった。

「拳銃ですか?!」

カタが立ち上がる。

拳銃...一回使ってみたものの制御が難しかったものだった。反動で腕が上らへんまで上がってしまうし、リロードもできるが最低でも10秒はかかる。もし戦場に来てみたらどうだ、敵にリロードしている間どうなってしまうのか...

ところでだが、

「えものって.....なんですか?」

また、意味のわからない言葉がタトの口から出た。ドヤの次は獲物?

「あれ?まだ教えてないの?」

キョトンとした顔で言ったその言葉、私には本当に理解ができなかった。

教えていない...とは?教えてもらったらわかることなのだろうか?

「あ、い....今から話すところでして...」

ダラダラと額から汗が上がれ出るカタを横目に私はボケェ〜としていた。

「凜花ちゃん!」

体を揺さぶられて私は気を確かにした。私を揺さぶったのはボウだった。なにか焦ったような様子でこちらを見ている。

そして耳元でこう囁いた。

「タトさんって偉大な方だから、し...幹部だから!しっかり話聞いとかないと処分されるよ!」

私はその言葉を聞いて背筋が凍った。

今私がいるところは普通の場所じゃないのかもって。


タトとカタは部屋の外でなにか喋っているようだ。プラはこの時間中に部屋から出ていってしまった。

このテーブルに座っていた人はみな体制を崩して小声で笑い合いながら喋っている。当然話し内容は聞こえなかった。

っと、隣りにいたベイが肩を叩いてきた。

「な、なんですか?」

私もみんなを見習い小声で返事をした。私が答えるとベイはニコニコしながら答えた。

「君ってさ、もともとの名字って何??」

自己紹介の時、日本語が喋れない外国人のように聞こえた言葉は、今はっきりと日本語に聞こえる。私は驚いた。けどそれより、

「なんで親が離婚したこと知ってるんですか...?」

そう、私の親は一回離婚しているのだ。私の母は一回結婚したあとDVに合い、再婚相手が今の父なのである。

「いーやさ、ここにいる人達の経歴を見たらみんなそうだからね、もしかしたらって思って。あ!嫌な記憶だったらごめんね!」

そう言い残すと、ベイは他のところに行ってしまった

...どうしてここにいる人達の経歴を調べたんだろう...?そんな疑問を残しながら私はここでの時間を過ごした。

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デモニオ・ガールズ【私の仕事】 しいな。 @siina_

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