第1話

 2019年冬は終わりを迎えて桜の花びらが街に敷き詰められ始める春4月の1日から僕と翔は、学校が提供している。学生マンションへ住むことになった。

ここ青華大学では、学生マンションが格安で提供されることになっている。しかも家賃は1万5千円とかなり格安だ。

 翔の両親と共に引っ越しの荷物を運びにはるばる大阪へとやってきた。駐車場に荷物を積めた車を駐めるとすぐに、翔の両親とウチの両親は仲が良いからか、世間話を繰り広げる。世間話をしている母親の間をすり抜け荷物を車から下ろす。

「ペラペラペラペラ…」

「ペラペラペラペラ〜」

持ち前の甲高いトーンの声がはっきりと内容は聞こえないが、道へと入ってくる。

 肝心の翔はと言うと、染めたての金髪、耳にはピアスの穴が両耳に 4つ程つけている。服は、量産型の大学生のストリート系ファッションを着こなし早速大学生へと染まっていた。

 大学生は、全員そうする文化でもあるのかよくわからないが、謎の風習の洗礼を早速翔を見て笑いをそっと堪える。

 玄関先に荷物を持ち運んでいくと2階建てのマンションが近づいてくる。

「D-4棟だから、ここだな」

目の前には、まるで一つの村のように、住宅街のマンションが並んでいる。

 大学の方針として[未来へと羽ばたく人材育成]の為に、人と関わりコミュニケーション力伸ばすこの制度を元にこの学生マンションが作られたらしい。

 人と話すのが苦手なタイプな僕からしたら、地獄のような環境だ。

 しかし、僕には大きな目標がある。大学に入って目指すのは、脱インキャと年齢=彼女なしという称号を無くすため。

 意を決して、マンションの中へと入る。

マンションの中へと入るとフローリングの床材が用いられており、イス、食器、タンス、全ての家具は木製の小洒落た北欧風のインテリアに染められている。まるで、ニ◯リの展示品を見ているかのようだ。

「はじめましてー、新しく入居することになったモンなんすけどー」

 大きな声で聞こえるように翔は、部屋に入るなりすぐ話し出す。

「はいー?」

近くから声が聞こえる。声の主は、ベランダにいるようだ。

 近寄ってみると、髪型がショートヘアーのボブの青髪の女性がベランダに座っており、ヘッドフォンを外して僕たち二人を見上げる。

日の光が、よく当たるベランダで灰皿を手元に置いてタバコを吸う姿が見受けられた。

 ダメだ…やっぱり僕ここの生活続けれそうにないかも…


 

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インキャ革命 @nabesu_desu

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