第6話 体に入れるエモノ(1)

「♬〜」

目の前にいる少女は「リヌ」という少女。今はあるに行っているらしい。

当然私はその基地の場所がわからないので、リヌの後ろについて行っている。

通っている道は森の道で、少し暗かった。

基地についたらそこで色々な説明をするらしいが、そこまでに入るのがかなりの難関なのだそう。

っと、いきなりリヌがこちらを向いた、

「戻るよ。」

そう言うと私をどけて今まで来た道を戻っていく。

すかさず私もあとをついていった。

「えっと....戻っちゃうんですか?」

「うん。ここが難関ポイント!」

その言葉に私は口を開けてしまった。ここが、難関ポイント...?

「こんな設計にしてるから、逆にメンバーの身バレがないのかもね〜?」

どんどん進んでいると、リヌがいきなり止まった。

「ここだよ。こーこ!」

下を指差して言う。そこには床に正方形の引き戸みたいなものがあった。

「ここ...ですか...?」

「そー!!」

引き戸を開けようとしながら答える。

ガチャンッ!!という音を立てて、その扉は開いた。

そこには下に続くような白い階段に、石の壁があり、奥は見えなかったが、やけにきれいに掃除されているようだった。

「さっ!いくよ。」

リヌが下へ通りていく。私もすかさず下に降りた。

一番下まで行くと、次はエレベーターの扉のようなのがあり、隣に数字の書いたボタンが9個、正方形に並べられていた。そして、ボタンには「1,2,3,4,5,6,7,8,9」の番号がそれぞれ刻まれており、順番通り押したら開くような仕様なのだとわかった。

リヌは迷いなく「3,1,4,3,3,2,0,4,0,3,」の順番で押した。

「その番号は...なにか意味があるんですか?」

「どういうのか知らないけど、【殺人】って意味があるんだって〜。ぶっ飛んでるよね〜」

「へ...へぇ...」

番号が押し終わると、扉が開き、奥が見えた。

そこは、本当に家のような場所だった。フローリングの床は、きれいに掃除されていた。

リヌはまっさきに右折して行ってしまった。私もすかさず右折する。

リヌは突き当りの左側にあるドアの前で待っていた。

「はーやーくー!!」

――――――

その扉を開けると、テーブルを囲んで女の人が5人いた。

その中にはタトの姿はなかった。

「こんにちは。「宮下凜花ミヤシタ リンカ」ちゃん。...コードネーム何だっけ..?(小声)

ストレートの髪を持つ女の人が言う。どうやらこの人がリーダーのよう。

「その前に名乗ったほうが良いのでは?」

着物を着ている女の人が言う。その人のつけているかんざしは素敵だった。

「じゃ、左側の人から〜!」

リヌが言う。そういうことで、自己紹介会が始まった。

席の一番左に座っていた人が立ち上がる。外国人のようだ。

「エェット...コードネーム「ベイ」ッテイイマス...ガイコクジンデス...日本語ハ学習中デス....」

髪は金髪。目は少し青がかっている。私よりも少し身長が高い女の人だ。

次はベイの隣りに座っていた男の人が立ち上がった。

「俺は、コードネーム「プラ」だ。一緒にはしないがよろしくな。」

結構筋肉がある身体で、少し肌は焼けており、首元に青色の宝石のようなものをかけていた。

すかさずその横の女の子が立ち上がる。私折茂身長が低く、高校生のようだった。

「わ、私は!こ...コードネーム...「ボウ」....です....」

赤色のメガネを掛けた、三編みの女の子が言う。内気なのか、少し声が小さかった。

次は簪をつけた人が立ち上がった。

わたくし「リラ」と申す。」

こちらを睨むような、そんな視線で言ってきた。言い終えると何もなかったかのように座った。

最後、ストレートの髪を持つ女の人が立ち上がった。

「私は「カタ」よろしくねっ!一応ここのリーダーです!」

ビシッと敬礼して言う。私もすかさず「よろしくおねがいします!」とお辞儀をした。

「んで、リヌ?この子にどこまで教えた?」

カタが座ると、すかさずリヌに聞いた。リヌは後退りしながら

「ナ、ナニモオシエテナイデース」

この部屋から出ていった。

一人取り残された私はどうすれば良いのかわからずカタ達の方を見るしかなかった。

「緊張しなくてもいいよ。ほら、座って。」

プラが立ち上がり、席を譲ってくれたので、お言葉に甘えて私も座った。席は見た目よりもふかふかしていて、内心私は驚いた。

「じゃ、まだ何も教えてもらっていないっぽいから、まずこのグループについてね。」

シャッキっとした顔で、私の方を真剣に向きながら喋り始める。

「まず、私達は世間で言う「殺し屋」って存在。けど何もなしに人を殺めてるんじゃないのよ。を殺めてるの。麻薬の取引とか人身売買のところとか。

そして【警察から逃げるため】でもある。私達は人間とは違う。まぁファンタジーっぽさプンプンだけど、能力が使える。裏社会の人間がいるなら裏社会の警察もいる。能力者ってのはその警察に追われる。だから、裏社会の人間を殺って警察も消すのが最終目標ってわけ。そのために能力者を保護して一緒に戦うのが私達チームがやること。わかった?」

他の人達はうなずきながらその話を聞いていたが、私には理解ができなかった。

能力者?保護?裏世界?悪い奴らを仕留めているから善...?

「あのっ、」

「ん?」

「警察から逃げるため...ってのはなんとなくわかりました、なら!

なんで私が能力者ってわかったんですか?!しかも、拳銃とかどこから仕入れてるんですか?!それこそ裏世界じゃない...普通の警察に捕まってしまうんじゃ?!もともと善人だった人を犯罪者にさせているだけじゃ?!」

私は立ち上がって自分の意見を隅から隅まで喋った。この時、私はパニックで感情の制御ができなかったんだろう。

「まぁまぁ落ち着いて、そこもしっかり話すから...」

私は、だんだんと落ち着きを取り戻し、ゆっくりと椅子に座って話の続きを聞くことにした。

「俺だって最初はそんなんだったよ。」

プラがニコニコしながら囁くように言う。他の人もニコッとしてこちらを見ている。

...一人を除いて。リラだけはこちらを未だに睨んでいた。

なにかしてしまったのかな、と思いながらも私は真剣な表情で話を聞いた。

「じゃ、まずはなんであなたが能力者ってわかったかね。私達のグループにも幹部がいるのよ。その幹部の一人が「ターラー」っていて予言ができたの。」

「予言でわかった....ってことですか。」

「そう。あと拳銃。これも幹部の中のひとり「リル」が、自分の想像したものを現実とリンクさせるっていう...それで拳銃は作り出してる。その幹部ってのは...【警察】だからね...」

「裏世界の警察が幹部...ってことですか....?」

「ううん。普通の警察........

ふざけてなんかないよ。本当。警察だって裏社会を見てみぬふりしているわけじゃない。だから殺す。私達だってやりたくて殺ってる。後戻りしたいなら今。」

「えっ....?」

「今、今決めて。あなたがどうするのか。殺るのか。」

「えっと...」

「そんなの聞かなくてもその子は決めてるよっ....」

ガチャンという大きな音とともに、タトが出てきた。服はボロボロでそのうえ血がついており顔にも少し切り傷がついていた。だが切り傷以外は特に外傷はないようだった。

「タトさんっ!」

タトのことを見ると座っていたみんな立ち上がり、頭を下げた。リラさえも。

少し時間が立つとみんな頭を上げて座った。

「えっと....そんなの聞かなくてもいいとは...どういう意味ですか?」

「簡単。もうこの子は手を染めてる。んで、多分この子のエモノは」


                 「拳銃」

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